シネマトゥデイ

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なかざわひでゆき

なかざわひでゆき

略歴: 日本大学芸術学部映画学科卒、同学部大学院卒。映画・海外ドラマのライターとして、TVガイド誌やオンライン情報サイトなどを中心に幅広く執筆活動中。雑誌「スカパー!TVガイドBS+CS」(東京ニュース通信社刊)で15年続くコラム“映画女優LOVE”をはじめ各テレビガイド誌で特集記事やコラムを執筆。著書は「ホラー映画クロニクル」(扶桑社刊)、「アメリカンTVドラマ50年」(共同通信社刊)など。また、数多くの来日スターにインタビューしており、ハリウッドのスタジオや撮影現場へも毎年コンスタントに足を運んで取材をしている。特に海外ドラマの現地取材は本人も数え切れないほど(笑)。旧ソ連のモスクワ育ち。

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サイト: http://eiga3mai.exblog.jp/

なかざわひでゆき さんの映画短評

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  • ラスト・サンライズ
    『流転の地球』とは対極的な中国産SF映画の佳作
    ★★★★

     『流転の地球』の記録的な大ヒットにかき消された感があるものの、恐らく同作を「大味」と感じた映画ファンであれば、少なからず刺さるであろう良質な中国産本格SF映画。人類が全ての電力を太陽エネルギーで賄うようになった近未来、ある日突然、その太陽が消滅して地球が真っ暗闇に包まれてしまう。人々が食料や資源を巡って殺し合いを繰り広げ、気温の低下や酸素の欠乏が刻一刻と進む中、2人の男女が噂に聞いた「希望の地」を目指して過酷な旅へ出る。ウェットな『流転の地球』に対して、本作は非情なまでにドライ。絶望的な終末サバイバルをリアルに描きつつ、しかし普遍的なヒューマニズムに希望を託す。洗練された映像美も印象的だ

  • ヒトラーを殺し、その後ビッグフットを殺した男
    タイトルとは裏腹に超激シブな哀愁漂う男のドラマ
    ★★★★★

     C級カルト映画のようなタイトルに騙されてはいけない。なにしろ主演は名優サム・エリオット。製作総指揮にはダグラス・トランブルやジョン・セイルズが名を連ねる。主人公は寡黙で武骨で誠実、まるで西部劇の英雄のごとき老人。かつて狙撃兵だった彼は、国家の命を受けソ連と協力してヒトラーを暗殺するが、しかしナチスの凶行は止められず、戦後のアメリカはソ連と敵対。彼の存在も歴史の闇に葬られた。そして今、政府の要請でビッグフット退治に乗り出した彼は、まるで自分のような老いた絶滅危惧種の怪物と対峙する。これは誠実な愛国者ゆえ国家の思惑に利用され、時代に翻弄された、全ての名もなき兵士たちへ捧げるレクイエムだ。

  • 屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカ
    弱者がさらなる弱者を虐げる地獄絵図
    ★★★★★

     シリアル・キラーを題材にした映画は数あれども、これほど惨めで無残で絶望的な気分になる作品はなかなかないだろう。’70年代の西ドイツを震撼させた連続殺人鬼は、孤独で臆病で卑屈な小心者の非モテ男。夢も希望も金もなく性欲だけを持て余した彼は、若い女性にアプローチするだけの勇気も甲斐性もないため、自分よりも弱くて貧しくて行き場のない中高年の売春婦ばかりをゴミ溜めのような自宅へ連れ込み、まるで日頃の鬱憤を晴らすかのように凌辱し嬲り殺す。彼女たちにも若い青春時代があったこと、苦労を重ねた人生があったことにも想像が及ばないまま。弱者がさらなる弱者を虐げる地獄絵図。その風景は今もそこかしこに存在する。

  • ふたりのJ・T・リロイ ベストセラー作家の裏の裏
    どこまでも人間的なスキャンダルの裏側
    ★★★★

     彗星のごとく現れた天才美少年作家J・T・リロイが、実は無名の女流作家が作り上げた架空の人物で、人前へ出るときは彼氏の妹に代役を務めさせていた。今から15年ほど前に全米を騒がせた事件の映画化である。精神的なトラウマに起因する自己評価の低さから匿名を選んだ大人の女性と、まだ自己を確立できず人生の道に迷う若い女の子が、J・T・リロイという虚像を共に作り上げ、やがて世間だけでなく自分たちもまた翻弄されていく。当事者の手記を基にした本作は、単なる売名行為と取られがちなスキャンダルを、自らのアイデンティティを模索する女性たちの物語として描いている点が面白い。クリステン・スチュワートの美少年ぶりも必見!

  • グッドバイ~嘘からはじまる人生喜劇~
    小池栄子の見事なコメディエンヌぶりに脱帽!
    ★★★★

     戦後間もない頃の日本。その優柔不断さゆえ幾人もの愛人を囲った既婚男・周二が、銭ゲバの担ぎ屋女・キヌ子を雇って自分の女房を演じさせ、体よく愛人たちとグッドバイしようとするものの、次々ととんだ災難に見舞われていく…という因果応報な人情喜劇。女性に依存せねば生きていけぬダメ男の滑稽さを笑い飛ばしつつ、男社会で女性が自立して生活することの過酷さもちゃんと描いているところがミソだ。また、邦画では往々にして軽んじられがちな、登場人物のセリフ回しや立ち振る舞いにも時代考証が行き届いているのは立派。なにより、キヌ子を演じる小池栄子の見事なコメディエンヌぶりときたら!さながら和製ルシル・ボールの如しである。

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