魔物が潜む郷愁の80年代に、闇を克服する瑞々しい思春期ホラー

2017年11月6日 清水 節 IT/イット “それ”が見えたら、終わり。 ★★★★★ ★★★★★

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IT/イット “それ”が見えたら、終わり。

 長大な原作を圧縮する上で、瑞々しい思春期のストーリーに比重を置き、7人の少年少女を描き分け、恐怖描写にのみ照準を絞らなかった。50年代を舞台としたキング原作を80年代にスライドさせた戦略により、確実に客層も拡げている。魔物が棲むノスタルジックな近過去を乗り越える“裏スタンド・バイ・ミー”として見事な完成度。過干渉、DV、性的虐待…ここでの恐怖は大人達や社会の闇がもたらすものであり、克服すべき通過儀礼でもある。文学的なまでの奥行きを生み、観客の数だけペニーワイズはいると感じさせる普遍化も巧い。恐怖×冒険×成長のブレンドによって、全盛期のアンブリンも成し得なかった思春期ホラーの傑作が誕生した。

清水 節

清水 節

略歴:映画評論家・クリエイティブディレクター●映画.com、シネマトゥデイ、FLIX●「PREMIERE」「STARLOG」等で執筆・執筆、「Dramatic!」編集長、海外TVシリーズ「GALACTICA/ギャラクティカ」DVD企画制作●著書に「いつかギラギラする日 角川春樹の映画革命」「新潮新書 スター・ウォーズ学」●WOWOW「ノンフィクションW 撮影監督ハリー三村のヒロシマ」企画・構成・取材で国際エミー賞、ギャラクシー賞、民放連最優秀賞 受賞

近況:●55周年「ウルトラマン」HD Remaster3.0収録「ウルトラ・レボリューション1966」構成演出●「ULTRAMAN ARCHIVES」クリエイティブディレクター●ニッポン放送「八木亜希子LOVE&MELODY」

サイト: http://eiga.com/extra/shimizu/

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