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癒やし系の実力派!目が離せなくなる魅力の持ち主・井之脇海

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『サイレント・トーキョー』井之脇海(いのわき・かい)【第151回:イケメン調査隊】

インタビュー

Q:『サイレント・トーキョー』は非常にスケールの大きな作品ですが、脚本を読まれた時、どんな印象を持ちましたか?

連続爆破テロというのがストーリーの大きな軸になるので、台本を読んだときは全く想像もできませんでした。そもそも、普段生活していて、まさか日本でテロなんて……と思っているじゃないですか。誰も経験をしたことのないことを映画でやるとしたら、どう説得力を持たせるのか、どうリアルに撮るのかと考えました。役としても、とても自分では想像しきれない。そんな役はいままでやったこともないので、難しさを感じました。でも、だからこそというやり甲斐もすごくありました。これを作り上げて、多くの方に観ていただけたら、それはとても意義のあることだと。

Q:演じた来栖公太は、事件に巻き込まれて犯人に仕立てられてしまいますが、どう演じようと思いましたか?

割と僕は事件ものでなくても、巻き込まれキャラを演じる事が割と多くて(笑)。なので、巻き込まれるという役どころは想像がつきました。同時に、今回の来栖くんは、お客様の目線に一番近い役なので、演じる僕の目と身体と呼吸などいろんなものを通して、お客様がこの事件を追えるように丁寧に演じなくてはいけないと思いました。

Q:役づくりのために、何か準備していったのですか?

シーンによってはものすごく準備して、考えていったんです。たとえば、西島(秀俊)さん演じる世田刑事と渋谷で出会うシーンでは、台本を読んだときはもう事件に巻き込まれていて、何度目かの爆発シーンだから、来栖は少しは落ち着いているのかなと思っていましたが、実際、現場に入ったら、そうじゃないんだなと……。渋谷の爆発シーンを目にしながら、僕はそこにいる人たちを助けることもできない。そんな気持ちって、事前に頭で考えた準備通りには行かないなと再認識しました。

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Q:石田ゆり子さんとのやり取りも見どころの一つですが、石田さんとの共演はいかがでしたか?

ご一緒させていただくのは初めてでした。石田さんには天然っぽいというイメージがあったんです。実際、お会いするとすごく柔和でユーモアのある方だと思ったんですが、いざ現場に入ってスイッチが入ると全然違うんです。最初、リハーサルの時にそれを目の当たりして、集中力というのか演技になると、それまでと違ってギュッと顔が引きしまる。その姿を見て、ものすごく刺激をいただきました。本当に僕も頑張らなきゃいけないと思って、現場に入りました。それでも石田さんとのシーンではたくさん引っ張っていただいて、勉強させていただきました。

Q:西島さんからはどんな刺激をもらったのですか?

共演シーンは短かったんですが、やっぱりすごい方でした。台本を読んで、自分が演じる世田がどう立ち回ると映画のためになるか、すごくわかっていらっしゃる、すばらしい先輩です。

Q:ほかにも佐藤浩市さんや中村倫也さん、広瀬アリスさんなど豪華な顔ぶれですが、井之脇さんは一人のシーンが多いですね。

そうですね。この映画はみんなバラバラに動いていて。どこがつながっているのかをむしろ映画を観ながら楽しんでもらえるようにもなっているんです。僕自身も、試写会で観て、「えー! こういう風になってるんだ!」と思ったところも多くて。とくに、渋谷ハチ公前の爆発のシーンを試写で観て、「わーぁ、すごいな!」と思って。グラフィックのすごさも驚きました。それから、「浩市さん、こんなお芝居されていたんだ」と。僕も自分が出ているところ以外はお客さんとして、めちゃめちゃ映画を楽しんじゃいました(笑)。フフフフフ。

Q:渋谷での爆破シーンの迫力は凄かったですね。

あのシーンを観て以来、いまでも渋谷を通ると、ちょっと怖いです。ここが、ああなるんだと思ってしまいますね。

Q:波多野貴文監督の演出はいかがでしたか?

石田さんと二人で話すシーンがあって、そのシーンは何回もテイクを重ねたんです。「井之脇海なら、もっとできるだろう」と言われて。石田さんのセリフを「もっと、こう受けたらどうか」と何度もいろいろとやったんです。完成したものを観たとき、そこを狙ってちゃんと撮ってくださっていて、とても嬉しかったんです。波多野さんをもっと喜ばせたい、満足させるお芝居をしなくちゃ、と思わせる監督ですね(笑)。実は『サイレント・トーキョー』が終わった後に、波多野さんが演出される連続ドラマW「コールドケース3 ~真実の扉~」に呼んでいただいたんですが、「監督が呼んでくれるなら行きます!」と言いました。そう思わせてくれる監督です。

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一問一答 PRIVATE

Q:芸能界に入られたのは9歳の時で芸歴15年になるそうですが、そんな井之脇さんにとって芸能界とはどんな世界?

歴だけで言うと、そうなるんですけど、芸能界はそのときの僕の状態によって見え方が変わる世界だと思います。仕事が充実していて、そういうときはプライベートも充実しているので芸能界って夢のある世界だなと思うんですけど。自分の芝居に満足がいかないときはつらいですね。そもそも僕は昨日より今日、今日よりも明日と思っているので、もっとできるのにと思うと苦しい。こだわりようがある世界というか。100点とかわかりやすい基準がないところなので、もがけばもがくほど自分で窮屈にしてしまう世界でもあるんです。

Q:では、いまは?

いまは苦しいときが多いです。いつも全力で挑んでいるんですけど、すばらしい先輩方を見たときに、自分はこういう芝居はできないなと欲が出てしまうんです。よく言えば向上心ですけど、それがこの仕事のいいところでもあると思います。

Q:いまの自分に大きな影響を与えた人は?

染谷将太クンです。高校生のころ、TBSのドラマ「ブラックボード ~時代と戦った教師たち~」(第二夜)で一緒になったんですが、染谷クンに会ったことは大きかったですね。ほぼ同世代(染谷将太/1992年生まれ)なんですが、近い年齢の方でこんなに映画を観ていて、映画のことがわかっていて、そしてそれをお芝居に活かせている人にこれまで出会っていなかった。それで、僕はなにをやっているんだ、映像のこともなにも知らないでお芝居をしていると思ったんです。そのとき、僕はやるからにはいろんなことを知っておいてやりたいタイプなんだな、ということにも気づかせてもらいました。一緒にいたのは、2か月半ぐらいでしたけど、そこから自分でもいろんな映画を観て、たくさん好きになりました。

Q:好きな映画を紹介してもらったんですか?

ポンヌフの恋人』です。僕に大きな影響を与えてくれた映画なんです。それまで、僕がエンタメとして観ていた作品とは対極にある作品で。映画って、こんなに幅があって、自由でいいんだって思わせてくれた作品ですね。

Q:好きな俳優は?

加瀬亮さん。ドラマ「贖罪」(WOWOW)で、加瀬さんが演じた人物の青年期を演じることがあって、畏れ多いんですが、加瀬さんを意識していたこともあって恥ずかしいと思いながら、その役を演じた覚えがあります。

Q:実直・純朴・好青年といった役どころが多いですが、それぞれの役がとても自然でそのキャラクターになり切ることが高く評価されています。演じるときに心がけていることは?

たとえば、普通に目の前にあるスマホを取るときに、本当の利き手ではない方で取る。些細なことの積み重ねでその人が生きている一本の道が流れてくる。作られたものでなくて、リアルに動いている人間になっていくのかなと思っています。その上に、役の気持ちやその人物が生きている背景があって。周りの人との距離感を持ってくるとか。そうした要素を混ぜていくことで人間として動く。それが大事じゃないかなって。6年前、僕は自分で撮った映画(短編映画『言葉のいらない愛』)を編集していたときに、役者さんに無理な動きをさせてしまったと感じたことがあったんです。そのころは、がむしゃらにこういう芝居がほしい、絵がほしいというのがあって。役者さんに演技を強制して、意味のない動きをさせてしまったんです。編集していたときに、「あ、この人を活かせていない」と思いました。そのころから、役として生きる前に人間して生きることが大事だと思って。生理現象に反しないことをしていくって決めています。

Q:自分の性格を一言で言うと?

真面目だと思います!

Q:オフがあったら?

短い1日程度だと、寝て、次の台本を読んだり、気分転換のために散歩したり。2、3日、中長期の休みなら、登山してリフレッシュします。日本百名山制覇が目標で、いま、11登りました。山に行っても結局、役のことを考えているんですが、木に囲まれて自然の中で物を考えていると違った角度で物事を考えられるんです。

Q:俳優になっていなかったら?

考えられないですね。9歳から始めて外の世界を知らないし。大学の同級生がサラリーマンをやっていて、すごいなと思うんです。でも、僕にはできないと思うので旅人がいいですかね。のんびり暮らしたいとか言いつつ、やっぱり役者をやってると思います。

Q:俳優は天職ですね?

いや逆です。僕は天職と思ったことはないです。とにかく、この仕事はやってもやってもできなくて苦しくて、だけど、それでいて面白くて。いつかこの苦しさから解放されたら満足いくんじゃないか、その日に向けて頑張ってます。

Q:どんな役者を目指していこうと考えていますか?

役者としてはおごらず、ひたむきに一歩一歩進んでいきたいです。本当に多くの作品に呼んでもらうために、多くの役を演じられるようにならなければと思うので、自分の教養を深めるなどして、常に心のひだを増やそうと心がけています。そのためには井之脇海はこうだと思われている範囲外の役をやるのがいいんでしょうけど。なかなかそういう役が来ることはなくて。でも、いま、演じているドラマ「ハルとアオのお弁当箱」(BSテレ東)は、ジェンダーレスの役どころなんです。まさか、僕にそんな役が来るとは想像してもみなかったので、とても嬉しいですね。いままで、役のために茶髪にしたことはなかったのですが、茶髪でちょっとフェミニンな自分を鏡で見ると、役にすっと入ることができるので、こういう役づくりもありかな、なんてことも考えるようになりました(笑)。

Q:映画をまた撮る予定は?

明確にはしていませんが、趣味として撮っていけたらいいなと思っています。いろんな現場を見ると、プロとして映画を撮ることはできないので、趣味として自分の見たい世界を撮りたいですね。

Q:どんな人に惹かれますか?

自分のなかに一つ芯を持っている人です。コロナのいま、少し難しいけれど、僕はいろんな人と食事をして話をするのが好きなんです。そのときに、僕の言ったことに共感してくれるのはいいんですけど、それに流されちゃう人の話を聞きたいと思わない。僕としては、「あーそうだよね。だけどさ」と自分の意見を返してくれる人がいいですね。仕事でもプライベートでも恋愛でも、自分の芯をきちんと持った人は素敵だなと思います。

取材・文:前田かおり 写真:上野裕二

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インフォメーション MOVIE INFO

『サイレント・トーキョー』

秦建日子の小説「And so this is Xmas」を原作に描くサスペンス。『SP』シリーズなどの波多野貴文が監督を務め、聖夜に東京で起きた連続爆破事件に巻き込まれた人々を映し出す。『64-ロクヨン-』シリーズなどの佐藤浩市が主演を務め、『マチネの終わりに』などの石田ゆり子、『MOZU』シリーズなどの西島秀俊のほか、中村倫也、広瀬アリス、井之脇海、勝地涼らが脇を固める。

井之脇海 プロフィール

生年月日:1995年11月24日
出身地:神奈川県
身長:177cm
血液型:A型
趣味・特技:映画鑑賞、映画制作、山登り、ピアノ

芸歴:9歳の時に子役として活動をスタート。映画『トウキョウソナタ』(2008)でキネマ旬報ベスト・テン新人男優賞受賞した。大河ドラマ「おんな城主 直虎」(2017)、連続テレビ小説「ひよっこ」(2017)ほか多数の話題作に出演。近年は「義母と娘のブルース」(2018)、「教場」(2020)、「アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋」(2020)、「ハルとアオのお弁当箱」(2020)と活躍。待機作は、『ザ・ファブル 殺さない殺し屋』(2021年2月5日公開)、『砕け散るところを見せてあげる』(2021年4月9日公開)、「俺の家の話」(TBS・2021年1月期)など。

映画『サイレント・トーキョー』は12月4日公開

(C) 2020 Silent Tokyo Film Partners

公式サイトはコチラ>

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