シネマトゥデイ

シネマトゥデイ

平沢 薫

平沢 薫

略歴: 映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」等で執筆。著作に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況: TVシリーズ版「ウォッチメン」、最初は情報を小出しにしてなかなか全体像を見せない作劇だったが、第3話でやっとこの世界の全体像がかなり見えてきて、オリジナルコミックとの関連性も明確になってきた。これからが楽しみ。

平沢 薫 さんの映画短評

全756件中1~5件を表示しています。 Next »
  • プレーム兄貴、王になる
    豪華絢爛極彩色系インド映画の様式美にウットリ
    ★★★★

     あえて古典的インド娯楽映画の様式を甦らせた意欲作。豪華絢爛、極彩色、脳が溶けそうな半音階のメロディ、それを歌う高音域の女声、舞い踊る美男美女たち。そんなかつてのインド映画が出現させた桃源郷が繰り広げられる。それでいて展開速度と音楽の律動はきっちり現代仕様。実写版「アラジン」のアラジンの行列をもっと派手で華麗にした世界なので、あの雰囲気が好きだったならきっとウットリするはず。
     現代を時代背景に夢のような世界を描くため、主要登場人物たちを王族にして宮殿も衣装も豪華で華麗に。物語も様式に合わせ、王子にそっくりな顔の売れない役者が王子の身代わりになって大活躍の古典仕様だ。

  • ミッドサマー
    「色」と「形」が原初的な恐怖を呼び起こす
    ★★★★

     すべての色と形に意味がある。画面に現れる建造物の造形、布に描かれた絵、空と花が、その色と形だけで、北欧起源の人々のDNAに埋もれた記憶を刺激するのではないか。それは日本で育った私たちが「もののけ姫」の植物相や装飾物を見たときに、縄文時代の記憶を揺さぶられたと感じたのと同様の感覚だろう。それらの"そんなはずはないのに確かに知っている"と感じさせる色と形は、懐かしくもあるが、畏怖の念をも呼び起こす。なぜなら、それにまつわる恐ろしい出来事をDNAが忘れていないからだ。それを明解にするため、登場人物たちは民俗学を学ぶ学生だという設定になっている。その原初的恐怖は、北欧系ではない観客にも伝わってくる。

  • 名もなき生涯
    主人公の言葉にひたすら耳を澄まし続ける
    ★★★★★

     音楽を聴くように、詩を読むように、見る映画。原作は実話で、実際に起きた出来事が描かれていくが、何が起きているのかという説明は一切ない。冒頭から結末まで、ただ、そのとき主人公が何を感じ何を想ったのかが、まるで詩のような言葉で、一人称の静かなモノローグの形で語り続けられる。そして、その背後に、バッハ、ヘンデル、ブルックナーなどのクラシック音楽が流れ続ける。画面の色調は、風景から衣服まで含めて常に灰青色に保たれ、いつも湿度が高くて気温は低い。この映画を見るということは、その映像と音楽の美に身を委ねながら、その美とは異なる主人公の言葉に耳を澄まし続け、それについて考え続けるということなのだ。

  • チャーリーズ・エンジェル
    女子が見て女子がカッコイイ痛快アクション!
    ★★★★★

     これまで男性観客向けだった「チャーリーズ・エンジェル」を、若い女子たちが楽しめる痛快アクション映画として描き直すという、大胆な試み。それに挑戦した「ピッチ・パーフェクト2」のエリザベス・バンクス監督とクリステン・スチュワートら若手女優たちが見事に成功、女子が見て女子たちのカッコよさにシビレる痛快アクション映画になっている。アメリカでの不評は従来のシリーズと同じものを期待すると別モノだからかも。それとも、権力を持つ年配男性キャラたちがみなマヌケで、唯一キュートに描かれる男子役が「好きだった君へのラブレター」の全米女子のアイドル、ノア・センティネオなのが男性観客にウケなかった? 

  • 1917 命をかけた伝令
    鮮烈な映像にただひれ伏すのみ
    ★★★★★

     まさに、映像が語る映画。すべての光景が美しい。もちろん全編ワンカットの没入感、臨場感は見る者を画面に引き込むのだが、それだけでなく、すべての画面が美しいのだ。その美を感じた瞬間、全編ワンカットであることはもう二の次になっている。画面の光のコントラスト、構図の端正さ、抑えた色調の中に時おり差し込まれる強烈な色、それらにただただ魅了されてしまうのだ。
     そして、その映像によって語られる物語が美しい。時は現在ではなく第一次世界大戦、英国軍の名も無い若い兵士2人が、ただ仲間のために使命を全うしようと、一心不乱に進み続ける。その過程で彼らの目に映る光景の一つ一つが、鮮烈でかけがえが無い。

全756件中1~5件を表示しています。 Next »
[PR]
おすすめ特集
映画アクセスランキング
  • Loading...
»もっとランキングを見る«
楽天市場
スポンサード リンク