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アカデミー賞受賞作品も!別れの季節に観たいじんわりと胸を打つショートフィルム

10分の極上無料短編映画体験

ブリリア ショートショートシアター オンライン × シネマトゥデイコラボ企画

 3月といえば卒業シーズン。読者の皆さんの中にも、新しいステージへと一歩を踏み出す人や、旅立ちを見送る人もいるのでは? 悲しみや寂しさと同時に、応援や励ましの言葉が交わされるこの季節。言葉で感謝を伝えると同時に、言葉にはならないセンチメンタルな気持ちもあるだろう。

 ショートフィルム専門のオンラインシアター Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE(BSSTO)より、今月は別れの季節に観たいショートフィルム3作品をご紹介する。言葉にできない、えも言われぬ気持ちを表現する。あなたの気持ちに寄り添ったショートフィルムがあるかもしれない。

シンガポール発のハートフルストーリー『老人と情景 / The Old Man And The Scene』

老人と情景
『老人と情景 / The Old Man And The Scene』より

『グルメな歯医者 / Delectable You』
監督 ビクター・ガン
製作年 2020年
製作国 シンガポール
上映時間 約15分
配信期間 3月9日~6月8日

 病気療養中の老人が、孫が聴いていたEDM(エレクトロニック・ダンス・ミュージック)と出会い、魅了される。音楽との出会いで、老いや病気に対する恐怖から解放され、生きる喜びを取り戻す。

 重い病にかかっている老人が、音楽によって人生の喜びを再び見いだす。あらすじは至ってシンプルだが、孫の視点で観るとまた違った喪失と再生の物語がある。両親が離婚し母親と一緒に祖父と同居することになった青年自身も、どこか生きる活力を失っているようで、特に父親との関係性には訳ありの様子。祖父との交流を通して再び、彼の中のスイッチが入り、人生が再開していく。

 与えているようで与えられているような関係。人と人とが関わり合うということは、一方通行ではなく、互いに変化の種を相手に与え合うということだ。終盤、祖父と孫は別れを迎えるが、互いの中によき変化を残す。

 別れを迎える時、その人に自分は何を贈れたか、そして自分は何を受け取ったのか。皆さんも振り返って、感謝を伝えてはいかがだろうか。

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漢詩の朗読を聞いているような美しい中国語が魅力『種子 / Seed』

老人と情景
『老人と情景 / The Old Man And The Scene』より

『種子 / Seed』
監督 アルビン・リー
製作年 2016年
製作国 中国
上映時間 約17分
配信期間 3月16日~6月15日

 わが子の最後の記憶を感じたい。両親は大きな思いを胸に、男の子に会いに行く。

 多様な作家が毎年多くの作品を生み出しているショートフィルム界だが、長編映画と同様、お国柄が作品に投じられることは多い。あくまで大ざっぱなくくりだが、韓国は『パラサイト 半地下の家族』に似たコメディックなエンタメ性の強い作品が多く、日本はいわゆる「自主制作映画」として個人の視点を投じた私小説的な作品が多い。中国はというと、重量感のある画作りにこだわった作品が多い印象だ。

 チャン・イーモウ監督らを輩出した中国北京電影学院で学んだ監督の本作でも、息子を失った夫婦の心象風景が雨の日の淡い光の表現を用いて丁寧に描かれている。そして、本作を観ると中国語の美しさにハッとさせられる。わたしたち日本人の感覚からすると詩の朗読に近いかもしれない。語学学習中の方にも、ぜひ一度観ていただきたい作品だ。

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米アカデミー賞短編実写映画部門受賞『向かいの窓 / The Neighbor’s Window』

向かいの窓
『向かいの窓 / The Neighbor’s Window』より

『向かいの窓 / The Neighbor’s Window』
監督 マーシャル・カリー
製作年 2019年
製作国 アメリカ
上映時間 約21分
配信期間 3月23日~6月22日

 幼い我が子と夫の面倒に愛想が尽きたアリーは近所に引っ越してきた20代のカップルの部屋が自宅の窓から見えることに気付く。そこからカップルの自由なライフスタイルを「裏窓」風にのぞき見る日常が始まった。

 3月28日のアカデミー賞受賞発表を前に、過去の受賞作品を配信。本作は第92回(2020年)アカデミー賞短編実写映画部門で受賞を果たした作品だ。

 アカデミー賞にノミネートされる作品は、ショートフィルムとしては比較的長尺で起承転結がついたドラマが多い。特にアメリカの作品は、はっきりとしたテーマ性とエンタメ性を両立し、万人に受け入れられそうな作品が多い印象だ。本作も、わずか20分強の作品であるものの、観る人間の心をがっしりとつかむ。もし筆者が「ショートフィルムを観たことがない人に勧める3本」を選ぶとしたら、ラインナップに入れるだろう。

 ストーリーとしては、隣人が経験する「別れ」に接して、自分たちの「当たり前の日常」のありがたさを感じるというもの。観終わった後に、心にジーンと染みる作品だ。どんな人にも、必ず別れが訪れる。いつその時が来ても悔いのないように、日常の一瞬一瞬の幸せを噛み締めていきたいと思える一作だ。

 短時間で観られるのがショートフィルムの魅力の一つ。シーンも少なくメッセージもシンプルなので、同じ作品を観た友人や知人と、映画をもとに話を膨らませるのにはちょうどいいコンテンツだ。1度観て面白かったら2度3度と繰り返し観て味わうもよし。友だちと一緒にプチ鑑賞会をやるもよし。ショートフィルムを観る時間を、いろいろな工夫でオリジナルの体験に変えていただきたい。(大竹悠介)

今回紹介した各作品は「Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE」で配信中。

Brillia SHORTSHORTS THEATER ONLINE公式サイト

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