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NOCEBO/ノセボ (2022):映画短評

NOCEBO/ノセボ (2022)

2023年12月29日公開 97分

NOCEBO/ノセボ
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ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3

なかざわひでゆき

ファッション業界の偽善に斬り込む社会派ホラー

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 主人公は子供向けファッション・ブランドを立ち上げた意識高い系の女性デザイナー。原因不明の体調不良に悩まされた彼女は、どこか謎めいたフィリピン人のメイドを住み込みで雇うのだが、その日からさらに不可解な現象に見舞われていく。ずばり、発展途上国の安価な労働力を搾取するファッション業界の偽善を痛烈に批判した社会派ホラー。ネタバレ厳禁なのでこれ以上多くは語れないが、被害者と思われた者の加害性が徐々に露わとなり、それに伴って加害者のように見える者の痛みと悲しみが浮き彫りにされていく丹念な描写が見どころだ。バッドエンドな結末もテーマと題材を考えれば当然であろう。

この短評にはネタバレを含んでいます
斉藤 博昭

とことん奇妙な感覚に襲われたい人は必見。そして意外に社会派

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

映画の冒頭、ある知らせを聞いて動揺しまくる主人公の前に、いったい何が姿を現すか? それだけで本作の奇怪極まりないセンスの虜になる人も多いはず。アイルランドとフィリピンという一見、共通点の少なそうな2国がリンクする部分に、本作の核があり、そこには骨太なテーマも潜んでいるのだが、そこはともかく、とにかく異様な空気が張り詰めた時間を満喫したい。
タイトルの意味は「病気だと思い込んだ人が本当に病気になる」精神的疾患のこと。何かがひたひたと迫る恐怖、狂気的ビジュアル、そしてこのタイプの役にハマるE・グリーンの演技で、この症状を臨場体験しながら、どこかオシャレな映画を観たような錯覚もおぼえる不思議な一作。

この短評にはネタバレを含んでいます
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