シネマトゥデイ

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相馬 学

相馬 学

略歴: アクションとスリラーが大好物のフリーライター。『DVD&ブルーレイでーた』『SCREEN』『Audition』『SPA!』等の雑誌や、ネット媒体、劇場パンフレット等でお仕事中。

近況: 『スター・ウォーズ スカイウォーカーの夜明け』他の劇場パンフレットに寄稿。趣味でやっているクラブイベントDJの方も忙しくなってきました。

相馬 学 さんの映画短評

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  • オールド・ガード
    “痛み”があるから魅力的なバトルヒロイン
    ★★★★

     アクションヒロインがさらに板についてきたC・セロン。不死者の戦隊のリーダーにふんした本作でも切れ味鋭く大暴れ。抑制の効いたセリフ回しでストイックなキャラになりきった。

     不死者にも不死でなくなるときがくる、という運命を背負った彼女の葛藤のエピソードに加え、自身が不死者であると知って大いに戸惑う新人女戦士の成長劇も味。K・レインのセロンに負けない存在感がイイ。

     設定面で面白いのは不死とは言え、肉体的な痛みがあること。撃たれても死なないが、死ぬほど痛いのは常人と一緒。ヒロインたちのハードなアクションが生々しいのは、この苦痛の設定ゆえだろう。

  • 透明人間
    見えないストーカーの恐怖談として、大成功!
    ★★★★

     透明人間を描いた映画はこれまでにもたくさんあったが、本作がフレッシュに見えるのは、ひとえに視点がこのホラー・キャラではなく、彼に襲われる女性にあることだろう。

     目に見えない者にストーキングされる恐怖を観客に体感させるうえで、これは効果絶大。周囲にも警察にも信用されず、気を病み、心をも病んでいくヒロインの神経衰弱の過程も伝わり、心理スリラーとしても見応えアリ。E・モスの熱演を目にするだけで神経がマイってくる。

     ワネル監督は前作『アップグレード』でもハイテクノロジーをSF的解釈で面白く料理していたが、今回も透明化にそれを反映。光学迷彩スーツのビジュアルもクールで、ときめいた。

  • アングスト/不安
    噂どおりの殺伐感……異常心理映画の極北か!?
    ★★★★★

     80年代にVHS化された時期に見逃しており念願の鑑賞だったが、噂にたがわぬ殺伐感。ホラーという娯楽の枠から大胆にはみ出している。

     殺人鬼の独白とともに進行する物語。語られる言葉はある程度、説得力があるが、映像として映し出される彼の行為と噛み合わず、行きあたりばったりでジタバタしている姿に狂気を感じる。異常心理の表現として今見ても新鮮。

     ギャスパー・ノエがこの映画を度々自作に引用していたことが興味を抱いた要因だったが、見てみて納得。ソーセージをむさぼり食う主人公と、艶めかしい女性の交互のクローズアップなど、見る者の胸をかき乱す描写もインパクト大。覚悟して見るべし。

  • レイニーデイ・イン・ニューヨーク
    偏見を置いて楽しみたい、鬼才のマンハッタン恋物語
    ★★★★

     スキャンダルの真偽は不明だし、映画そのものの評価にそれをまじえるのはファアではないので、言及はしない。とにかく、W・アレンの映画を愛する人にはたまらないラブコメディだ。

     愛し合う者たちの間に生じたボタンのかけ違いという、いつもながらのアレン節。ユーモアは健在だし、街に根差した映像作りもさすが。マンハッタンの雨の風景を魅力的に撮る、そんな視点の特異さを再確認。

     何より80代半ばのアレンが若いカップルを主人公にした物語を、きっちり構築できることに驚く。ガニ股で歩くシャラメをイケメンのダメ男に据え、その成長をみずみずしくとらえた才腕。新味はないが、高レベルの安定感に脱帽するしかない。

  • MOTHER マザー
    悲痛過ぎる共依存を、受け止める心の準備を
    ★★★★

     どこまでも、いたたまれない物語。しかし、いたたまれないからこその意味が本作にはある。

     幼い息子を置き去ることに良心の呵責を感じず、働きもせず、自分の楽しみと、楽をすることだけを追い求めるのだから、まさに鬼母。一方には、ただ“お母さんを好きだから”と、言いなりになる息子がいる。

    一本の映画として見たとき、なぜ母が鬼と化したのか……が見えてこない不満があるが、実際に起きた事件の映画化であることを踏まえれば、共依存の悲惨なかたちをとらえたセミドキュメントの重さは確かに宿る。新人、奥平大兼の、何にも染まらない息子役の演技が素晴らしい。

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