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ミセス・ハリス、パリへ行く (2022):映画短評

ミセス・ハリス、パリへ行く (2022)

2022年11月18日公開

ミセス・ハリス、パリへ行く
(C) 2022 FOCUS FEATURES LLC.

ライター2人の平均評価: ★★★★★ ★★★★★ 3.5

相馬 学

上流の美徳と下層の美徳が邂逅する奇跡

相馬 学 評価: ★★★★★ ★★★★★

 聡明で前向きな下町のおばちゃんを主人公に据え、最先端のファッション業界に放り込むという設定だけで、面白さは保証されたようなもの。英国製コメディらしい節度が、それを現実味とともにサポートする。

 ブランド感を重視するファッションメーカーと、そのドレスに純粋な美を見るヒロイン。上級と下層の奇跡的な邂逅にはロマンが宿るし、そこに生じるカルチャーギャップはユーモラスそのもので目を引く。

 1950年代というのどかな時代背景も生きた、せわしない現代では成立しえないファンタジー。ファッションに興味のある方なら視覚的にも楽しめるだろう。

この短評にはネタバレを含んでいます
平沢 薫

ミセス・ハリスと一緒に幸せな気持ちになる

平沢 薫 評価: ★★★★★ ★★★★★

 幸せな気持ちになる映画。1950年代、英国在住の家政婦ミセス・ハリスがディオールのドレスを買うためにパリに行く、という夢のような物語は、思ったような展開でありつつ甘すぎず、着地点がちょうどいい。

 そんな物語を彩るのが、1950年代パリの華麗なオートクチュールのドレスの数々。主演のレスリー・マンヴィルが出演した『ファントム・スレッド』のようなフェティシズムはない代わりに、サロンでのファッションショーなど着せ替え人形的楽しさがたっぷり。衣装は『眺めのいい部屋』から『クルエラ』まで手がける安定のジェニー・ビーヴァン。マンヴィルとイザベル・ユペールが正面から向き合う、英仏名女優対決も迫力満点。

この短評にはネタバレを含んでいます
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