ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ (2023):映画短評
ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ (2023)監督ならではの擬似家族の絆が絶味。奇跡の才能も発見
心に屈折や闇も抱えた、ちょい面倒くさい(でも共感してしまう)キャラが、他者との関係で軌道修正するプロセスを、とことん軽やかに描く。そんなA・ペイン監督作が好きな人には最高の贈り物。明らかに彼のひとつの到達点。脚本はペインではないが、気の利いたセリフのオンパレードに、ついつい頬が緩む。
アカデミー賞などでジアマッティ、ランドルフの演技が高評価だが、本作が映画デビューとなった“居残り学生”役ドミニク・セッサこそ、クセつよ系の難しい演技を嫌味なくこなす奇跡の逸材だと断言。
舞台となる1970年代初めの文化が彩りを与えるが、それ以上に全体のムードが70年代映画っぽいところも終始ホッコリさせる要因か。
この短評にはネタバレを含んでいます