シネマトゥデイ

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斉藤 博昭

斉藤 博昭

略歴: 1963年神奈川県藤沢市生まれ。高校時代は映画研究部に所属。1997年よりフリーランスのライターとして映画誌、女性誌、情報誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。得意ジャンルはアクション、ミュージカル。最も影響を受けているのはイギリス作品です。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。

近況: 12月はマカオ国際映画祭へ。窪田正孝のコアなファンが意外に多く、中国の内地から来た人も。日本ではまだ観られそうにないウィレム・デフォーの「ライトハウス」が強烈なインパクトでした。

サイト: https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohiroaki/

斉藤 博昭 さんの映画短評

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  • レ・ミゼラブル
    社会派映画としてだけでなく、アクション映画の高揚感も
    ★★★★

    対立する双方に感情移入させたり、憤ったりさせたりして、社会が抱える深い闇をえぐり出す。今作がその目的を鮮やかにクリアしたのは、登場人物への徹底したクールな眼差しが貫かれているから。複雑な事情を抱える警官はともかく、悪さをする少年たちに同情の余地はないのだが、警官の不正を世にさらけ出そうとする彼らの姿に、正義と悪が反転する高揚感を味わえる。ドローン、動画流出、インスタを使った捜査など、いかにも今っぽい要素も作品への訴求力を高めるうえで効果的。重要なシーンでアクション映画的に興奮させるのは、室内および路上での的確なカメラワークのおかげで、一発勝負の迫力か、計算された演出か、その境界を感じさせない。

  • 2分の1の魔法
    「魔法」をかけられるのは、われわれ観客だった
    ★★★★★

    「またテーマは家族の絆ですよね、はい、はい」と冷めた気持ちで観始め、前半は確かに予定調和ムード。しかし中盤から、思いもよらぬ変化球で感動させられる。毎回、ピクサーのこの逆転技に降参するのだが、この新作も例外ではない。
    タイトルに関わる重要キャラクターなど、実写なら絶対に気味悪くなってしまう造形を、アニメならではの「愛おしさ」で見事にビジュアル化。ハリポタにも通じる世界観や、デル・トロ、ギリアムが好みそうなキャラを、かわいくアレンジして表現する創意工夫にも感心しまくり。マニアックな楽しさと、全世代共感ドラマをつなぐ「架け橋」は『リメンバー・ミー』に近いが、ヒーローアクションの醍醐味も備えている。

  • 三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実
    思わぬ瞬間に現れるカリスマの素顔に、不覚にも激しく感動する
    ★★★★★

    知られざる真実に驚きと感動を味わうのがドキュメンタリーなら、今作はその目的を快く達成する見本。社会を変えようとする50年前の若者たちの熱い意志と、文学界のスーパースターの素顔。その両サイドが時にじわじわと、時に爆発するように立ち現れる。特にカリスマ性を放つ三島の人間くささ、敵対するはずの学生との美しき共振は、不覚であり、異様に劇的だ。難解なやりとりもあるが、当時を知る人々や文化人の証言が的確に、軽やかな解説で挿入され、理解不能のままスルーしても問題なし。時代のムードを体感するのはもちろん、観る人によっては今後の人生を変える側面が備わってるかも。ナレーターの声質と語り口がやや違和感なのは狙いか?

  • チャーリーズ・エンジェル
    エンジェルの魅力と時代が求めるテーマの化学反応
    ★★★★★

    ヒーローたちが女性であることの意味を、過去のシリーズ以上にアピールする作り。アクションのキレ味は鋭いし、「お待ちかね」の変装の楽しさ、パーティー&ファッションの華やかさ、ハイテクとアナログの両面を揃えたスパイガジェットの効果、さらに歴代エンジェルの特別出演までサービス精神は充実している。
    「美人なら(相手を)油断させられる。ブサイクなら放っておかれる」というセリフが示すとおり、セクシーで美しく強いという価値観はエンジェルの伝統であり、揺るぎない魅力。しかしテーマが「今」を強調した分、その価値観には皮肉や古くささがつきまとう。そこに作品全体の迷いも感じられ、突き抜けた勢いに時折ブレーキがかかる。

  • ロミオとジュリエット
    原作以上に、ウエスト・サイド的な哀しみもある屋外に出たバレエ
    ★★★★

    主人公を演じた『キャッツ』では、その動き全体がCGっぽく見えてしまって残念だったF・ヘイワードが、超絶かつ優美を極めたバレエのテクニックを惜しげもなく披露。終盤は女優としての渾身の演技力もみせ、おなじみの物語にさらなる吸引力を与える。

    バレエをセットで実写映画風に撮る試みは、ダンサーたちを遮る植物や建築、布などをあえて映像に取り込むことで、リアリティを加味することに成功。雨も降らせるし、決闘は生々しく、短いながらラブシーンも映画風。踊りながらの悲劇ということで、翻案の『ウエスト・サイド物語』に近い印象もあるし、1970年代のケン・ラッセル映画のような妖しき退廃美も感じられたのは、思わぬ収穫。

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