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まるで『インディ・ジョーンズ』!? IBMとコンパックの戦い

ジェイソン・コーエン監督(左)とコンパック設立者の一人ロッド・キャニオン氏
ジェイソン・コーエン監督(左)とコンパック設立者の一人ロッド・キャニオン氏

 1990年代のPCメーカーの最大手コンパックを題材にした新作『シリコン・カウボーイズ(原題) / Silicon Cowboys』について、ジェイソン・コーエン監督とコンパックの共同設立者ロッド・キャニオン氏が、9月15日(現地時間)ニューヨークのAOLで開催されたイベントで語った。

 1982年にキャニオン氏を含めた3人の仲間がヒューストンのダイナーで1,000ドルずつ出し合ってコンパックを立ち上げ、後にポータブルのPC「コンパック・ポータブル」(IBM PCを完全に互換したマシン)を手掛け、IBMの権利を侵害せずに、当時世界最大のコンピューター会社として成功を収めていった過程を描いたドキュメンタリー。

 製作のきっかけについて、キャニオン氏は「コンパックの成功は多くの人が認識しているが、いかに今日のネット社会の型を作ったかは知られていない。そのため今から5年前に、それを示す書物を僕が書き始め、後に著書『Open』を出版した。これは、コンパック(の歴史)を詳細に記したものだが、それほど広く世間に認識されなかった。だがある日、友人の結婚式で映画プロデューサーのロス・M・ディナースタインに出会い、彼が『あなたの本を読んで、とても興味深かった。良いドキュメンタリー映画を作れると思う』と言ってくれた」と答えた。

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 コンパックとIBMの対立は旧約聖書のダビデとゴリアテに例えられる。「僕らはIBMを尊敬してきた。旧約聖書のダビデとゴリアテのような弱者が強者を倒す状態は、コンパックとIBMの間では短かった。むしろダビデとゴリアテの戦いがまるで『インディ・ジョーンズ』のように長いシリーズになった感じで、コンパックとIBMの対立はシリーズ化した。最終的にはIBMを脇に押しやり、コンピューター業界を組織化する最高点に到達したが、決してIBMへの尊敬はやめなかった」とキャニオン氏は語った。

 コンパックは、現在のアップル社の新製品発表のようなイベントを当時から行っていたそうだ。「当時コンパックでは、独創的なアイデアが受け入れられ、3回目のコンパックの新製品の発表時にはコーラス・グループのポインター・シスターズが参加し、楽曲『I’m So Excited』を歌ってくれた。表面的にはばかげているが、多くの人が興味を示して、その発表に参加してくれた」とキャニオン氏が答えると、コーエン監督が「そこでは、ロッドがデヴィッド・カッパーフィールドの魔術で箱から飛び出してきたんだ」と明かした。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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