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藍に響け (2021):映画短評

藍に響け (2021)

2021年5月21日公開 117分

藍に響け
(C) すたひろ/双葉社 (C) 2021「藍に響け」製作委員会
なかざわひでゆき

行き場のない心の叫びを和太鼓の激しいリズムに託す少女たち

なかざわひでゆき 評価: ★★★★★ ★★★★★

 プライドの高い優等生ゆえに自分の気持ちを素直に言葉に出来ない少女と、交通事故で声帯を損傷したために溢れ出る自分の気持ちを言葉で伝えられない少女。この正反対な女子高生2人が、思春期ゆえの苦悩と葛藤を人知れず抱えながらも、行き場のない心の叫びを和太鼓の激しいリズムに託すことで自らを解放していく。学園青春ドラマの王道とも言うべきストーリーにことさら新鮮味はないものの、あえて奇をてらうことのない真っ直ぐで折り目正しい演出は好印象。コロナ禍の日本を覆う閉塞感も漂わせながら、目の前に立ち塞がる壁を乗り越えんともがく、まだ青く未熟な少女たちの友情が爽やかな余韻を残す。

この短評にはネタバレを含んでいます
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