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ぼくのお日さま:映画短評

ぼくのお日さま

2024年9月公開

ぼくのお日さま
(C) 2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CINEMAS
斉藤 博昭

視線が語る深い想い。雪に射す光のような儚さを映画で愛おしむ

斉藤 博昭 評価: ★★★★★ ★★★★★

観た後すぐに感想が溢れない映画がある。そのせいで何日も頭から離れない。本作はそんなサンプルかも。
基本的に主人公は少年だが、彼のコーチにもかなり重点が置かれ、作品の視点が定まらない危うさを感じつつ、その揺らぎが映画の美しさに転嫁しているのは驚き。設定からして痛みを伴うエピソードがいくつも予想されるが、そこは限定的に抑え、周囲の優しさでカバーするのは監督の性格の表れか。
前作同様スタンダードのスクリーンが作品の宝石のような純然の輝きを際立たせ、監督自身が滑りながら撮ったなめらかなカメラ、リンクに過剰に差し込む夕陽の効果、音楽の切ない被り、池松壮亮のスケーティングなどハッとさせられる瞬間が多発。

この短評にはネタバレを含んでいます
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