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柿澤勇人、源実朝役との不思議な縁に「ビックリ」

柿澤勇人
柿澤勇人 - (C)NHK

 現在放送中の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK総合ほか)で“三代目・鎌倉殿”源実朝を演じる柿澤勇人。第35回「苦い盃」では、大竹しのぶが歩き巫女役としてサプライズ登場し、実朝や北条泰時、和田義盛に不吉な予言を与えて大きな話題となったが、実は大竹とは不思議な縁でつながっているという。柿澤が大竹との共演で改めて感じたことや、自身が演じる源実朝の解釈について語った。

【写真】柿澤勇人インタビューカット集

 本作は、伊豆の弱小豪族の次男坊だった北条義時(小栗旬)が、当時流罪人だった源頼朝(大泉洋)と姉・政子(小池栄子)の婚姻をきっかけに、頼朝から多くを学び、執権にのぼりつめていく物語。

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 頼朝の死後、御家人たちの権力争いのなか、わずか12歳で鎌倉幕府第3代将軍に祭り上げられた実朝。演じる柿澤は、脚本を手掛けた三谷幸喜の「これまでとは違う実朝像にしたい」という思いを受け、本作の時代考証として参加している坂井孝一の著書や、太宰治の長編小説「右大臣実朝」などを読んだという。「『吾妻鏡』などで伝わっている文弱で、政にネガティブだったというイメージとは違う実朝像を参考にしました」と役へのアプローチを語る。

「鎌倉殿の13人」より柿澤勇人演じる源実朝

 柿澤が実際に実朝を演じてみて感じたのが、視野の広さ。「鎌倉で力を持っている御家人たちは、自分の家や土地を守ろうとしている人が多い。それは人として当然なのかもしれませんが、実朝はそういうことをわかっていながらも、もっと先のことを、どうしたら世の中が豊かになるのかを考えていたと思うんです」

 その一例として、柿澤が史実として挙げたのが、宋(当時の中国)に渡るため船を造ろうとした行動だ。「これまでは実朝が思いつきで船を作って失敗してしまった、頭の悪い将軍みたいに言われていますが、ただの気まぐれでそんなことをする性格ではないと思うんです」と述べると、自分のいま持つ力を客観的に鑑みながら、鎌倉が良くなるには、さらには日本が良くなるには……と常に先を考えていた有能な人物だったと力説する。

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 そんな実朝が、横田栄司ふんする和田義盛の屋敷に赴いた際に、近くに住んでいる歩き巫女と出会うシーンが第35回「苦い盃」では描かれた。大竹演じる歩き巫女は、実朝の未来を案じ、彼に悩みがあることを言い当てた。

 柿澤は「しのぶさんとは『スウィーニー・トッド』という舞台で共演させていただきました。そこからこれまで共演はなかったのですが、その間もすごく可愛がっていただいて、お互いの舞台を観に行ったり、コロナ前は結構ご飯や飲みに連れて行ってくださったりしていました」とかねてからの親交に触れると「芝居のことや舞台のことなど、たくさん相談に乗っていただいていました」と大切な存在であることを明かす。

 しかし、「鎌倉殿の13人」に大竹が出演することは知らなかったようで「台本では歩き巫女のところだけキャスト名が空白になっていたんです。直前までしのぶさんが演じると知らなかったのでびっくりしました」と笑う。劇中、実朝は「悩みがあるのであろう」と歩き巫女に言い当てられ、悩みを打ち明け、的確な助言に涙を流す。柿澤は「多分しのぶさんも僕が考えていることをわかっていると思うんです」と言い、プライベートでの関係と役柄が重なる部分が多かったようだ。

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35回「苦い盃」より実朝と歩き巫女(大竹しのぶ)

 さらに柿澤が「不思議な縁だな」と感じたことがあったという。「先ほど太宰治さんの『右大臣実朝』を読んだとお話ししましたが、そのとき、本のしおりとして挟んでいたのが、しのぶさんが主演を務めた『ザ・ドクター』という舞台を観に行った際、そのお礼として送ってくださった手紙だったんです」と語る。

 久々に大竹と共演した柿澤は「芝居に対する集中力や、役に向き合う姿勢は尋常じゃない。僕も本当にあそこまで深くいけるようになりたい」と思いを馳せると「しおりの話ではないですが、不思議な縁でしのぶさんと共演できましたし、この大河にかける思いは強かったです」と自身にとって特別な作品になったことを明かしていた。(取材・文:磯部正和)

スタイリスト:杉浦優 ヘアメイク:松田蓉子

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