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米ワーナー、2021年新作は全て劇場公開と同時配信!『マトリックス4』『ゴジラVSコング』など

『マトリックス4』も劇場公開と同時配信予定 - 画像はシリーズ第2弾『マトリックス リローデッド』より
『マトリックス4』も劇場公開と同時配信予定 - 画像はシリーズ第2弾『マトリックス リローデッド』より - Warner Bros. / Photofest / ゲッティ イメージズ

 米ワーナー・ブラザースが現地時間3日、アメリカでは2021年公開の新作映画全てを劇場公開と同時に動画配信サービス「HBO Max」で配信すると発表し、コロナ禍の経営方針として大幅な転換を図った。

【画像】2021年公開作には『DUNE/デューン 砂の惑星』も

 現状、2021年に公開を予定しているのは『マトリックス』シリーズ第4弾から、『ゴジラVSコング(仮)』『DUNE/デューン 砂の惑星』『ザ・スーサイド・スクワッド』、そして実写版「モータルコンバット」や「トムとジェリー」まで全17作。アメリカでは劇場公開から1か月間は「HBO Max」で 4K Ultra HD とHDRで視聴できる。それ以降は「HBO Max」から取り下げられ、劇場のみで鑑賞可能になるとのこと。アメリカ以外の海外では通常通り劇場公開のみとなる。

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 ワーナーメディア・スタジオズ&ネットワークス・グループのアン・サーノフCEOは「我々以上に再び劇場公開することを望んでいる者はいません。新作が劇場にとって命であることは承知していますが、アメリカの劇場の多くが2021年を通して縮小営業になる可能性が高いという現実とのバランスを取らなくてはなりません」と今回の決断の理由を説明。劇場公開と同時配信は1年限りのプランだといい、このプランによって「我々は、世界クラスの映画の安定した供給によってパートナーである劇場の皆さんを支えると共に、映画館に行くことができない映画ファンに我々の素晴らしい新作を観る機会を与えることができるのです」と劇場、映画ファン共にウィンウィンの決定だとした。

 コロナ禍においては、米ユニバーサルがいち早く、劇場での公開開始から短期間でオンデマンド配信ができるような契約を映画館チェーン大手のAMCとシネマークと結び(それまでは“新作映画は90日間映画館のみで上映する”というのがルールだった)、映画の配給を続けている。米ディズニーは実写版『ムーラン』と『ソウルフル・ワールド』の劇場公開を断念し、自社の動画配信サービス「Disney+(ディズニープラス)」での配信に切り替えた。

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 ワーナーも今月公開の『ワンダーウーマン 1984』をアメリカでは劇場公開と同時に「HBO Max」で1か月に限って配信すると先んじて発表していたが、今回、2021年は全てその形で行くことになった。より安く、より安全な消費ができることになったわけだが、その中で危険を冒し、より高い料金を支払ってまで、劇場に足を運ぼうと思う人々は本当にいるのだろうか?

 アメリカでは2日、新型コロナによる1日の死者数が2,804人と過去最多を記録するなど、まだまだ収束の兆しは見えない。ニューヨークやロサンゼルスなど大都市の映画館は閉館しているほか、今年の大作は『TENET テネット』などを除いてほぼ全てが公開延期となったため、営業を続けている映画館も瀕死の状態となっている。ワーナーの今回の決断は、映画界を救うことになるのか、それともアメリカの劇場システムを崩壊させることになるのだろうか。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki、編集部・市川遥)

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