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平沢 薫

平沢 薫

略歴: 映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「SCREEN ONLINE」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」「Movie Walker」等で執筆。他に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況: 「マルコヴィッチの穴」「アダプテーション」の脚本家チャーリー・カウフマン監督・脚色の「もう終わりにしよう。」@Netflix、映画だけ見ても面白いが、イアン・リードの同名小説(ハヤカワ文庫)を読むと、カウフマンがこの小説をどう読んだのかが見えてきて面白さ倍増。

平沢 薫 さんの映画短評

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  • オン・ザ・ロック
    ソフィア・コッポラ監督のヒロインが新たな領域に
    ★★★★

     処女作「ヴァージン・スーサイズ」は例外として、ソフィア・コッポラ監督はずっと「自分が愛されていないと思った子供は、どのようにして生き延びようとするか」を描いてきたのではないか。この"子供"は、男性であることもあり、身体的には大人だったりもするのだが。そしてその子供は監督自身と重なって見えもした。しかし、この映画はこれまでとは違う。今回のヒロインもかつてそういう子供だったが、そんな自分が他者を愛することができるようになったことを誇るのだ。
     それにつけても、ビル・マーレイの演技が絶妙。まったく悪気なく自分しか愛することができず、それなのに魅力的というハマリ役を演じて、今回も魅了する。

  • ある画家の数奇な運命
    変わっていくもの、変わらないもの
    ★★★★★

     長い時間の経過の中で、刻々と変化していくものと、ずっと変わらないものがある。この映画に3時間9分という長さが必要だったのは、それを描くためだろう。
     物語には幾つもの層がある。ある幼い少年が試行錯誤の後に自分の画を描くに至るまでの物語であり、彼が幼少期のある事件に関わった人物を告発する物語でもある。同時に、1930年代から1960年代にかけてのドイツの社会的政治的変化を描く物語でもある。さらに、その時代の推移の中で、"美術"というものの扱われ方がどう変わったのか、また、主人公にとってどのようなもの変化していったのかを描く物語でもある。このさまざまな移り変わりのための3時間9分なのだ。

  • リアム・ギャラガー:アズ・イット・ワズ
    ステージではない場所で見せる表情に引き込まれる
    ★★★★★

     ミュージシャンのドキュメンタリーの大多数は、もっとも盛り上がるシーンを、その人物が音楽を出現させるところに持って来るのだが、この映画は違う。むしろ、ステージではない場所、スタジオではない場所で、この人物がどのような表情を見せるのか、それを捉えようとする。あるミュージシャンを描くのではなく、ひとりの人間を描き出そうとするのだ。それは、この映画の監督コンビの一人が音楽ビデオの監督で、被写体であるリアム・ギャラガーを公私に渡って10年前から知っていた人物だということも関係しているだろう。栄光と挫折を経験した人間が、試行錯誤を経て、穏やかに立っていられる場所を見つける。そんな物語にも見えてくる。

  • マティアス&マキシム
    英国男優ハリス・ディキンソンにも注目
    ★★★★★

     監督自身が「君の名前で僕を呼んで」へのオマージュだと語る通り、あの映画同様、ここからいなくなる青年とここに残される青年、2人の微妙に揺れ動き続ける想いを正面から描き出す。画面の構図にもオマージュが続々。加えてこちらは幼なじみの親友で、周囲には同世代の友人たちもいて、家族の問題もあり、思いには様々な側面がある。
     そんなドラマの中で、予想外に目を奪うのが、トロントからやって来る取引先社員役の英国男優ハリス・ディキンソン。「ブルックリンの片隅で」では同性への興味に悩む青年を好演、来年公開の「キングスマン:ファースト・エージェント」ではレイフ・ファインズと主演コンビを演じる注目株だ。

  • エノーラ・ホームズの事件簿
    原作小説に「フリーバッグ」の味もちょっぴりプラス
    ★★★★★

     シャーロック・ホームズには20歳年下の14歳の妹エノーラがいたという設定の少女向け小説シリーズの映画化なので、可愛い小物も衣装もドラマに絡む美少年もしっかり原作ファン対応。そして、そこからいい意味でちょーっぴりはみ出ているのは、監督がロンドンのアラサーこじらせ女子を描く辛口コメディTVシリーズ「Fleabag フリーバッグ」のハリー・ブラッドビアだから。14歳のエノーラは「フリーバッグ」のヒロイン同様、たまにカメラ目線で視聴者に目配せするのだ。おまけに一家のキャストが超豪華。母はヘレナ・ボナム・カーター、兄はサム・クラフリンとヘンリー・カヴィル。このホームズ兄弟の大人向けスピンオフもぜひ。

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