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今夜放送!『Dr.コトー診療所』に起きた奇跡とは

地上波初放送!
地上波初放送! - (C) 山田貴敏 (C) 2022 映画「Dr.コトー診療所」製作委員会

 公開から約1年、1月3日に映画『Dr.コトー診療所』が本編ノーカットで地上波初放送(フジテレビ/よる9時~)される。興行収入24億円超を記録した大ヒット作だ。多くの観客が感動の渦に巻き込まれたのは、たくさんの人の愛が込められた奇跡の作品だったから。地上波放送の前に、その魅力を検証しよう。

【画像】【画像】『Dr.コトー』キャストの現在と19年前を比べてみた!

 山田貴敏の漫画を原作としたテレビドラマ「Dr.コトー診療所」が最初に放送されたのは2003年。離島での医療に奮闘するコトー先生こと五島健助(吉岡秀隆)と島の人々の温かくも切ない交流、豊かな自然の美しさと厳しさ、そして限りある命の尊さを誠実に描いた同作は大好評を博し、以降、特別編、第2期など2006年まで続いた。

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 映画版でまず奇跡的だったのは、約16年ぶりに作られた続編だったのに、オリジナルキャストが勢ぞろいしたこと。主演の吉岡秀隆はもちろん、現在はコトーの妻となってっ妊娠中の看護師・彩佳(柴咲コウ)、島の漁師・原剛利(時任三郎)、食事処を経営している西山茉莉子(大塚寧々)のほか、大森南朋朝加真由美泉谷しげる筧利夫小林薫らそうそうたる名優たちが再集結を果たしている。第一線の主役級の俳優たちなので、出演調整だけでも相当の苦労があっただろうことは想像に難くないが、皆、「コトーなら」と快諾したという。

 さらに、気になっていた人気キャラクターたちの“現在”も描かれた。第1期で登場した茉莉子の息子・杉本竜一(神木隆之介)や、第2期のレギュラーだった仲依ミナ(蒼井優)、彩佳の乳がんの主治医だった鳴海慧(堺雅人)らの自然体な登場に、思わずニヤリとした人も多かっただろう。

 キャスティングの中でも最大級の奇跡は、剛利の息子・剛洋(タケヒロ)役の富岡涼の本作限りの復帰だ。タケヒロは、コトーに命を救われたことから彼にあこがれて医者を目指す少年で、いわば物語の未来を担う立ち位置のキャラクター。医学生になったタケヒロの動向は誰もが気になっていただろうが、富岡は2006年のドラマシリーズ終了後、俳優を引退していたのだ。それが今回、スタッフからもキャストからも熱望されて、最初で最後という役者復帰を果たした。彼がその決心をしたこと、そしてその選択を温かく見守ってもらえる環境にいたことは、作品にとって大きな幸運と奇跡だったといえる。

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 もちろん、主要スタッフも続投している。優しさや温かさと当時に現実の厳しさも見据えた今作の世界観を構築した脚本は、テレビシリーズから手掛けるベテラン・吉田紀子。メガホンを取った中江功も、第1期からメイン監督をつとめている。物語を音楽面で支えた吉俣良も続投。すでにチーフクラスになっていた当時の現場スタッフも、多くはせ参じたという。

 さらに、ドラマシリーズで「絶海の孤島“志木那島(しきなじま・架空の島)”」として撮影が行われたのは、沖縄・与那国島。日本最西端の有人島であるこの地には、ドラマ当時に建てたコトーの診療所のオープンセットが現存している。今作の撮影で訪れた撮影隊を、島の人々は「おかえりなさい」と温かく迎えいれたという。それほど作品を愛し、誇りに思っているのだろう。作品と撮影地の、幸せな関係性だ。

 主題歌が変わらず「銀の龍の背に乗って」なのも印象深い。中島みゆきが作詞作曲を手掛けたこの曲は、シリーズごとに新曲が供されてイメージを一新していく作品も多い中、第1期から映画までずっと一貫して主題歌であり続けた。「曲を聴くだけで泣ける」「島の風景が思い浮かぶ」というファンも多い。映画でも美しく切なく流れ、観たものの涙を誘っている。

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 最後にご紹介する奇跡は、映画新キャストの世界観へのはまり具合だ。島出身の看護師で、診療所で働く西野那美役は生田絵梨花。ディズニー映画『ウィッシュ』で主役の吹替を担当しているのは記憶に新しい。元気でしっかり者の那美は、彩佳の頼もしい右腕として島に溶け込んでいた。

 研修で島にやってた一見チャラそうな新米医師・織田判斗(はんと)は、高橋海人が演じる。実は腕は悪くなく、医師として冷静な判断もできる判斗は、島の医療がコトーに頼り切っている現状の危うさを的確に指摘する物語のキーパーソンでもある。高橋は、名俳優ぞろいの現場で確かな爪痕を残しており、より物語を立体的に見せていた。

 監督も吉岡も本作が「最後のコトー」と明言しているが、那美や判斗ら物語の“次世代”も大いに気になったファンは多いようで、「判斗先生のスピンオフ希望!」といった意見もSNSに散見していた。

 多くの奇跡に彩られた今作。「今もコトー先生はあの島で生き続けてるんだろうなぁ」「島のみんな、元気かな」といったSNSでの反響は、映画公開から1年以上経った現在も続く。観た人がそんな風に思える幸せな世界に、1月3日、どっぷりハマってみてはいかが?(文・早川あゆみ)

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