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『キングダム』もハマり役!山崎賢人の演技が光る映画8選

最新作『劇場』より
最新作『劇場』より - (C) 2020「劇場」製作委員会

 興行収入57億円を超える大ヒットを記録した映画『キングダム』が29日、日本テレビ系「金曜ロードSHOW!」で地上波初放送される。本作の主演を務めたのは山崎賢人。天下の大将軍を目指す戦争孤児という役柄のため、10キロに及ぶ減量で作品に挑むなど新境地を見せた山崎だが、本作以外にも山崎の魅力が存分に味わえる映画を紹介したい。(文・磯部正和)

10キロ減!『キングダム』劇中の山崎賢人【写真】

『L・DK』(2014)

 渡辺あゆの人気少女コミックを実写映画化。ひょんなことから、学校内一のモテ男・久我山柊聖(山崎)と一緒に住むことになった女子高生の西森葵(剛力彩芽)。柊聖のちょっと意地悪な態度に翻弄されながらも、どんどん惹かれていく姿がハートフルに描かれる。山崎はツンデレな柊聖に扮しているが、いまや当たり前のように言われている“壁ドン”という言葉を世の中に認知させたのが本作と言えるだろう。それだけ、多くの女性が山崎の“壁ドン”に心を鷲づかみにされた。個人的には本作の山崎が、もっとも“純度の高い”イケメンぶりを発揮している作品のように感じられる。

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『orange-オレンジ-』(2015)

 高野苺による人気コミックを原作にした本作は、高校2年生の春、10年後の自分から届いた手紙に書かれた大切な人の死を、どうにかして変えようと奮闘するヒロインたち高校生を描いたファンタジックな物語。山崎は、高校2年のとき転校生としてやってきた翔(かける)を演じ、NHKの連続テレビ小説「まれ」の土屋太鳳と再共演。爽やかな高校生たちの青春が描かれる一方、“命”という問題にしっかり向き合い葛藤している山崎の陰の部分の表現にグッとくる人も多かったはず。

『四月は君の嘘』(2016)

 天才ピアニスト・有馬公生に扮した山崎。本作でも『orange-オレンジ-』同様、過去にあるトラウマを抱え、ピアノに向き合うことができなくなってしまった少年を演じた。そんな公生のファンであり、どうにかしてまたピアノに向き合ってもらいたいと、いろいろな方法で彼の心に寄り添うバイオリニスト・宮園かをり役を広瀬すずが担った。かをりと出会ったことで、少しずつ前向きになり、目の奥に魂が宿っていく変化を非常にうまく表現していた。クランクインの半年前からピアノの特訓をして臨んだという山崎の演奏シーンも注目だ。

『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』(2017)

 世界中から熱い支持を受ける荒木飛呂彦の人気コミックを、こちらも世界的に評価の高い三池崇史監督で実写映画化した本作。これまで柔らかく爽やかなパブリックイメージがあった山崎が、特徴的なリーゼントに学ランという男くさい出で立ち、さらに触れるだけで壊れたものを修復し、他人のけがを治すことができる「スタンド」という特殊能力を持つ主人公・東方仗助を演じている。壮大な世界観を持つ作品だけに実写化には難易度の高さが伺えたが、これまで経験したことないワイルドなキャラクター、さらにスペイン・シッチェスでのロケなど、山崎にとって掛け替えのない経験をすることができた作品だと話していたのが印象深かった。

『羊と鋼の森』(2018)

 『orange-オレンジ-』の橋本光二郎監督と再タッグを組み、ピアノの調律師を志す青年・外村直樹の成長を丁寧に演じた山崎。物語は、美しい景色と静かな展開のなか、人物をじっくりと描いている。なかでも注目なのは、調律師の先輩・柳を演じた鈴木亮平と、憧れの調律師・板鳥に扮する三浦友和とのやりとり。これまで映画では、比較的同世代との芝居が多かった山崎だが、本作では鈴木や三浦と対峙するシーンがとても印象に残る。本作の撮影は『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』の直後だったという。キャラクターが立っていた役から、真逆とも言える静かな役へ臨むうえで「すべてを捨てた」という山崎の役へのアプローチ方法によって表現した外村の機微は必見だ。

『キングダム』(2019)

キングダム
(C) 原泰久/集英社 (C) 2019映画「キングダム」製作委員会

 『羊と鋼の森』の次の作品となる本作では、一転して“動”の山崎賢人が堪能できる。原作は、累計で6,400万部を突破している原泰久の超人気コミック。紀元前の中国・春秋戦国時代を舞台に、大将軍を目指す戦争孤児の信の奮闘が描かれる。原作の大ファンだったという山崎は、信のギラギラした戦争孤児という特徴を表現するために10キロ近い減量を行ったという。スクリーンに映し出された信は、あどけない少年の佇まいを持ちながら、野心に溢れる力強さを見事に表現していた。躍動感いっぱいのアクションも素晴らしく、“動ける俳優”としての評価も加わった。

『ヲタクに恋は難しい』(2020)

 硬派な『キングダム』の次は、映画では『斉木楠雄のΨ難』以来2度目のタッグとなる福田雄一監督作品。重度のゲームヲタク・二藤宏嵩(山崎)と、ボーイズラブをこよなく愛する隠れ腐女子・桃瀬成海(高畑充希)の恋を、歌あり踊りありで描くコメディーだ。劇中ではハイテンションなキャラクターが所狭しと駆け巡るが、山崎はメガネ男子・宏嵩に扮し、全体のバランサーとも言えるべき形で作品のなかに立つ。『斉木楠雄のΨ難』でも山崎は、飛び道具的なキャラクターが多数登場するなか、狂言回し的な立ち位置を演じていた。コメディー作品のなかで、こうした役割を任されるのは、山崎に対しての信頼が高いからではないだろうか。とは言いつつ、しっかり歌とダンスを披露し、新しい一面も提示してくれている。

『劇場』(2020)※公開延期

 又吉直樹の同名小説を、行定勲監督で映画化した本作。山崎は、自ら立ち上げた劇団で脚本家謙演出家を務める永田を演じている。この永田は、自らの自意識とうまく折り合いをつけることができず、周囲ともうまくやっていけない、常にどこか満たされない怒りを内に秘めているような男だ。ボサボサの髪の毛に無精ひげ、そしてあまりにも不器用な生き方は、これまでさまざまな役柄を演じてきた山崎をしても、見たことがないような退廃的かつ色っぽさを醸し出している。そんな永田の才能に惚れ込み、信じてついていく女性・沙希を演じた松岡茉優との、会話のない間の芝居合戦も非常に興味深い。

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