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【今週のクローズアップ】『キングダム/見えざる敵』ジェイミー・フォックス

今週のクローズアップ

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今週のクローズアップ ジェイミー・フォックス

週末に公開される話題の映画の中から、気になる人物をご紹介します。今週は、10月13日公開『キングダム/見えざる敵』のジェイミー・フォックスをクローズアップします。コメディアン、俳優、ミュージシャン、見せる顔全てにおいて一流の存在であるジェイミー。そんな彼の辿ってきた道を振り返ってみましょう。

俳優・ミュージシャンとしての土台を作った少年時代

 1967年アメリカ・テキサスの小さな町で生まれたジェイミー・フォックスは、生後すぐに両親が離婚し、母親の養父母に養子として育てられました。現在のマルチなタレントは、ここでしっかりと育てられます。まずはピアノ。ジェイミーを厳格に教育しようとしたおばあさんの勧めで3歳から習い始め、15歳になるころには毎週日曜に教会でピアノを弾いて献金をもらい、大金を稼いでいたそうです。そしてアメフト。高校では優秀なクォーターバックとして活躍していました。


 卒業後に進学した名門ジュリアード音楽院では、クラシックピアノを専攻。しかし、音楽の道に進むことへの難しさを感じ、進路を模索するジェイミーでした。そんなある日恋人とのデートで行った店で、飛び入り参加でモノマネをしたことがきっかけで、“スタンダップ・コメディアン”という新たな道が開けてしまったのです! 彼の成功の秘訣(ひけつ)は、何よりもその度胸なのでしょう。

 

Todd Williamson/WireImage.com
肝っ玉がおっきいの。だからモテモテ。

大人気コメディアンから映画史を震撼させる俳優へ

 スタンダップ・コメディアンとして人気番組のレギュラーになり、瞬く間に注目を集めたジェイミー。1996年には何と、自分の番組“ザ・ジェイミー・フォックス・ショー”を持つまでに。その勢いで同年、サミュエル・L・ジャクソン主演のボクシング界を舞台にしたコメディー映画『ファイト・マネー』で映画デビューを果たし、1997年にはちょっとエッチな大爆笑コメディー『ダブル・デート』で、映画出演3本目にして主演に抜擢され、コメディアンとしての才能をスクリーンに咲かせます。また1999年、オリヴァー・ストーン監督のアメフト映画『エニイ・ギブン・サンデー』では、クォーターバックの役を得て、高校時代のキャリアを生かした熱演で、俳優としても高い評価を受けます。


 そして2004年、ジェイミーは世界にその名をとどろかせます。“ソウルの神様”レイ・チャールズの半生を、影の部分にも踏み込んで描いた『レイ』での主演です。レイにふんした彼が見せた、何かが降りてきたようにリアルな演技は、世界中の観客を感動させました。レイの魂を感じさせるような演技は本人からも賞賛の言葉を受けるほど。吹き替えなしのピアノ演奏シーンでは、またしても少年時代から築いてきたキャリアを十分に生かし切っています。この作品でアカデミー主演男優賞だけでなく、ゴールデングローブ賞、SAG(スクリーンアクターズガイド)賞など数々の賞を総ナメにしたジェイミーは、一躍トップスターの一員となったのです。
 

Nicola Goode_/UNIVERSAL/The Kobal Collection/WireImage.com
『レイ』(2004)

多才な彼の恋の噂は……!?

 俳優としてだけでなく、ソングライティングやプロデュースまで手掛けるミュージシャンとしても活躍するジェイミー。1994年にデビュー・アルバムを発表してから、セールスにはなかなか恵まれませんでしたが、地道に活動を続けてきた結果、2005年にはカニエ・ウェストとのコラボレーション作品でグラミー賞にもノミネートされています。ソウルフルでスウィートそしてセクシーな歌声に、またもや世界中が腰砕け。一体どこまで人を魅了すれば気が済むのでしょう!


 そんな彼のプライベートはというと……。ゴシップは控えめですが、気になる発言が1つ。ジェイミーは以前、ハリウッドで最も美しい女優一人、ハル・ベリーへ熱いラブコールを送っています。「ハル・ベリーがもし自分の彼女だったら、気ままな独身生活をあきらめても構わない」「スクリーンよりも実物が美しかったただ一人の女優」「彼女が僕の気持ちを知っているかはどうでもいい。僕のアプローチはいつだって直球」などなど、彼女を大絶賛。当の彼女は、今やイケメンパートナーとの間に1児をもうけ、すっかりお母さんなのですが……。

Kent Smith/WireImage.com
セクシーだろ?

『キングダム/見えざる敵』

 そんな彼の最新出演作『キングダム/見えざる敵』が今週末公開されます。物語は、サウジアラビアの外国人居住区で死傷者300人を超える被害を及ぼした自爆テロが勃発するところから始まります。多くの犠牲者の中には、ジェイミー・フォックス演じるFBI捜査官ロナルド・フルーリーの同僚も含まれていました。彼は4人のチームを結成し、ホワイトハウスと国防省から、たった5日間という期限つきの許可を得て極秘捜査を開始します。しかし、彼らを待ち受けていたのはサウジ政府による拒絶と監視でした。さらに彼らの車が襲撃され、仲間の1人が人質にとわられてしまいます。果たしてフルーリーたちはテロ事件の核心に迫ることができるのでしょうか……!? 


 全て手持ちカメラでドキュメンタリータッチに撮られた、バリバリの社会派アクション映画である本作は、共演のジェニファー・ガ-ナーが熱射病で倒れたり、スタッフが事故で亡くなったりと、アリゾナ州での撮影はトラブル続きだったもよう。そんな過酷な状況を乗り越えて作り上げられたこの作品で、ジェイミーの知性と情熱を兼ね備えた演技はきっと、作品の真意をしっかりと観客へ届けることでしょう。ハリウッドの良心、ジェイミー・フォックスは、今後の映画界を支える太く強い柱になること間違いなしです。

Jeffrey Mayer/WireImage.com
『キングダム/見えざる敵』

文・構成:シネマトゥデイ編集部

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