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Netflix映画『彼女』で導入!インティマシーコーディネーターって?

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 中村珍の漫画「羣青」を水原希子さとうほなみのダブル主演により実写化したNetflix映画『彼女』(配信中)。本作では、主にラブシーンや肌の露出のあるシーンの撮影を安全かつスムーズに進めるためのプロフェッショナル、「インティマシーコーディネーター」が日本映画で初めて導入された。日本では耳慣れないワードだが、一体どんな職業なのか? 本作にインティマシーコーディネーターとして参加した浅田智穂さんへのインタビューから紐解く。(取材・文:編集部・石井百合子)

 Netflix映画『彼女』は、2人の女性の行き場のない逃避行を描くロードムービー。裕福な家庭に育ち何不自由のない生活を送っているように見えて、同性愛者であることを家族に言えず生きづらさを感じている永澤レイ(水原)と、劣悪な家庭環境に苦しみ続け、裕福な男性と結婚するも夫から壮絶なDVを受ける篠田七恵(さとう)。高校時代から七恵に恋していたレイは、七恵と10年ぶりに再会し、彼女を苦しめる夫を殺害。一方、七恵はそんなレイが疎ましく恐ろしくもあり、2人は互いに愛憎をぶつけ合っていく。監督は、『ヴァイブレータ』『さよなら歌舞伎町』など恋愛映画に定評のある廣木隆一

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インティマシーコーディネーターの始まりは?

 まず「インティマシーシーン」とは、性別にかかわらず役者がヌードになるシーンをはじめ、身体的接触のあるシーンを意味する。身体の露出、キス、衣服の上から体を触るなどの親密な行為や入浴シーンなども含まれる。インティマシーコーディネーターは、そういったシーンの撮影において、演じる側と演出する側の意図を事前にヒアリングし、両者が現場で最大限のパフォーマンスを発揮するための環境づくりをサポートする存在。第三者として撮影現場に立ち会うことで、セクシャルハラスメントや強要によるトラウマなどを防ぐ目的もある。

「DEUCE/ポルノストリート in NY」より HBO/Photofest/ゲッティイメージズ

 この職業は、米HBOのドラマ「DEUCE/ポルノストリート in NY」(2017~2019)で初めて採用され、ハリウッドでは一般的になりつつあるというが、そもそもなぜこの職業が生まれたのか? 浅田さんはこう語る。
 「ハリウッド映画で出てきたポジションなんですけど、2、3年前にハリウッドでのセクシャルハラスメント、性暴力が問題になってMeToo運動が起き、改めてこのポジションの重要性が語られるようになってきました。いつ頃から導入されるようになったのかは諸説ありまして、アメリカではもっと前からあったようなのですが、活動が公になり大きなスタジオが導入をしっかりと始めたのが2、3年前になると思います」

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座学&ワークショップでトレーニング

浅田智穂さん

 浅田さんが、『彼女』にインティマシーコーディネーターとして参加することになったきっかけは主演の水原希子による提案からだった。水原が海外の友人を通じてこの職業の存在を知り、Netflixに採用を提案。キャストやスタッフが安心して働くことができる環境づくりへの取り組みの一環として、Netflixが浅田さんに相談したのだという。
 「もともと、わたしは日本語と英語の通訳としてエンタメ業界で活動していいました。通訳というのは懸け橋になることがとても大事だと思っていて、言葉だけではない感情だったり見えないやりとりというのが、いかにうまく伝えられるのかというところも重要だと。実はインティマシーコーディネーターという職業に関しては去年まで知らなかったのですが、Netflixさんとご縁があって『勉強してみないか』というお誘いをいただきまして。ハリウッドと日本の合作映画などにも参加をして、日米の制作現場のメリット、デメリットを知る自分としては撮影環境を、よりよくできるお手伝いができるポジションなんて本当に素晴らしいと参加させていただくことになりました」

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