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アベンジャーズ最重要作は「ロキ」?

悪戯の神ロキが帰ってくる!

 『マイティ・ソー』(2011)からはじまり、マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)で数々のいたずらを仕掛けてきた悪戯の神・ロキ(トム・ヒドルストン)。MCU一憎めない悪役でお馴染みの彼が活躍するドラマシリーズ「ロキ」が、10月にシーズン2として帰ってきます。『アベンジャーズ』次回作のボスキャラとなる最強の敵も関わってくるなど、シーズン2は今後のMCUを左右する重要作品なのです。シーズン2から見ても十分に楽しめるその魅力を紹介します!(編集部・倉本拓弥)

※本記事は「ロキ」シーズン1および過去のMCU作品のネタバレを含みます。

『エンドゲーム』から直結!「ロキ」ってこんなドラマ

MCU屈指の名バディ! - ロキ&メビウス

 ロキは『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』の冒頭、最強の敵サノスに殺されています。本作に登場するロキは『アベンジャーズ/エンドゲーム』でアベンジャーズが過去(『アベンジャーズ』の時代)に戻った際に出会った別の時間軸のロキ。そんな彼が、四次元キューブを持ち去ったところから物語が始まります。つまり、キューブと共に消えたロキのその後がいったいどうなったのか? という謎が解ける『エンドゲーム』直結のドラマシリーズなのです。

 再びいたずらを仕掛けたロキを待ち受けていたのは、別の時間軸(別次元)が産まれないように時間の流れを管理する組織TVA(時間変異取締局)。彼らが認める唯一の時間軸(神聖時間軸)から外れ、新しい時間軸を生み出してしまったロキは、TVAに拘束されてしまい、同じように時間軸を乱し時間の流れ(歴史)を変えてしまう変異体を探す任務を課せられます。組織に属さなかったロキが、過去の悪事と向き合い任務に挑むさまはドラマシリーズならでは。「誰も予想しないことをやろう」と本作に挑んだマイケル・ウォルドロンら脚本家チームの手腕が光ります。

 好きあらばすぐに裏切るロキに力を貸すのが、高度な知性を持つ分析官メビウス(オーウェン・ウィルソン)です。聞く耳を持たないロキに対して、彼を理解しようと寄り添うメビウスは、やがてロキの最高の相棒となり、抜群のコンビネーションを発揮、二人のやりとりは絶妙で、バディ感もバツグン。しかもいままで、ことごとく他人を裏切りを続けてきたロキが初めて信頼できると言ってもいい人物と出会うことで、ロキという人物に深みが増します。

 さらに、ロキたちが追っていた変異体が別次元に存在していた女性版ロキソフィア・ディ・マルティーノ)だったという衝撃の事実も判明しました。自らをシルヴィと名乗る彼女は、幼少期から逃亡生活を繰り返しており、自分の人生を狂わせたTVAに復讐心を抱いていました。一方で、心を通わせた者には内に秘めた葛藤や弱さを見せる繊細な一面もあり、人間ドラマに深みを加える魅力的なキャラクターです。もう一人の自分に出会ったロキが、TVAと組織を管理するタイムキーパーの裏で糸を引く黒幕に迫っていく課程は、ミステリー要素も相まって目が離せなくなります。そしてシルヴィに本気で恋してしまったロキは守るべきパートナーを見つけ、悪戯の神からヒーローへと変ぼうしていくというドラマチックな急展開を見せます。

MCUの歴史が変わった!マルチバース誕生

マルチバース誕生は「ロキ」からだった!

 マーベル・スタジオは、『アベンジャーズ/エンドゲーム』後からスタートしたフェーズ4から、『アベンジャーズ』シリーズ第6弾『アベンジャーズ:シークレット・ウォーズ(原題) / Avengers: Secret Wars』までのフェーズ6をマルチバース・サーガと総称しています。マルチバースは、今後のMCUを語るためには必要不可欠な要素ですが、その誕生の瞬間は「ロキ」で訪れました。シーズン1最終話でMCUの歴史をひっくり返す大事件が起こりマルチバース(並行世界)が誕生するのです。そう、マルチバースの誕生はロキが出発点だったのです。「ロキ」がMCUの重要作である理由がここにあります。

 「ロキ」が誕生しなければ、歴代スパイダーマンが奇跡の共演を果たした『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』や、プロフェッサーXら過去の人気キャラクターがカメオ登場した『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』といった、MCUマルチバースを扱った作品は実現しなかったでしょう。それほど重要な出来事がドラマシリーズで起こったのです。

サノスに続くアベンジャーズ最強の敵が登場

全ての黒幕だったカーンの変異体・在り続ける者

 「ロキ」が重要作品であるもう一つの理由は、サノスに続くアベンジャーズ最強の敵カーンジョナサン・メジャース)が登場したことです。『アントマン&ワスプ:クアントマニア』の悪役でもあるカーンは、過去・現在・未来を操る人物。別次元ですでにアベンジャーズを倒したと豪語するほど、凶悪な力を秘めていて底知れない不気味さはMCU随一ともいえます。

 カーンの恐ろしさの一つに、変異体が多数存在することが挙げられます。カーンの変異体である在り続ける者は、神聖時間軸を管理していた張本人です。ロキの愛するシルヴィが、在り続ける者を殺害したことで神聖時間軸を管理する者がいなくなり、オリジナルのカーンをはじめ無数の変異体が解き放たれてしまいました。アベンジャーズは今後、別次元から次々と襲来するカーン変異体を相手にしなければならないという未曽有の危機に陥ってしまうのです。

次の『アベンジャーズ』につながる!

カーン本格参戦!「ロキ」シーズン2のキービジュアル

 そんな、シーズン1の衝撃展開から直結する「ロキ」シーズン2には、引き続きカーンが登場します。『アントマン&ワスプ:クアントマニア』のポストクレジットシーンで示唆された通り、本作では在り続ける者ではなくヴィクター・タイムリーという別の変異体がロキたちの前に現れます。一見カーンとは思えない紳士的な見た目ですが、その怖さは未知数。製作総指揮のケヴィン・ライトは、ヴィクター・タイムリーがシーズン2で「重要な役割を担う」と Entertainent Weekly で予告しており、ロキ&メビウスとの直接対決に期待がかかります。

 そして、カーンは『アベンジャーズ』次回作となるシリーズ第5弾『アベンジャーズ:ザ・カーン・ダイナスティ(原題) / Avengers: The Kang Dynasty』にも登場する予定です。副題にはカーンの名前が付けられており、彼がメインヴィランとしてアベンジャーズの前に立ちはだかります。『アベンジャーズ』までの待機作でカーンが関わることが明かされているのは、現状「ロキ」シーズン2のみ。本作の結末が、『アベンジャーズ』に直結する可能性も高まっています。MCU全体を揺るがすサプライズが、今回も待ち受けているのか。マルチバースを巡るロキの新たな任務は、MCUファン必見です。

「ロキ」シーズン2はディズニープラスにて10月6日(金)より独占配信、シーズン1は全話独占配信中
『アントマン&ワスプ:クアントマニア』はディズニープラスで配信中

公式サイトはコチラ>

(C)2023 Marvel

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