俳優たちの演技力の向こうにあるものが見えてくる

2020年12月18日 平沢 薫 ソング・トゥ・ソング ★★★★★ ★★★★★

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ソング・トゥ・ソング

 俳優たちの演技力よりも、その奥にあるもっと本能的なもの、体質のようなものがフィルムに映し出されて、魅了する。共演のミュージシャンたちがみな素のままなので、俳優たちも影響されたのかもしれないが、それよりも、出演俳優たちがみな演技力を超える何かを持っているので、まったくの"即興演技"を任された時にそれが自然に現れてしまったのではないか。ファスベンダーの身体の捕食動物を思わせる動き。ゴズリングの小さな物を扱う手つきのチャーミングさ。名カメラマン、エマニュエル・ルベツキがそれらを捉えないわけがなく、監督もそれらをカットすることができなかったのではないか。そう思わされてしまう魅力に満ちている。

平沢 薫

平沢 薫

略歴:映画ライター。視覚に訴えかけるビジュアルの派手な映画がお気に入り。「SCREEN」「SCREEN ONLINE」「日経エンタテインメント!」「キネマ旬報」「SFマガジン」「映画.com」「Movie Walker」等で執筆。他に「キングスマン:ゴールデン・サークル」ノベライズ、「グレートウォール」ノベライズ、「X-ファイル 2016」ノベライズ、「フランケンウィーニー」ノベライズ、「「ターミネーター:新起動/ジェニシス ビジュアルガイド」翻訳など。ウェブで映画やTVドラマのニュースを追いかけ中

近況:「獣の棲む家」@Netflixが、ゴーストハウス映画の変形版として見ても興味深い。アフリカからロンドンへ移民してきた夫婦が住むことになった家で怪異が起きるが、そこには夫婦の過去、彼らのルーツ、移民をめぐる現状が絡んでいるという現代的恐怖譚。

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