早すぎるけど、2021年の主演男優賞は確定でいいかも

2021年1月23日 斉藤 博昭 すばらしき世界 ★★★★★ ★★★★★

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すばらしき世界

服役囚の社会復帰という、とことんシビアなテーマで、しかも周囲の偏見や現実の厳しさをきっちり描きながら、この軽やかさ、この微笑ましさは、いったい何!? 題材と作風のギャップで予想外のエモーショナルを与える、映画としての目的を完璧に達成。

説明セリフを排し、日常の会話にナチュラルに教訓をのせる脚本も巧いが、役所広司の奇跡レベルの名演技が、観る者の心をつかんで離さない要因。ブチキレる瞬間から、妙な正義感の発露、本能的な優しさ、とぼけた味わいまで縦横無尽なうえ、すべての感情が痛いほど伝わってくる。「演じる仕事」の最高の見本に敬意を表したい。
観終わった後はタイトルの意味を考えつつ、余韻は格別だ。

斉藤 博昭

斉藤 博昭

略歴:1963年神奈川県藤沢市生まれ。高校時代は映画研究部に所属。1997年よりフリーランスのライターとして映画誌、女性誌、情報誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。得意ジャンルはアクション、ミュージカル。最も影響を受けているのはイギリス作品です。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。

近況:例の接待問題で軽く話題になっている、洋画専門チャンネル「ザ・シネマ」で、4月に何回か放映される「ザ・シネマ レコメン道場」という新番組に出演しています。

サイト: https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohiroaki/

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