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絶賛相次ぐ『少年の君』、一枚の写真が物語る衝撃の逸話

『少年の君』より
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 現在、映画レビューサイトのほかクチコミでも絶賛されている第93回アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート作『少年の君』(公開中)。本作では主演女優チョウ・ドンユイが丸刈りにする執念の役づくりに挑んだことでも話題を呼んでいるが、その意欲はドンユイのみならずスタッフも同様だったことが、劇場パンフレットで公開された1枚の写真が物語っている。

【写真】丸刈り姿のチョウ・ドンユイ

 本作は、中国でも問題視されている「いじめ」「受験戦争」を背景に、身も心も傷だらけになりながら過酷な日々を送る優等生の女子高生と不良少年の交流を描いた青春ドラマ。物語は、大学進学のための全国統一入学試験を控える進学校で、主人公の高校3年生チェン・ニェン(チョウ・ドンユイ)の同級生が、いじめを苦に自らの命を絶つことから始まる。生徒たちが少女の遺体にスマートフォンを向ける異様な光景に耐えきれなくなったチェン・ニェンは、遺体を自らの上着で覆うが、それをきっかけにいじめの矛先は彼女へ。日ごとにいじめがエスカレートするなか、集団暴行を受ける少年シャオベイを目撃したチェン・ニェンは、とっさの判断で彼を助ける。

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 監督を務めたのは『インファナル・アフェア』シリーズのなどで知られる俳優で監督のエリック・ツァンを父に持つ俊英デレク・ツァン。母は出稼ぎに行き、無力で孤独な主人公チェン・ニェンを演じるのは、中国で「13億人の妹」の愛称で親しまれる人気女優チョウ・ドンユイ。2010年の映画『サンザシの樹の下で』で巨匠チャン・イーモウに見いだされ、デレク・ツァン監督とは『ソウルメイト/七月と安生(チーユエとアンシェン)』(2016)でも組んでいる。ストリートに生きるしかなかった不器用な不良少年シャオベイには、世界的な人気を誇る中国のボーイズ・グループ「TFBOYS」のジャクソン・イー

 チェン・ニェン役のドンユイは劇中、とあるシーンのために実際に丸刈りにする役者魂を見せたが、彼女が「丸刈りにすると聞いた時、わたしは困ったふりをして“やるなら、みんなで”」と冗談めかして言ったところ、本当にスタッフがそろって丸刈りにしたことがオフィシャルインタビューで明かされている。その言葉通り、劇場パンフレットでは、監督のデレク・ツァンをはじめ丸刈りにしたスタッフたちとドンユイの集合写真が公開されている。

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 同作は7月16日に封切られると、映画とドラマのレビューサービス「Filmarks(フィルマークス)」では5つ星中4.2、Yahoo!映画レビューでは5つ星中4.38の高評価。中国の深刻な社会問題を浮き彫りにしながら、本来出会うはずのない少年少女のピュアな絆が多くの涙を誘い、SNSなどでも「2人の絆が泣ける」「2人の演技が圧巻」「切ない」「余韻がすごい」と絶賛の声が飛び交っている。本国では250億円近い興行収入を叩き出す大ヒットを記録。香港アカデミー賞ともいわれる香港電影金像奨では作品賞・監督賞・主演女優賞を含む8冠に輝いた。(編集部・石井百合子)

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