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玉山鉄二、再び次元大介に挑んだのはなぜ?

写真:杉映貴子

 2014年に公開された実写版『ルパン三世』で、次元大介を演じた玉山鉄二が、9年の歳月を経て、Amazon Original 映画『次元大介』(Prime Video にて10月13日から世界独占配信)で再演を果たした。中折れ帽にくわえタバコ、愛銃コンバットマグナムで渋く決めるキービジュアルが公開された際には、大きな反響を呼んだ。誰もが知るハードボイルドな次元大介を演じるうえで、玉山はどんな思いを持って本作に臨んだのだろうか? 胸の内を語った。

【動画】『次元大介』玉山鉄二インタビュー

映画シリーズから9年で雑味をそぎ落とし再び次元に

玉山鉄二
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 2014年に公開された実写映画『ルパン三世』。国民的作品と言われている作品だけに、実写化の一報が流れたときは、大きな反響が巻き起こった。あれから9年、玉山は「実は、映画『ルパン三世』が終わってあまり時間が経たないうちに、このお話はいただいていたんです」と語ると「そこから話が進むと、頓挫し、また話が浮かび上がって」と何度も紆余曲折を繰り返しながら、9年という歳月を費やして、ようやく完成したという。

 玉山は「プロデューサーの方々とは、いろいろなアイデアを出し合って企画を作っていたのですが、コロナ禍もあって、なかなか実現しなかった」と長い年月だったことを強調すると「普通だったら諦めてしまうだろうし、フェードアウトしてもおかしくない状況。そんななか、がむしゃらに、ひたむきに実現しようと頑張ってくださった方々のおかげで完成した。本当に感謝しかないですね」としみじみ語った。

 しかし、時間がかかったが故に、プラスに働いたこともあった。玉山は「全開の映画のときは30代だったのが、いまは40代になって体力的には落ちてきたことは否めないのですが、そのぶんテクニカルなところで向上したり、人間としての厚みみたいなものが出てきたりはしたのかもしれません」と笑った。

 次元と言えば大人な男の色気と風格が漂う、女性ばかりではなく男性までもが憧れる存在。玉山も「次元という男はとてもシンプル。雑味がない」と位置づけると「僕も映画『ルパン三世』から10年弱の間に、雑味だったり無駄な部分だったりをそぎ落とせたような気がした」と理想の次元を表現するために必要な時間だったのではと解釈した。

## 人気キャラの実写化もプレッシャーはなし

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玉山鉄二

 誰もが知る人気キャラクターを再演するということで、プレッシャーはかからなかったのだろうか。玉山は「一度実写映画をやっていますからね」と笑うと「次元を演じるという部分では、そこまで今回プレッシャーはなかった」と胸の内を明かした。

 一方で、本作では大きなチャレンジもあった。「今回は次元が中心の物語。いつもの『ルパン三世』の次元とは違う部分をどうやったら見せられるのかというのは考えました。一番は心の熱さ。ルパンといるときは、どちらかというと、次元はクールじゃないですか。この作品では、普段は漏れ出てこない熱さみたいなものを、どうやって過剰ではなく漏れ出させるかというのは挑戦でした」

 『ルパン三世』のなかに登場する、次元大介の乾いたハードボイルドな匂いを守りつつ、ヒューマンな部分を嫌らしくならない程度に入れていく作業。玉山は「監督を含めてみんなで加減を考えていました」と議論を重ねたことを明かすと「僕はアニメを観ていたので、次元ってアクションシーンでガチャガチャ動いて汗をかいているイメージがなかった。その部分はベースとして置きながら、でも“熱さ”みたいなものが出るようにアクションを作っていきました」と見どころを語った。

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玉山鉄二の役づくり「自分に足したり引いたりはしない」

玉山鉄二
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 玉山と言えば、近年本作の次元のようなキャラクターものから、WOWOWの連続ドラマでのリアリティーある重厚な人物、さらにはNetflixオリジナル「全裸監督」シリーズの川田研二役、ドラマ「バカボンのパパよりバカなパパ」の赤塚不二夫役など、役のふり幅が非常に大きい。

 玉山は「役へのアプローチ方法として、自分を軸に役をつくっていくわけではないんです」と語ると「自分のパーソナルな部分に、足したり引いたりするのではなく、本当にゼロから構築していく。元がないから、何でもできる。変な話、髪型なんかも役きっかけじゃないと変えない。自分でこういう髪型にしたいなと思って切りに行ったことはこの20年ないですね」と笑った。

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 自分を持たないからこそ、どんなキャラクターにもスッと入っていける。しかし一方で、「自身のアイデンティティーはどこにあるのか」なんて疑問は 湧かないのだろうか。玉山は「こういうやり方をしている以上、割り切っていますね。あまりそういうことは考えないんです」と苦笑いを浮かべると、「唯一僕はサウナが好きなので、いろいろな地方のサウナを子供と一緒に巡ったりして、地元の人と交流したり。あとは他人の人生に興味があるので、ドキュメンタリーや昔のニュースなどを見て、どこかで自分を構築しているのかもしれません」と語っていた。

 そんな玉山に、次元の相棒であるコンバットマグナムのような存在があるか問うと「お酒ぐらいですかね。何にでも億劫な自分が、少し活動的になる……みたいな」とニヤリ。ちなみに愛飲するのはウイスキー。次元との共通点が垣間見えた。(取材・文:磯部正和)

Amazon Original 映画『次元大介』10月13日より Prime Video にて世界独占配信

玉山鉄二の“新”次元大介!Amazon Original映画『次元大介』インタビュー » 動画の詳細
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