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2005年10月

私的映画宣言

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ライター
去年12月に買ったiPodがいかれた。で、落ち込んでた。が、土曜午後に修理に送ったら、水曜朝には明らかに見覚えのないシリアル番号のピッカピカの新品がやってきた。何かわかんないけど、得した気分。蠍座(なんです)はそろそろ12年に生まれのラッキー周期だからかな。星占いは普段、全く気にしていないのだけど、いいことだけなら、気にしたろと思ってます。
ライター
突如、耳が猛烈に痛くなり、病院に行ったら、炎症を起こして鼓膜が破れる寸前だった。原因は、はなのかみすぎ……。夏に自宅の壁紙を張り替えて以降、アレルギーではなかみまくりでした。思わず、ジュリアン・ムーアがシックハウス症候群になるトッド・ヘインズの『SAFE』が頭に浮かんだ。でも、あんなに神経質じゃない私。



ライター
阪神タイガースのリーグ優勝は嬉しいのですが、楽天・田尾監督の解任で気分はマイナス。しかも新聞記事で、楽天の関係者の「田尾監督が辞めるからと言って、楽天のファンを辞める人はいないでしょ」なるコメント読んだ。いるっゅうねん! ここに。ナベツネの「たかが選手」発言に匹敵する暴言。田尾ファンをナメるな。
ブラザーズ・グリム

グリム童話の誕生秘話を、斬新な発想のもとに映像化した大人のファンタジー作品。監督は『12モンキーズ』の天才テリー・ギリアムが務め、グリム兄弟には『ボーン・スプレマシー』のマット・デイモンと、『サハラに舞う羽根』のヒース・レジャーが扮する。“あかずきんちゃん” “ヘンゼルとグレーテル”などおなじみのキャラクターたちが登場するなど斬新なアイデアが満載のほか、魔女を演じたモニカ・ベルッチの美しさは必見。

英題: THE BROTHERS GRIMM
日本公開: 2005年11月3日
(丸の内ルーブル ほか)
配給: 東芝エンタテインメン



お調子者の兄と学者肌の弟。マットとヒース、誰が見てもキャラが逆。これが演技力 を求められる作品だったならチャレンジングと受け入れられるかもしれないが、本作 は、どう見てもエンターテインメント。当初のキャスティング通り、やるべきだった んじゃないの? ヒースは自分を軽薄に見せると思い込んで、二枚目役を敬遠する傾 向にあるが、そのこだわりが、かえってバカ丸出し。もっと自分を知って くれ。テリー・ギリアム作品だから、さぞやと期待してただけに、ガックシ。グリム 童話本来の残酷性やおどろおどろしさが描かれていなかった。童話の導入も有名どこ ろばかりで、おざなり。見るべきはモニカ・ベルッチか。皺が多くて、そろそろ賞味 期限限界な危うい感じがどうにもリアル。


赤いマントを羽織った少女が暗い森の中を逃げ惑ったり(赤ずきんちゃん)、幼い兄妹が森の中に迷い込んで行ったり(ヘンデルとグレーテル)など、グリム童話の世界をイマジネーション豊かに楽しませてくれるギリアムに拍手、拍手。個人的には『未来世紀ブラジル』のジョナサン・プライスが出ているのも嬉しかったりして、ニマニマしながら楽しんだ作品。ただ、マット・デイモンが女にだらしないグリム兄を演じているのはミスキャストだと思うけど、気弱で生真面目、学者肌的なグリム弟を演じているヒース・レジャーがいい。(本作の後、『カサノバ』→アン・リー監督の新作と楽しみな映画が続いてるし)。しっかし、一番のハマリ役はモニカ・ベルッチの魔女でしょう。妖艶すぎる美しさは人間離れしてる。なんか特別な手入れがあるのではないかと思うよ、ホント。


コレ、今年のヴェネチア映画祭のコンペティションに入っていたんです。ギリアム監督だし、コンペだし、傑作『未来世紀ブラジル』級の現代社会を斬る内容を期待していたんです。ところが子供たち失踪のナゾは、ファンタジー映画にありがち。"「グリム童話」にインスパイアーされてるんだからしゃーないじゃん"と言われても、あまりにもフツー。同映画祭に招待されていた『妖怪大戦争』の方が、人間に使い捨てされた機械たちが化けて出て来たり、腹が減るから闘わない=戦争反対! とか、奥深~いテーマが盛り込んであってこっちをコンペに! と思ったほど。『ドン・キホーテを殺した男』がダメになってお金が欲しかったのか? ギリアム。次作に期待。

ティム・バートンのコープス・ブライド

アニメーター出身の鬼才ティム・バートン監督が、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』『ジャイアント・ピーチ』に引き続き挑んだブラックユーモアたっぷりのファンタジーアニメ。声優陣には、ゴールデンコンビとして知られるジョニー・デップや監督の妻でもあるヘレナ・ボナムカーターらを迎え、人間とゾンビの奇妙なラブストーリーを描く。全編をとおして昔ながらの「コマ撮り」で撮影された映像は、最近のアニメーションにはない深い味わいがある。

英題: TIM BURTON'S CORPSE BRIDE
日本公開: 2005年10月22日
(丸の内ピカデリー2 ほか)
配給: ワーナー・ブラザース映画

(C)2005 Warner Bros. Entertainment Inc. All Rights Reserved



ミュージカル調の音楽のポップさ、セットの細かさ、微妙に動く人形の質感……じっ くり見ようと思ったら、見どころだらけ。バートンのオタク心炸裂の大傑作だ。しか も、ストーリーは単純明解に美しい愛の世界で、オタクとは関係ない人も普通に感動でき る。人形だから、大げさな愛も、ドラマティックな展開も、素直に受け入れられるん です。そして、さすが『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のキャラ・ロイヤル ティーがいまだ、膨大にあるんであろう、バートン。今回もキャラクターの描き方が めちゃうまい。ガイコツ犬のスクラップスとか、ブシェーミ顔のうじ虫マゴットとか、 即、商品化可能。ジャックやサリーとまではいかなくても、きっと人気者になれるだ ろう。私だって、欲しいもの!


昔ながらの「ストップモーション・アニメ」。これぜーんぶコマ撮りなんだと思うと、製作者たちの熱意というか根性に頭が下がる。キャラクターたちの顔つきもユーモラスで、コープス・ブライドがどことなく声を演じてるヘレナ・ボナム・カーターに似てると思うのは私だけ? 陽気なガイ骨バンドや、やけに人馴れしてるガイ骨犬とのやり取りなど、ブラックジョークが適度にまぶされ、80分程度なのにちゃんと最後はホロリさせてまとめるあたりは、さすがストーリーテラーのバートンだ。それにしても、そのバートンとマブダチのジョニー・デップは別として、エミリー・ワトソン、アルバート・フィニー、クリストファー・リーなど、大御所俳優たちが声を担当。なんと贅沢なことか。


ずっとヘレナ・ボナム=カーターを恨んでました。『PLANET OF THE APES/猿の惑星』を見ながら、何度「さげまん」と叫んだことでしょう。『ビック・フィッシュ』を見て、「やけにしみったれた話になったのは、ぜーったい貧乏臭い女のせいだ」とハンカチを噛みしめたことでしょう。そんな日々も『チャーリーとチョコレート工場の秘密』と本作品を経て、この略奪愛女を許してやってもいいかなぁと思っております。何より本作品を見て、バートン自身が現世の美女より霊界に住む幸薄い娘に惹かれるタイプなのだと納得。そういやヘレナ、ヴェネチア映画祭で赤色のスカートに黒のタンクトップ、黄色のカーディガンだった。このセンスを理解できるのはバートンだけ。お似合い。

私の頭の中の消しゴム
『四月の雪』でペ・ヨンジュンと共演したソン・イェジンと、『MUSA 武士』のチョン・ウソンによる不朽の愛の名作。韓国映画界におけるラブストーリーの女王と美形カリスマ俳優が、不治の病と闘いながら、きずなを深めていくカップルを熱演する。“若年性アルツハイマー”という重いテーマを扱いつつも、最後まで希望を捨てないエンディングは秀逸。今までの韓国映画とは一線を画す、美男美女による格調高い恋愛ドラマ。

.英題: A MOMENT TO REMEMBER
日本公開: 2005年10月22日
(丸の内ピカデリー1 ほか)
配給: ギャガ・ヒューマックス共同配給





何でこう、次から次へと泣ける話を思いつけるんだろうか、韓流。身分違いの恋に加 えて、難病だ。また主演のソン・イェジンが極細だわ、色白だわで、難病も薄幸も 似合うんだ。泣かされたのは、これで何度目だろう。相手役は韓国の映画スター、チョ ン・ウソンだが、こういう小汚いカッコしてると、どうも「俺たち」シリーズの中村 雅俊みたい。背の高さもぴったり。泣きたい人のための映画、あるいは、これまで泣 ける映画といわれた作品では泣いたことがないというあまのじゃくな人のための挑戦 映画として、オススメ。食事シーンでタイミング良く(悪く?)、太田胃酸のCMで有 名なショパンのピアノ曲がかかったのには失笑。「ありがとう いい薬です」と言い たくなったのは私だけか?


かつて試写で号泣してしまって、外に出るのに困った作品1位は『愛を乞う人』だった。もしかしたら、それ以上に爆涙。もうハンカチなんかじゃ間に合いませんでした。たまたま試写の前あたりに、若年性アルツハイマーの連載記事を読んでいたせいもあって、完全に仕事を忘れてスクリーンに埋没。ベタな話で、イジワルな同僚、かつての不倫相手などわかりやすすぎなぐらい悪役してるし、何より主人公二人の出会いなんて、少女漫画のノリでありえないと思う。が、チョン・ウソン扮するぶっきらぼうな青年が個人的好みのツボにはまってしまい、後半、怒涛の涙となってしまった。ソン・イェジンも『四月の雪』よりはもっとキャラクターを打ち出すことができて、魅力的。ところで、渡辺謙が新作で若年性アルツハイマーにかかった男性を演じるらしい。今度はこの手が流行るの?


映画『MUSA』でチョン・ウソンに会った時、スクリーンで見るより顔が丸く「韓国の宅間伸」と勝手に名付けていた。が、本作品の前半、ガテン系ウソンにちょいと胸キュン。『MUSA』の時同様、ワイルドな姿の方が似合うのね。もっとも、後半のスーツ姿になると、やっぱり『課長・島耕作』なんだけど。映画全体も、前半のコミカルな部分はいいんだけど、後半は韓国映画らしく「泣かせ」に走りすぎ。深刻な病であることは分かるけど、そこをあえて抑えた演出で見せる方がよほど胸にジーンとくるはず。まして最後のコンビニのシーンは……失笑。やり過ぎのあまり観客を「そりゃねぇべ」と現実に引き戻してしまう。そこもまた韓流映画の悪い癖。

 ドア・イン・ザ・フロア
現代のアメリカ文学界を代表する作家、ジョン・アーヴィングのベストセラー小説「未亡人の一年」を映画化したヒューマンドラマ。主演には『L.A.コンフィデンシャル』でオスカー女優の仲間入りを果たしたキム・ベイシンガーと、何度もオスカーにノミネートされた経験を持つジェフ・ブリッジスが、悩める夫婦を渾身の演技で見せる。監督と脚本を手がけたトッド・ウィリアムズは、本作が初監督作品にもかかわらず、原作者も納得させる情緒豊かな作品に仕上げた。

英題: THE DOOR IN THE FLOOR
日本公開: 2005年10月22日
(恵比寿ガーデンシネマ ほか)





どうしようもなく不幸なのに笑えてくる、もろアーヴィング・ワールド。ジェフ・ブ リッジス自作の画も作品に合っていて、彼のこの映画への深い理解が感じられる。子 どもたちの写真も、彼の作品だと思う。ジェフ・ファンの私としては、彼の才能を噛 みしめまくれて、大満足。彼をはじめ、キャスティングが本当にリアルなのがいい。 キム・ベイシンガーの若者を翻弄してやりまくってしまうフェロモン炸裂の色っぽさ と緩さ。天才子役ダコタの妹エルも実際、あのまんま、ほやや~んとした不思議な印 象の子だし……。リアル通り越して、生々しかったのはミミ・ロジャースの巨乳。も はや関係ないのにトムを思い出した。ニコールもケイティも貧乳なので、オッパイ星 人ではないようだ。どうでもいいけど。


最初からすんなりと頭には入っていかないけれど、何かヘンな夫婦、妻と若い少年のアブない関係と、奔放な夫と妖しい中年マダムの浮気がどう転がって、どうつながっていくのか、先が気になってページを読み進めているような。まさに小説を読んでる気分になった。夫ジェフ・ブリッジスは十八番的な役をそつなくこなしてる感じ。むしろ、妻役のキム・ベイジンガーが光る。この人、年を重ねて、どんどんイイ女度を増してます。劇中では自分の息子と同じぐらいの少年のオカズになってることを喜び、手ほどきしてあげるあたりは、滑稽だけどせつなくて……。ちなみに、元トム・クル妻のミミ・ロジャースも怪演してます。さらに、注目は夫婦の幼い娘役にダコタ・ファニングの妹が出演。ある意味、すでに姉を超えていそうに思える。


観賞後、軽くヘコんでおります。原作「未亡人の一生」の前半部分。のちに人気作家になるルースの、4歳の時の話だという。その少女が夜中に目が覚めて、お父さんに言うこんなセリフがある。「"誰かが音を立てないようにしている音"がする」と。すげぇ4歳児。このルースちゃん、幼少期に兄を事故で亡くし、それが原因となり両親が離婚し、母親に捨てられる運命を辿る。その心の痛みを文字にして作家になったのだろうが、言葉を仕事にする人間はやっぱり幼少期に劇的な体験がないと無理なのかも? と、映画というフィクションを超越し、しかも本題からかなりズレまくっているのだが、とっても現実的に考えてしまった私。それくらい本作品はリアルな説得力があるということで。

 ドミノ
『パイレーツ・オブ・カリビアン』のキーラ・ナイトレイが、モデルから賞金稼ぎへと転進した実在の人物を演じた衝撃のエンターテインメント。監督は『クリムゾン・タイド』『エネミー・オブ・アメリカ』などサスペンス映画を得意とするトニー・スコット。モデルとなったドミノ・ハーヴェイは、この映画の完成を待たずして、2005年の6月に35歳で謎の死をとげている。
英題: DOMINO
日本公開: 2005年10月22日
(日比谷スカラ座 ほか)
配給: UIP




キャラが多過ぎて、展開が早過ぎて、さらに次々、カットバックして、『24』シリー ズばりに、ドンデン、ドンデン、返されて、何が何やら……。脳は疲れるし、動体視 力もどうにかなりそう。それで、実話ベースって、どこまでが真実なんだろうか。最 後まで、煙に巻かれっぱなし。チョコ役(ちょいと気になるイケメン)のエドガー・ ラミレスとキーラはラブシーンを演じてるけど、ドミノ・レズ説もあるんだそうだ。 もう摩訶不思議(エンドロールに映ったドミノ本人はローリー・アンダーソン似でレ ズ説も納得だけど)。っつうか、キーラ、何で脱いじゃった? これが最大の謎。映< 画にも彼女にも観客にも、その必要性がなかったのに。完全に時期尚早脱ぎパターン。 キーラ、お前も『犬死にしもの』か!


見終わったところで、結局、金持ち娘の気まぐれ人生の話かいっ! と呆然とした。スタイリッシュといえば、聞こえはいいが、目がぐるんぐるん回るような映像ばかりに凝って、ドミノが何不自由ない生活を捨てた理由が見えてこない。キーラ・ナイトレイがショットガンを背負って歩く姿はサマになっているけど、まだ主役を張るほどの存在感はないと思いますが……。もっとも、その足りないところは俺達が担うぜとばかりに出で来る、濃厚なオヤジ俳優たちが魅力的。とくに、ミッキー・ロークはちょい不良(ワル)なオヤジ臭が漂ってます。私はエドガー・ラミレスに注目。コインランドリーでいきなりブリーフ一丁姿になったときの素敵すぎな上半身、とってもいい目の保養~っになりました。


キーラ・ナイトレイのビジュアルを見て期待していたのだが、どうも肩透かし。ドミノ・ハーヴェイの人生を描きたかったのか、それとも単なる女性の賞金稼ぎが起こしたサスペンスを描きたかったのか、何とも中途半端。恐らくお嬢だったドミノの内面にもっと迫りたかったのだろうが、肝心のところは彼女にうまく誤魔化され、話を深く掘り出せなかったのではないか? 実際、クスリ問題が取り沙汰されていたようだし、本当はもっとすんごいワルいこともやっていたのではないか? 本作品を見る前に亡くなってしまったというドミノ。これを機に、もう一度周辺取材をして映画を作り直した方がいいのでは?

イラスト:micao

 

 

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