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~第32回 2011年6月~

INTERVIEW@big apple

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INTERVIEW@big apple

今月は、ベン・スティラーがプロデュースする話題の新作『サブマリン(原題) / Submarine』ユアン・マクレガー主演の『ビギナーズ(原題) / Beginners』、環境弁護士ロバート・F・ケネディ・JRが環境問題を訴えた『ザ・ラスト・マウンテン(原題) / The Last Mountain』を紹介します。

5月23日初体験の質問にベン・スティラーは照れまくり!?(クロスビー・ストリート・ホテルにて)

(映画)『サブマリン(原題) / Submarine』/p>

思春期を迎えた少年オリヴァー(クレイグ・ロバーツ)は、初恋の相手(ヤズミン・ペイジ)と、両親(サリー・ホーキンスとノア・テイラー)の離婚の危機の中で、大人の世界を徐々に垣間見ていくというコメディー作品。

ベン・スティラー、リチャード・アヨエイド、アレックス・ターナー

初体験についての質問はスルーした、シャイなベン・スティラー/左からアレックス・ターナー、リチャード・アヨエイド、ベン・スティラー

これまで結構な数のハリウッドスターを取材してきたつもりだが、なぜかベン・スティラーは取材したことがなかったので期待も大きかった。今回は彼が映画の脚本を気に入り、俳優としてではなくプロデューサーとして参加するかたちとなった。メガホンを取るのは、イギリスの人気テレビ番組「ハイっ、こちらIT課!」に出演しているリチャード・アヨエイド。僕は友人に勧められてこの番組を観ていたのもあって、リチャードがいったいどんな人物なのか、かなり気になっていた。アレックス・ターナーは、イギリスのロックバンド、アークティック・モンキーズのボーカルとして有名だが、ファンには失礼ながら僕は彼のことをよく知らなかった。取材はホテル内の試写室で行われた。

早速、部屋に3人が入ってくると、まずアレックスの、高校生といってもおかしくないぐらいの若々しさが目に付いた。記者会見が始まると、開口一番ある記者が、この映画では思春期を迎えた少年オリヴァーの淡い初体験を描いているが、実際にそのような思い出があるかという質問をした! こんなきわどい質問をするのは、アメリカのゴシップ紙の記者だろうと思ったが、意外にもニューヨークのローカル紙に執筆している記者だった。この質問にはさすがに誰も答えないかと思ったら、リチャードはまんざらでもない様子で「悪くなかったよ!(笑)」と答えていたのがおかしかった! 彼に続いてベンも答えるかと思ったら、彼は「次の質問は?」と笑ってスルーしていた。

それからいくつかの質疑応答が続いていくうちに、監督のリチャードはテレビ番組「ハイっ、こちらIT課!」で彼が演じているコミカルなキャラクターとは打って変わって落ち着いた雰囲気で、ソフトな口調で話していた。さらにリチャードは、影響を受けた監督について聞かれると、フランスのヌーベルバーグ時代のジャン=リュック・ゴダールフランソワ・トリュフォールイ・マルらの作品が好きだと答え、『サブマリン(原題) / Submarine』の主人公オリヴァーの混乱は、アメリカ映画『タクシードライバー』の影響が大きいと明かしていた。最後にベンは、この映画で一番好きなシーンは、オリヴァーと恋人が、初めてのキスをポラロイドカメラで撮影しているシーンだと語った。そして記者会見は終了後も、3人はひとしきりロビーで記者たちと談笑してから退場した。

5月24日ユアンの取材直前に女性記者が席の争奪戦を展開!(ウォルドルフタワーズホテルにて)

(映画)『ビギナーズ(原題) / Beginners』

母親がこの世を去ってからしばらくたったある日、オリヴァー(ユアン・マクレガー)は、父親ハル(クリストファー・プラマー)からゲイであることを告白され、すでに恋人がいること、そして末期ガンであることも知らされる。そんな父の衝撃的な告白から、これまでとは違った環境を築いていく中で、オリヴァーは真の家族愛を見つめ直していくという心温まる作品。オリヴァーの恋人役に『イングロリアス・バスターズ』のメラニー・ロラン、監督は『サムサッカー』のマイク・ミルズが務めている。

ユアン・マクレガー、メラニー・ロラン、マイク・ミルズ

女性記者の機転に助けられたユアン/「おなかがすいてちゃ取材できない」とちゃっかりランチをとったメラニー・ロラン

この日はウォルドルフタワーズホテルで取材が行われ、久しぶりにランチの出る取材となった。「ラッキー!」と、サンドイッチを食べ、記者たちと談笑していると、取材用の部屋に移るように言われた。取材部屋は2つ用意され、それぞれの部屋に記者たちが座り始めたが、僕の友人で黒人女性記者のマリーは、カーディガンをイスに置いてから、インタビューが始まる前にドリンクを取りに別の部屋に向かった。ところが、その間に席に置いてあったカーディガンをどけて、別の黒人女性記者カーラが座ってしまったのだ……! 僕と周りにいた記者たちは、その席はマリーが座っている席だと伝えたが、カーラは無視。やがて、ドリンクを持って戻ってきたマリーが、自分の席が取られていたことでカーラと激突! ものすごい怒鳴り合いとなり、2人のケンカにはとても入り込む余地がなかったため、ほかの記者たちはしばらく様子を見守ることに……。結局、カーラが別の部屋に移動したことで、どうにか落ち着いた。それにしても、女同士のケンカは怖い……。

ようやくインタビューが始まり、まず最初のインタビューはユアン・マクレガーで、髪を立て服装もばっちり決めた姿で登場! ところが彼は取材開始直後に咳込んでしまい、しゃべるのが困難になってしまった。普段、取材部屋には必ずドリンクが用意されているものなのだが、なぜかこの日に限って置いていなかった。そこで、ユアンの隣に座っていたマリーが、ユアンに未開封の水を譲ったのだ。すると、ユアンは落ち着きを取り戻し、インタビューを再開することができた。最初の質問は、映画に出演している犬の話。劇中のコズモという名の犬は、実際には2匹の犬が演じていて、そのうちの1匹は撮影後にユアンが自分の家に連れて帰り、現在はユアンの家で飼っているそうだ。また、ある白人の女性記者が、以前クリストファー・プラマーに、彼の代表作でもあるミュージカル映画『サウンド・オブ・ミュージック』について質問したら、(頻繁にその質問されるためか)怒られたという話をし出した。するとユアンは、「彼は『サウンド・オブ・ミュージック』以外にも素晴らしい映画に出演しているからね」とクリストファーを擁護。最後に、ユアンはバイクで出掛けるのが趣味だとも語っていた。

次に女優メラニー・ロランマイク・ミルズ監督を取材するはずだったが、メラニーはおなかがすいているからと言ってすぐに参加せず、彼女が食事をしている間にマイクをインタビューすることになった……。マイクは、実際に自身の父親がゲイであることをカミングアウトしたときはショックだったが、ポジティブなストーリーとして観客に伝えたかったことを明かした。ちなみに、僕は、マイク・ミルズが『君とボクの虹色の世界』のミランダ・ジュライ監督と結婚したことを、この取材で初めて知ったのだった……。最後に、食事を終えて満足して戻ってきたメラニーに取材。彼女は奔放な性格のようで、テーブルにひじをつきながら質問に答えていたが、かわいらしい感じのヨーロッパの女性という印象を受けた。

5月25日念願のロバート・F・ケネディ・JRにインタビュー!(クロスビー・ストリート・ホテルにて)

『ザ・ラスト・マウンテン(原題) / The Last Mountain』

豊かな自然を誇るアパラチア山脈が、米国石炭大手会社マッセイ・エナジーの炭鉱開発によって破壊され、周辺住民の生活をおびやかしている状況を糾弾したドキュメンタリー。2010年4月に、29人の炭鉱労働者の命を奪った爆発事故も話題になった。実際に、アパラチア山脈の一部であるウエスト・バージニア州では、毎日2,500トンもの爆薬用の硝酸アンモニウムを使用して作業を行っており、毎週1回の頻度で広島の原爆規模の火薬量を爆発させていることになる。

ロバート・F・ケネディ・JR、ビル・ヘイニー

ドキュメンタリーを通じて環境問題を訴えるビル・ヘイニー監督&ロバート・F・ケネディ・JR/ロバート・F・ケネディ・JRが民衆の前で演説する劇中の映像

3年前、『グランド・キャニオン・アドベンチャー:リバー・アット・リスク / Grand Canyon Adventure: River at Risk(原題)』という作品でロバート・F・ケネディ・JRに取材したことがあったが、そのときは記者が多過ぎて一問も質問ができなかったという苦い記憶があった。僕は学生時代に映画『JFK』を観て以来、ジョン・F・ケネディの暗殺に興味を持ち始め、あらゆるケネディの書物を読んでいたため、ロバート・F・ケネディ・JRに聞きたいことが山ほどあったのだ。今回は、ラウンドテーブルインタビュー(5、6人の記者による合同取材)であったのと、環境問題を描いた作品ということもあって、僕は万全の準備で取材に臨んだ。ところが、当日会場に行ってみるとパブリシストから「取材記者の数が増えて14、15人になったから、ラウンドテーブルから記者会見に変える」と告げられ、非常に焦った。というのも、前回ロバート・F・ケネディ・JRにインタビューしたとき、彼は一つの質問に対して約4~5分かけて答えていたため、今回の取材もマックスで7~8問くらいだろうと計算していたのだ。そこで、僕は少しでも質問しやすいようにと前方の席に座った。そして、スーツ姿の2人が登場。

ところがパブリシストは、「この後にテレビ取材が控えているから、会見は20分くらいで済ませたい」と言い出したのだ。それまで結構待たされていた僕は、「それでは時間が足りない!」と抗議し、なんとか30分くらいに延長するよう説得できた。だが、このタイトな時間では一問しか質問できなさそうなので、僕は環境問題の今後の具体的な対策について質問することに。ロバートは環境問題についての政府の対応を丁寧に説明してくれたので、とてもうれしかった。一方、監督のビル・ヘイニーは、この映画で開発反対派の住民だけでなく、マッセイ・エナジー側のインタビューも収録したかったらしいが、断られてしまったそうだ。ちなみに、DVDの特典映像にはこの映画のために行った膨大な量のリサーチを収録しているらしい。2人は、ドキュメンタリー映画の影響力に期待していると語っていた。ケネディ一家の一人に取材できたことは貴重な体験だった。

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