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ドッグスター・ライヴ・リポート

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ドッグスター・ライヴ・リポート
2000.6.28 東京・赤坂ブリッツ


 

 『マトリックス』のプロモ来日時よりもスリムでシャープな印象だ。

 キアヌ・リーウスがベースギターを担当するロック・バンド、ドッグスターが1年半ぶりに日本へやって 来た。

 そもそもこのバンドは、91年にキアヌがスーパーマーケットで自分の応援するアイス・ホッケー・チームのT シャツを着ていたロブ(現在ドラム担当)に声をかけたのがきっかけで結成されたという。 当初はあくまでも趣味で、ツアーをする気持ちはないとキアヌはコメントし続けていた。それな のに、『スピード』の大ヒットでキアヌの人気が頂点に達した直後の95年に突然発表された来 日ライウのニュースにファンは騒然となりチケットは即日完売。一説には会場の外で10万円もの高 額でで取引されたとも言われている。

 そのドッグスターも今回で4度目のジャパン・ツアーを果すことになる。チケット入手にも初回の ような混乱はなく、以前はハリウッド・スター、キアヌを「見る」ために押しかけていたファンも次 第に彼らの音楽を楽しむ姿勢へと変化し、ミュージシャン、キアヌとしてのファン層も少しずつだ が確実に増え始めているようだ。

 今回は彼らが総力を注いだという2枚目のアルバム"happy ending"のリリースと時期を併せ ての来日でもあり、さらにパワー・アップした彼らのサウンドに出合えるのではと期待に胸を ふくらませて東京地区最終公演のライウ会場である赤坂ブリッツへ向かった。  会場の一階席はオールスタンディング。少しでもキアヌに近づきたいファンが早くも前方へ詰めか け、オープニング前から熱気に包まれている。ライウ開始をみんなで待ちわびていると、ツア ーに同行しているキアヌの妹カリーナがステージに現れ、メンバー3人のためにアンプの上にミネラル・wホータ ーとビールをセットしている。それをいち早く見つけたファンが「カリーナ!」と声援を送ると彼 女は戸惑いながらもにこやかに手を振って応えていた。

 やがて向かって右からキアヌ(ベース)、ロブ(ドラム)、ブレット(ギター/ウォーカル)の順で登 場すると早速大声援が起こった。服装にはまったく無頓着のキアヌは、毎度おなじみの 色あせた黒いTシャツにジーンズ。その上、成田到着以来伸ばしているのだろうか無精ヒゲ がかなり目立つ。しかしそれでもとびきりのハンサムであるのには変わりない。昨年夏の 『マトリックス』のプロモ来日時よりもスリムでシャープな印象だ。 「どうもありがとう」とめずらしく日本語で感謝を伝えてステージを去ったキアヌ  初めからアップテンポのノリの良い曲でライウはスタートした。3曲目の"HALO"では会場全体か ら「ハロー」の掛け声がかかり、ブレットと会場との掛け合いでとても和やかな雰囲気にな った。次第に会場全体の一体感が深まっていく。初めは黙々と下を向いてベースを弾い ていたキアヌもリラックスして笑顔を見せている。気分が乗ってくると首を振ったり、身体を 前後させたり、ベースを弾くときはやや内股になってしまうのも彼の癖らしい。ファンが 投げたぬいぐるみが当たりそうになって軽やかに身を交わした後、落ちたぬいぐるみ を拾ってブレットに投げ、2人でふざけ合うほほえましい一幕もあり、メンバー同士本当に 仲が良いのがよくわかる。


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また会場が特にわいたのは最前列の女性がキアヌに「のどが乾いたからお水ををちょ うだい」と声をかけた時だった。まさかと思ったが、キアヌがアンプ横のミネラル・ウォーターを彼 女に差し出したのだ。あのキアヌ・リーウスに水を貰うとはなんとラッキーなファンなのだろう。以 前はベースを弾くのに一生懸命だったのに、今では余裕も出たらしくこんなファン・サーウィス もしてくれるのだからたまらない。

 演奏中はブレットが華麗なギター・テクニックでたびたび見せ場を作って盛り上げる。その一 方でキアヌはベーシストとして常に控えめなのはいつもどおりだ。しかし何度かソロも聞かせ る場面もあり、何よりそのテクニックの上達ぶりには驚かされた。あのハードな撮影スケジュール の合間にどうやって練習の時間を作っているのか機会があったら聞いてみたいものだ。

 今回もキアヌがウォーカルを受け持つことはなかったけれど、すっかりテンションの高まったキア ヌがアンコールでブレットの歌声に合わせてメロディを口ずさんでいた。近くにマイクがなかったの がちょっと残念。彼にとってもこの日のライウは十分満足の行くものだったのだろう。 最後に「どうもありがとう」とめずらしく日本語で感謝を伝えてステージを去って行っ た彼の少年のようなニッコリ笑顔が忘れられない。

(松岡奈々)             

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