生き残った者の慙愧の視点から戦争を描く

2021年2月26日 平沢 薫 ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実 ★★★★★ ★★★★★

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ラスト・フル・メジャー 知られざる英雄の真実

 ベトナム戦争で仲間を救って戦死したある兵士への"名誉勲章"を巡るドラマを、英雄物語として描くのではなく、その兵士と共に戦争を経験した人々が今も背負う傷と恥の物語として描くところがいい。名誉勲章を巡る物語でありながら、反戦映画になっているのだ。その兵士への名誉勲章を30年以上に渡って請求し続ける人々がみな、昔ながらの誇りと恥の感覚を持っている。彼らは恥ずべきこととは何かを知り、それを恥じ入って苦悩し続けるのだ。昨今の映画で、現代を舞台にしつつ、こうした価値観を持つ人々が描かれるのはかなり稀なのではないか。端役に有名俳優たちが続々出演しているのも、この価値観に賛同したからではないだろうか。

平沢 薫

平沢 薫

略歴:映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「SCREEN ONLINE」「日経エンタテインメント!」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」「Movie Walker」等で執筆。他に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況:「CALLS コール」@AppleTV+ 、電話の音声だけで構成されたドラマだが、製作総指揮が「ドント・ブリーズ」のフェデ・アルバレス監督なので技あり。「オン・ザ・ハイウェイ その夜、86分」(13)や「THE GUILTY/ギルティ」(18)が進化して突然変異に?

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