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『シン・仮面ライダー』唯一無二の変身ベルトが誕生するまで 山下いくとが明かすデザイン秘話

『シン・仮面ライダー』変身ベルト誕生までの道のりとは?
『シン・仮面ライダー』変身ベルト誕生までの道のりとは? - (C) 石森プロ・東映/2023「シン・仮面ライダー」製作委員会

 映画『シン・仮面ライダー』(全国公開中)のデザインを担当した山下いくとがインタビューに応じ、本作に登場する変身ベルト「タイフーン プラーナ強制排出補助機構付初期型」のデザイン制作秘話を語った。(以下、映画の設定に一部触れています)

【動画】映画『シン・仮面ライダー』追告映像

 庵野秀明が脚本・監督を務め、現代を舞台に新たな「仮面ライダー」(原作・石ノ森章太郎)の物語をつづる本作。前田真宏出渕裕と共にデザインを務めた山下は、主にサイクロン号と変身ベルトを担当している。

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 仮面ライダーには必要不可欠なアイテムである変身ベルト。原典である50年以上前の「仮面ライダー」にも立ち帰りながら、唯一無二の変身ベルトを生み出すため、第一段階として「変身ベルトの意味を考える」ことから始まったという。

 「『仮面ライダー』を当時観ていた人たちは、かなりの割合でベルトの風車が回ることでパワーを吸い込み変身すると思っていて、庵野監督が『パワーを吸い込んでいるのはベルトの風車ではない』と指摘していました。パワーを吸収しているのは、胸部のコンバーターラングなんです」

 「『シン・仮面ライダー』では、プラーナと呼ばれるエネルギーを吸い込んでいて、変身ベルトは吸い込んだプラーナの余剰分を、タービンを回して排出する役割を担っています」と説明する山下。変身ベルトのコンセプトが固まると、「オリジナル版のような楕円形のデザインに、いかにして落とし込んでいくか」という新たな課題が見えてきた。

 デザインを詰める過程で、山下は変身ベルトのサイズにも注意していた。「当時は、チャンピオンベルトのような説得力のある大きさが必要だったと思います。現代では、あらゆるものが小型化され、薄くなっていく一方です」。一時は、楕円から離れたデザインも検討されていたそうだが、最終的にオリジナル版の楕円形を踏襲し、中央のタービンシャフト、4つのノズル、サイドスイッチを搭載したタイフーンが完成した。

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 「庵野監督も『何が新しいものなのか?』というせめぎ合いで、新しいことに挑戦するべきか、自分が好きだった時代のものをやるのか、常に押し合いへし合いだったと思います」と証言した山下。「若い年齢層の観客は、古いもののすり合わせをするために鑑賞するのではなく、面白い作品を観たいという期待を胸に、劇場へ足を運ぶと思います。『シン・仮面ライダー』には、そういった方が鑑賞しても損をしないような要素がたくさん盛り込まれています」と力を込めていた。(取材・文:編集部・倉本拓弥)

映画『シン・仮面ライダー』追告映像 » 動画の詳細
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