シネマトゥデイ

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今 祥枝

今 祥枝

略歴: いまさちえ/映画、海外ドラマライター。『BAILAバイラ』『eclatエクラ』『日経エンタテインメント!』『日本経済新聞 電子版』ほかに連載・執筆中。ほかにプレス、劇場パンフ、各局のHPなどに寄稿。時々、映像のお仕事。著書に『海外ドラマ10年史』(日経BP社)。海外ミュージカルファン。

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今 祥枝 さんの映画短評

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  • はじまりは5つ星ホテルから
    誰でも”隣の芝生は青く見える”瞬間はある
    ★★★★

    旅を通して人生を見詰め直す映画は少なくないが、本作は主人公イレーネが5つ星ホテルの覆面調査員である点がポイント。各国の高級ホテルで多くの時間を費やしている彼女にとって、旅から戻った日常にこそ発見や気付きがあるパラドキシカルな設定が面白い。

    40歳独身のイレーネは妹家族の団らんや元恋人の恋愛話に、ふと人生の選択を間違えたのではないかと不安を覚える。一方の妹は、姉の生き方に苛立ちを隠せない。要は、人はどんな人生を選んだとしても、隣の芝生が青く見える瞬間はあるのだろう。

    いずれにせよ、幸せの概念は人それぞれ。そんな普遍的なメッセージを粋に伝える、イタリアの女性監督トニャッツィの感性が素敵だ。

  • メイジーの瞳
    人生で最も大切なものを、子供は理屈ではなく知っている
    ★★★★★

    離婚した両親の身勝手さに翻弄される6歳のメイジーが、結局は他人との間に絆を見出していく現実は悲しくもある。が、家族のあり方や愛の形にルールは無用であることを強く実感させるものでもある。

    メイジーが心を通わせる母親の再婚相手役、アレクサンダー・スカルスガルドの透明感のある優しいまなざしと、メイジー役オナタアプリールの澄んだ瞳の親和性が素晴らしい! それゆえ、2人の絆が切なく胸にしみるし説得力もある。

    人生で最も大切なものを、最初から理解していたのはメイジーだけだったのではないか。純粋に愛を求める彼女の姿は、いつのまにかややこしくなってしまった人生を今一度シンプルなもにしてくれるかもしれない。

  • ゲノムハザード ある天才科学者の5日間
    西島秀俊の熱演は見もの
    ★★★★★

    司城志朗の原作は、科学の知識を巧みに盛り込んだ非常に興味深いミステリーである。映画はスケール感が増してはいるが、肝心の緻密に展開するべき物語がとっ散らかってしまっている。主人公・石神は記憶が混乱したキャラクターだが、映画は彼の混沌とした頭の中そのままに観客を戸惑わせる。ここはキム・ソンス監督にはきっちり整理して見せてもらいたかった。

    しかし、鍛え上げた肉体フル稼働で身体を張ったアクションをこれでもかと見せてくれる、西島秀俊の熱演は見応えがある。クールでワイルド、繊細さも持ち合わせたタフガイぶりは魅力的。かような熱演を空回りさせるとは無念だが、この頑張りに★一つプラス。

  • トム・ヒドルストンをロキ役にキャスティングしたことがシリーズ最大の勝利とでも言わんばかりに、ロキの活躍が際立つ第2弾。ソー以下脇役もキャラ立ちしていて楽しいし、観終わった後には何も残らないが、瞬間的に気晴らしができる映画を観たい時もある。そう思って観れば、これはこれで十二分!

    ただし、日本人にとっては馴染みの薄いアメコミの映画化、しかも続編ともなれば、当たり前だが最低限の前提が頭に入っていないと厳しい部分はある。今後続々公開されるアメコミ関連作全てにおいて同じことが言えるだろう。このジャンルは売る側の長期スパンでの地道な啓蒙活動が必須だ。

  • ビフォア・ミッドナイト
    極めて現実的な共感の向こうにあるロマン
    ★★★★

    このシリーズと共に年齢を重ねた筆者にとっては、”あるある”がいっぱい。セリーヌの体型の変化も共感度満点だが、恋愛観から人生哲学、文学や歴史、下ネタまで、過去、現在、未来と縦横無尽に会話を飛躍させるのは、やはり女性特有のものなのだろうか。シリーズ最高とも言える、とめどなく続くセリーヌのおしゃべり攻撃には、思い当たる節があり過ぎてにやにや。

    ジェシーのヨレっぷりも半端じゃない。が、怒濤の会話劇の中でふと「完璧じゃないけど本物の愛がここにある」なんて台詞が出てくるあたりがツボ。これほど使い古された台詞が、これほどロマンチックかつ説得力をもって聞こえるとは! 黄金トリオの脚本は、さすがなのである。

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