2020年 第70回ベルリン国際映画祭コンペティション部門18作品紹介

第70回ベルリン国際映画祭

 2月20日~3月1日(現地時間)に開催される第70回ベルリン国際映画祭のコンペティション部門18作品を紹介。70回目という記念すべき年の審査委員長を務めるのは、『ジャスティス・リーグ』の執事アルフレッド役などでも知られるオスカー俳優ジェレミー・アイアンズ。ベルリン国際映画祭らしく、メッセージ性の強い作品や自分自身と向き合う内容の作品が多く揃った本年。金熊賞は誰の手に!?(文:岩永めぐみ/平野敦子/本間綾香)

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『ベルリン・アレクサンダープラッツ(原題) / Berlin Alexanderplatz』

ベルリン・アレクサンダープラッツ
(C) Stephanie Kulbach / 2019 Sommerhaus / eOne Germany

製作国:ドイツ、オランダ
監督:ブルハン・クルバニ
キャスト:ヴェルカー・ブンゲイェラ・ハーゼ

【ストーリー】
アフリカからヨーロッパを目指していた不法移民のフランシスは、船が嵐に遭遇した時に、もし無事に上陸できたなら今後は心を入れ替えて真面目に生きると心に誓う。その願いは叶ったものの、難民生活は思った以上に過酷で、彼はドイツの麻薬の売人と接触を持つことになる。

【ここに注目】
1980年に西ドイツでテレビドラマ化もされた、アルフレート・デーブリーンの小説「ベルリン・アレクサンダー広場」を基にした人間ドラマ。不法移民としてアフリカからドイツに渡って来た主人公が、罪に手を染めながらも、ある女性と出会ったことでなんとか自らの運命を変えようともがく姿を映し出す。現代に舞台を移して描かれる、主人公の閉塞感や格差社会、そしてクラシカルな“ボーイ・ミーツ・ガール”の物語が観客の心に響くに違いない。

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『ダウ・ナターシャ(原題) / DAU. Natasha』

ダウ・ナターシャ
(C) Phenomen Film

製作国:ドイツ、ウクライナ、イギリス、ロシア
監督:イリヤ・クルザノフスキーエカテリーナ・エルテル
キャスト:ナタリア・ベレズナヤオルガ・シュカバルニャ

【ストーリー】
ソビエト連邦の極秘研究機関の中にある食堂で働くナターシャ。酒好きで愛を語ることが大好きな彼女は、ある相手にのめり込んでいくが、国の安全を守る部署が介入して……。

【ここに注目】
ロシアの気鋭イリヤ・クルザノフスキーと、メイクアップアーティストのエカテリーナ・エルテルが共同監督。もともとは2006年に、クルザノフスキーがノーベル賞物理学賞を受賞したロシアの物理学者レフ・ランダウの伝記映画として立ち上げた企画で、歳月を経て2019年に極秘の研究所で働く人々を描いた『ダウ(原題) / Dau』として公開された。本作はエルテルと組んでさらに再構築した異色作。

『ザ・ウーマン・フー・ラン(英題) / The Woman Who Ran』

ザ・ウーマン・フー・ラン
(C) Jeonwonsa Film Co. Production

製作国:韓国
監督:ホン・サンス
キャスト:キム・ミニソ・ヨンファ

【ストーリー】
結婚してからというもの、一度も夫と離れて過ごしたことがなかった女性が、夫が出張中に、疎遠になっていた古い友達3人と再会する。

【ここに注目】
正しい日 間違えた日』(2015)、『クレアのカメラ』(2017)、『それから』(2017)などで知られる韓国の名匠ホン・サンスの24本目となる長編。ホン監督が公私ともにパートナーである女優キム・ミニと7度目のタッグを組み、ほかにソ・ヨンファ、ソン・ソンミキム・セビョクイ・ウンミが共演した。ホン監督の本映画祭コンペ部門出品はこれが4回目で、前回の『夜の浜辺でひとり』(2017)ではキム・ミニが第67回ベルリン国際映画祭女優賞を受賞した。

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『デリート・ヒストリー(英題) / Delete History』

ザ・ウーマン・フー・ラン
(C) Les Films du Worso / No Money Productions

製作国:フランス、ベルギー
監督:ブノワ・ドゥレピーヌギュスタヴ・ケルヴェン
キャスト:ブランシュ・ガールディンドゥニ・ポダリデス

【ストーリー】
田舎の分譲住宅に暮らすマリーはセックステープをネタに恐喝され、ベルトランは娘がネット上でいじめられ、運転手のクリスティヌはネットに書き込まれた客の評価のせいで仕事ができずにいた。3人はインターネット巨大企業と戦うことを決意する。

【ここに注目】
共に俳優でもあるブノワ・ドゥレピーヌとギュスタヴ・ケルヴェンのコンビによる9作目の長編で、ベルリン国際映画祭コンペティション部門は2010年の『マムート』以来2度目の挑戦となる。『12か月の未来図』(2017)のドゥニ・ポダリデスなどがメインキャストに名を連ね、最新テクノロジーやソーシャルネットワークに戦いを挑む登場人物を演じる。

『ザ・イントルーダー(英題) / The Intruder』

ザ・イントルーダー
(C) Rei Cine SRL, Picnic Producciones SRL

製作国:アルゼンチン、メキシコ
監督:ナタリア・メタ
キャスト:エリカ・リバスナウエル・ペレス・ビスカヤール

【ストーリー】
イネスは恋人とのバカンスの最中に不幸に見舞われて、そのトラウマが引き金となり、次第に現実と虚構の世界の境界線が曖昧になっていく。あまりにもリアルな悪夢と、同様に繰り返し聞こえてくる音が、知らない間に彼女と母親の日常生活までも侵食し始める。

【ここに注目】
初監督作『ブエノスアイレスの殺人』(2014)で注目されたアルゼンチンの俊英、ナタリア・メタが監督と脚本を務めて放つサイコスリラー。ある悲劇をきっかけに少しずつ狂い始める主人公の人生を、悪夢や効果的な音の演出で鮮やかに描写する。『永遠に僕のもの』(2018)のセシリア・ロス、『天国でまた会おう』(2017)のナウエル・ペレス・ビスカヤール、『人生スイッチ』(2014)のエリカ・リバスらアルゼンチンの名優たちが豪華共演。

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『バッド・テールズ(英題) / Bad Tales』

バッド・テールズ
(C) Pepito Produzioni / Amka Film Production

製作国:イタリア、スイス
監督:ダミアーノ&ファビオ・ディノチェンツォ
キャスト:エリオ・ジェルマーノバルバラ・キキアレッリ

【ストーリー】
ローマ南部の郊外に住むとある家族。一見ごく普通の家族のようだが、父親の静かで狡猾なサディズム、父親に言いなりの母親、そして絶望を感じている子どもの怒りがうずまいていた。11歳の子どもの視点で語られる暗いおとぎ話。

【ここに注目】
イタリア出身の双子監督、ダミアーノ&ファビオ・ディノチェンツォの長編2作目。デビュー作『ボーイズ・クライ(英題) / Boys Cry』が第68回ベルリン国際映画祭パノラマ部門で上映され、マッテオ・ガローネ監督の『ドッグマン』(2018)では共同脚本に名を連ねた。『我らの生活』(2010)で第63回カンヌ国際映画祭最優秀男優賞を受賞したエリオ・ジェルマーノが主演を務める。

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