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すべて、至るところにある (2023):映画短評

すべて、至るところにある (2023)

2024年1月27日公開 88分

すべて、至るところにある
(C) cinemadrifters
くれい響

リム・カーワイ監督なりの『2046』

くれい響 評価: ★★★★★ ★★★★★

『あなたの微笑み』の胡散臭い社長から一転、尚玄がリム・カーワイ監督の分身といえる“シネマドリフター”な映画監督を演じるロードムービー。ロマンチックなSFラブストーリーであり、ヨハン・ヨハンソン監督の『最後にして最初の人類』に登場した戦争記念碑「スポメニック」の存在も象徴的であることから、“リム監督なりの『2046』や『コロンバス』”といった趣だ。コロナ禍と戦争という背景から垣間見える世界観の下、バルカン半島三部作でもっとも観客の想像力に委ねる表現が多く、観る人を選ぶ仕上がりに。個人的には今後『COME & GO カム・アンド・ゴー』の先にあるエンタメを意識した作品作りを期待したい。

この短評にはネタバレを含んでいます
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