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「どうする家康」井伊直政役・板垣李光人、本多忠勝と異なる熱さ表現 「平八郎が炎なら直政は氷」

第43回「関ヶ原の戦い」より板垣李光人演じる井伊直政
第43回「関ヶ原の戦い」より板垣李光人演じる井伊直政 - (C)NHK

 松本潤主演の大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜夜8時~NHK総合ほか)で“徳川四天王”と呼ばれる家康の側近たちの一人、井伊直政(万千代)を演じた板垣李光人が、直政の歩みや“座長”松本との共演を振り返った(※ネタばれあり、第43回の詳細に触れています)。

【画像】井伊直政、関ヶ原の戦いの勇姿

 大河ドラマへの出演は2015年の「花燃ゆ」(吉田松陰の少年期)、2021年の「青天を衝け」(徳川昭武)以来、3度目、2年ぶりとなった板垣。「どうする家康」で演じた直政は、井伊家の御曹司で頭の回転が速く、女性にモテる男。一方でプライドが高く、思ったことをすぐ口にしてしまってトラブルを引き起こす一面も。初登場は4月23日放送の第15回。信長の命を受け、遠江を鎮めるために引馬城(浜松城)に移るべく遠江にやってきた家康に、直政(当時は虎松)が女性を装って斬りかかった。しかし、家康は直政を不問にし、第20回では家臣に加えた。

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 初登場シーンでは板垣の“美少女”ぶりも話題を呼び、秀吉(ムロツヨシ)の母・仲(高畑淳子)もとりこになった一人。人質として徳川家に送られた際には直政にくびったけとなり、直政もまんざらではない様子だったが……。板垣は直政の歩みをこう振り返る。

 「ほとんどの家臣団は第1回から登場していましたが、直政(当時・万千代)は第15回からの登場でした。そして徳川四天王の中では酒井忠次(大森南朋)さんの次に早く亡くなるので、物語にスピード感があって、短い時間で人生が濃密に描かれていたなという印象です。“赤鬼”とも呼ばれていたように、戦においての功績が目立ちやすい直政ですが、彼の魅力はそれだけではないと思っています。例えばドラマの中でも仲(高畑敦子)さんとのエピソードで描かれたように、物事を有利に運ぶためなら戦略的に人間関係を築いたりする一面も。そういう知的なところも魅力的だなと思っています」

 役を構築する上で意識したことについては、同じく徳川四天王の一人で山田裕貴が演じる本多忠勝(平八郎)とのキャラクターの差別化だったというが、思わぬ気づきが突破口になった。

 「血気盛んという面では平八郎とも近いところがあると思いますが、違う“熱さ”をどう表現できるかは当初悩みました。でもある日、家臣団が揃っているシーンを現場のモニターを確認していた時に、僕一人だけ異様に白くて、ちょっと異質さを感じまして(笑)。それを見た時、『あ、これだ!』と思いました。史実でも部下からすごく恐れられていたというのが残っているそうですが、特に小牧長久手の戦いのあたりからは、平八郎が炎の熱さだったら、直政は氷のような。どちらも近付くのが怖いけれど、その方向性が少し違うというイメージを持って演じていました」

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 織田信長の息子・信雄(浜野謙太)を擁する家康と、秀吉が激突する「小牧長久手の戦い」が展開された第32回では、直政が真っ赤な甲冑を着用し、武田兵を率いる勇姿が注目を浴びた。本シーンは、板垣自身にとっても印象に残っているという。

 「第32回で殿と本多正信(松山ケンイチ)と3人のシーンがあり、そこでさらっと『武田の兵をまとめられるか』と殿から言って貰えた訳ですが、戦国の世を生きて殿(家康)に仕える者としてすごく光栄なことですし、一人の武将として力を認めて貰えたというのが実感出来るシーンだったので印象に残っています。実際に鮮やかな陣羽織と真っ赤な甲冑を着用し、武田の残党を率いて声を上げるシーンは、これまでの直政の人生を思うと感慨深かったですし、僕自身の高揚感も重なったように思います。でも甲冑はかなり重みもあるので、撮影で1日中着用していると地面に沈んでいくような感覚になりました(笑)」

第43回より家康(松本潤)と直政

 12日放送の第43回では、天下分け目の戦いと言われた「関ヶ原の戦い」のエピソードが描かれ、直政が負傷。家康に介抱される場面があった。調略戦で石田三成(中村七之助)を追い詰め戦を制した家康を、直政はこれまでにない笑顔を浮かべ、涙ながらに「ついに……ついにやりましたな。天下を取りましたな! 信長にも秀吉にもできなかったことを殿がおやりになる。これから先が楽しみだ」と称えた。家康役の松本との共演については「基本的にどのシーンにおいても、気持ちの先にいるのは常に殿なので。殿あっての家臣団だし、殿のために我々は動く、というのはずっと軸にしていました」と板垣。撮影現場では、アーティストとしての経験も積んだ松本ならではの手腕に圧倒された様子だ。

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 「松本さんと芝居をさせていただいて『やっぱり凄いな』と思っていたのが、撮影時に“ステージング”にも拘られていたことです。こう見せて、こういう動きを付けたらどう? とか。それが映像になった時にどう見えるかというところまで計算して、作品全体のことを考えてリハーサルで意見されている様子を見て、いつも凄いなと思っていました。アーティストとして様々なステージに立たれて、更に芝居の経験も積まれていて、両者を経験されているからこその視点なのだろうと思います。その作品のテイストや周りの役者さんの空気感を踏まえて自分が役としてどう立ち回るべきかということであったり、自分のキャラクターの付け方であったり……それはいつも意識していますが、ステージング的なところや魅せ方、このシーンでどういう動きがあれば効果的かというところまではなかなか考えが及びません。自分にはハードルが高いかなと思いつつも、松本さんの背中を追いかけたいと思える一面でもあります」と、劇中の直政さながらに松本へのリスペクトを表した。(編集部・石井百合子)

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