シネマトゥデイ

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平沢 薫

平沢 薫

略歴: 映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「SCREEN ONLINE」「日経エンタテインメント!」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」「Movie Walker」等で執筆。他に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況: アニメシリーズ「インビンシブル~無敵のヒーロー~」@Amazonプライムを視聴中。クリエイターが「ウォーキング・デッド」の原作コミック作者ロバート・カークマンなので、第1話のラストから「おおっ!?」な展開。全8話と短めだし、最後まで見届けないと。

平沢 薫 さんの映画短評

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  • ハイゼ家 百年
    100年間を描く218分が想像力を刺激し続ける
    ★★★★

     1910年代のユダヤ人迫害の予兆から2000年代のネオナチの台頭まで、ドイツ100年間の歴史を描くが、その手法が独特。音声は、監督が自身の家に残る当時の親族の書簡を淡々と読み上げる声と、わずかな環境音のみ。画面には、古い写真や書類、どこかの風景の映像などが映し出されるが、それが何なのかはまったく説明されない。画面を見ながら、そこに見えているものと、そこに流れている音声が語るものには、何らかの関係があるに違いないと考えて、それが何なのかを想像し続けるしかない。しかしそのようにして読み取るものが、ものすごく生々しく鮮烈なのだ。映画を見る、ということはそういう行為でもある。それを痛感させてくれる。

  • グランパ・ウォーズ おじいちゃんと僕の宣戦布告
    孫はいつも可愛い、ってワケでもない?
    ★★★★★

     "老人にとって孫は無条件に可愛いものに決まっている"という世間の通説を、あっさり無視したところから話が始まるところが痛快。年配の女性が「孫ってときどきウザいわよね」というシーンもあるので、これはもう確信犯。孫が宣戦布告すれば、祖父がきっちり受けて立ち、それぞれが同年代の仲間たちと協力して世代間抗争が始まる。
     そんな戦いなので"楽しいバトル"になるのが必須条件だが、そこはロバート・デ・ニーロ、クリストファー・ウォーケン、ジェーン・シーモア、チーチ・マリンの豪華ベテラン俳優が余裕のたたずまいでクリア。結果、子供たちが"戦争はなぜ発生するのか"を学ぶという、意外と深い話でもあったりして。

  • スプリー
    SNSに踊らされる今ならではのリアルを突きつける
    ★★★★★

     SNSに踊らされる現代の断面を切り取って、目の前に突きつける。スマホ画面や車内に設置したカメラの映像を使って構成された画面と、それが次々に切り替わっていく速度がリアル。実際のリアリティ番組出演者やSNSの人気者たちが、SNSに夢中な人々を演じるというキャスティングがリアル。そして、主人公が誰もがしそうなことをしていて前触れもなく異常な行動をするようになる、その間の途切れのなさがリアル。登場人物はほぼ全員、画面上のSNSに無責任な投稿をする人々も含め、他人と共存するために必要不可欠な感覚が壊れている。そして、自分はそのことに気づいていない。そんな状況がリアルに感じられることが、真の恐怖を呼ぶ。

  • ブックセラーズ
    自分の好きなものについて語る人たちは表情がいい
    ★★★★★

     自分の好きなものについて、それをただ純粋に好きな人が熱く語るのは、見ているだけで気持ちがいい。この映画の場合はその対象が"本"なので、本が好きな人ならもちろんそれだけで楽しいが、本に限らず、何か心から好きなものがある人なら"その気持ちは分かる"と共感する部分があるのではないか。
     とはいえ、登場するのはただのコレクターでなく本の売買を生業とする人々。なので、本への愛だけではやっていけない部分も語られるが、それを聞いてもやはり"好きでこそ"の仕事に思えることには変わりがない。リアル書店の存続が危ぶまれる現状を踏まえて歴史の変化をも映し出しつつ、登場人物がみな、本の未来を信じているのも心地よい。

  • AVA/エヴァ
    展開速度と情報密度が快感!
    ★★★★

     オープニングのタイトルバックだけで、主人公の全てを見せる。その進展速度と情報密度が快感。この編集のタイトさはそのまま全編で持続され、必要最小限の映像で次の場面に行く。次のカットが予測されるならそれはなくていい、という姿勢が気持ちいい。編集は誰かと思ったら『マトリックス』三部作のザック・ステーンバーグだった。
     そんなタイトな映像に相応しいクールさとタフさを体現する主人公が、弱さも少なからず持っているという設定も魅力。その難しいバランスがうまく保たれているのは、身体的な苦痛を感じさせる肉弾戦の多用と、強者と弱者のどちらにも転がりそうに見えるジェシカ・チャスティンの持ち味の相乗効果か。

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