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『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』に色濃い日本要素!キャリー・フクナガ監督インタビュー

『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』ワールドプレミアでのキャリー・フクナガ監督
『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』ワールドプレミアでのキャリー・フクナガ監督 - Getty Images for EON Productions, Metro-Goldwyn-Mayer Studios, and Universal Pictures

 映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』の日系アメリカ人監督キャリー・フクナガがインタビューに応じ、ダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドの完結編である本作にどう取り組んでいったのかを明かした。

【画像】ジェームズ・ボンド並みにかっこいいフクナガ監督

 本作は、『007/カジノ・ロワイヤル』から15年にわたって6代目ボンドを務めてきたダニエルによる最後の『007』映画。脚本家でもあるフクナガ監督は、本作のストーリーをまとめる作業は並大抵のことではなかったと語る。「最も難しいことの一つは、物語を終わらせること。彼の『007』映画はある意味、全作が互いに関連していて、それを満足する形でどのように終わらせるのか、というのが難題だった。脚本の仕事のほとんどは、驚きがあって新しさを感じさせながら、それでもこのシリーズにふさわしいものにするにはどうすればいいのかを見いだしていく作業だった」

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 本作の脚本家にはフクナガ監督のほか、『007』シリーズでおなじみのニール・パーヴィスロバート・ウェイドとドラマ「Fleabag フリーバッグ」のフィービー・ウォーラー=ブリッジが名を連ねている。脚本家陣のみならず、『007』シリーズのプロデューサーであるマイケル・G・ウィルソンバーバラ・ブロッコリ、そしてダニエルを交えた長時間に及ぶミーティングは、何度も行われた。

 「ただアイデアを出し合っていくんだ。ひどいアイデアもあれば(笑)素晴らしいアイデアもあり、とてもエキサイティングな会話ができた。話が脇道にそれて、また戻ってきて、ということを繰り返したんだ」

 本作では前作『007 スペクター』に続きレア・セドゥがボンドガールを務めているが、脚本執筆の初期段階でレアと会い、彼女とマドレーヌというキャラクターについて話し合ったのだという。「すごくインスパイアされたよ。バーバラはマドレーヌをストーリーラインの中に本当に残したがっていたから、“彼女は何者か”ということを突き詰めようとした。『スペクター』で僕たちは、彼女が父親と疎遠になっていることを知った。父ミスター・ホワイト(イェスパー・クリステンセン)は『007/カジノ・ロワイヤル』で初登場した悪役だ。彼女の心理に入り込み、何が彼女を動かしているのか、なぜ彼女がボンドにとって完璧な相手なのか、何が彼女をヴェスパー(エヴァ・グリーン)とも違うものにしているのか、ということを突き詰めていったんだ」

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サフィン
日本風なサフィンのアジト - (c) 2021 DANJAQ, LLC AND MGM. ALL RIGHTS RESERVED.

 それは悪役サフィン役のラミ・マレックも同様で、初期段階から話し合いが持たれた。サフィンは枯山水や盆栽、畳などアジトも衣装も日本風だが、これは日系のフクナガ監督が持ち込んだ要素なのだろうか?「はは(笑)。そこに僕の要素が入るのは避けられないよね。だけど、クラシックなボンド映画の悪役やアジトへのオマージュにもなっている。あと、この映画に取り組む1年前に直島(香川県)へ行ったんだけど、そこにある美術館がとても気に入ったんだ。建築家・安藤忠雄の美術館もあって。あれはそうしたいろんな影響から生まれたものだよ」

 撮影中も脚本に取り組み、絶えず更新していったものの、エンディングについては最初から固まっていたのだという。「最初から、僕たちが物語の中でどんなステップを踏んでいきたいのかはわかっていた。だからどうやって終わるべきかはわかっていたけど、終わりにすごく近づくまで、実際に書かれることはなかったよ」。シリーズ最長の2時間44分という上映時間については、「初期の段階でたくさんの話し合いがあった。僕は、全てのボンド映画の上映時間をチェックしたよ(笑)。他の作品はどうだったのかってね。なぜなら本作に入れたいストーリーは山ほどあったから」と明かした。

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 そして、『007』シリーズの大きな見どころの一つであるアクションシーンの撮影も楽しんで取り組んだというフクナガ監督。「自然かつ優雅に感じられるように構築するため、カメラをどこに置くかということを考えていった。アクションはそれ自体が制作プロセスの大きな部分を占めたんだ。本作をクラシックなボンド映画でありながら、今を生きるボンド、今の彼のキャリアや年齢にも忠実なものと感じさせないといけない。それでいて、ストーリー主導のものでないといけない。驚きも入れながら、そういった層を重ねていくのは楽しかったよ」と制作を振り返っていた。(編集部・市川遥)

映画『007/ノー・タイム・トゥ・ダイ』は公開中

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