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NYサブカルチャーに影響を与えた伝説のDJ、イジメを受けた過去を告白

ニューヨーク・サブカルチャーに影響を与えた伝説のDJ、ボビート・ガルシア
ニューヨーク・サブカルチャーに影響を与えた伝説のDJ、ボビート・ガルシア

 伝説のDJで、作家、映像作家、ラジオパーソナリティーなど多彩な分野で活躍してきたボビート・ガルシアが、自身を題材にした話題のドキュメンタリー映画『Rock Rubber 45s(原題)/ ロック・ラバー 45s』について、6月27日(現地時間)、サボター・メディアのオフィスで単独インタビューに応じた。

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 1980年代からニューヨークのサブカルチャーに多大な影響を与えたボビートは、プエルトリコ人であり、両親の離婚をきっかけに母親とニューヨークに移住した。学生時代は注目のバスケットボールの選手として活躍したが、レコードレーベル「デフ・ジャム・レコーディングス」のインターンをしたことで音楽の道を選択。レコードレーベル契約以前のアーティストのデモテープなどを流し、JAY-Z、バスタ・ライムス、ノトーリアス・B.I.G.、フージーズなどの成功のきっかけを作ったラジオ番組で一躍名をはせた。本ドキュメンタリーでは、その後の彼が、スニーカーのデザイン、映像作家、作家と多岐にわたり、活躍の場を広げていく過程も描かれている。

 父親はジャズ・ミュージシャンであり、バスケもプロ選手として通用するほどの腕前を持っていたそうだが、「だからよく『君は父親に似ている』といわれるんだけど、実際には両親二人ともに似ていると思うんだ。父から音楽やバスケの情熱を引き継ぎ、母から労働意欲みたいなものを学んだよ」と自身のルーツを語る。母親はボビートを含めた4人の子供を育てるために、さまざまな仕事に従事したそうだ。

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 自身の名を世に知らしめたラジオ番組「The Stretch Armstrong and Bobbito Show」については、「当時、音楽界には、エコシステム(自然界における生物と、それを取り巻く環境の相互作用)みたいなものが出来上がっていたんだ。僕らのラジオ番組があり、雑誌ではSource誌が『Unsigned Hype』というコラムの中で、まだ契約していないアーティストの発掘をしていたり、僕自身もアーティストが楽曲を披露できるような場で、司会をしていた。そのうえ、アーティストたちからも、デモテープが直接送られてきたりしていたんだ。僕らの周りの音楽のコミュニティーが、みんなお互いを支え合っていたんだよ」と当時を振り返った。

 一方で、映画内では子供の頃にイジメを受けていた過去についても告白している。「人をしっかり捉えるには、その人の上昇傾向、下降傾向の両方をしっかり捉えなければいけないと思うんだ。だから、自分の過去を正直に表現しようと思ったよ。僕が若い頃に体験したあの悪夢、イジメを描く必要があったんだ」とボビート。続けて、「いじめっ子はよく自分が何をしているか、事の重大さを理解していないときがある。けれど、いじめられっ子をそういう(不快な)気持ちにさせていたことに気づいてほしいんだ」と主張し、締めくくった。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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