『パイレーツ・オブ・カリビアン』ペネロペ・クルスの現在は？
11日に金曜ロードショーで放送される映画『パイレーツ・オブ・カリビアン／生命（いのち）の泉』（2011）で、女海賊役をクールに演じたペネロペ・クルスのこれまでの経歴と現在について紹介する。
ペネロペのキャリアは、最初から輝かしい。映画初出演作『ハモンハモン』（1992）が、ベネチア国際映画祭で銀獅子賞を受賞、彼女自身も本国スペインのゴヤ賞で主演女優賞にノミネートされ、ラッキーなデビューを飾った。そして、ペドロ・アルドバル監督の『オール・アバウト・マイ・マザー』（1998）がアカデミー賞外国語映画賞を受賞して、ハリウッドの注目女優に。その後はアカデミー賞の常連になり、『ボルベール <帰郷>』（2006）で主演女優賞にノミネートされ、『それでも恋するバルセロナ』（2008）で助演女優賞を受賞。続いて『NINE』（2009）で助演女優賞、『パラレル・マザーズ』（2021）で主演女優賞にノミネートされている。
そんな活躍をしながら、交際相手も華やか。2001年に『バニラ・スカイ』で共演したトム・クルーズと交際が始まり、結婚も噂されるが、2004年に破局したのは有名な話。そのほかにも、マット・デイモン、マシュー・マコノヒー、ジョシュ・ハートネットらとの交際が噂され、『それでも恋するバルセロナ』（2008）で、デビュー作『ハモンハモン』(1992)で共演したハビエル・バルデムと再会して交際がスタート。2010年に結婚し、2011年に長男レオ、2013年に長女ルナが生まれている。
現在49歳。今もハリウッドの第一線で活躍中のペネロペは、夫ハビエルと子供たちとの家庭生活も順調。ただし子育てには、彼女らしいルールがあるようだ。まず、子供たちをメディアに登場させない。昨今は、SNSに子供の画像をアップするセレブも多いが、ペネロペはそれを「絶対にしない」と発言。また、子供たちが幼い頃は、自分たちをできるだけ特殊な環境で育てないため、両親の職業が俳優であることを隠していたそう。子供たちは彼女にとってとても大切な存在で、昨年8月の雑誌「Hello」の取材では、「自分の人生をもっとも大きく変えたのは、母親になったこと。今の私の人生でもっとも大切なことは、母親であること」と語っている。
ペネロペが子育ての中で最も厳しくしているのは、テクノロジーの与え方。彼女はCBSのトーク番組「Sunday Morning」で、まだ12歳の息子と10歳の娘 にスマホを与えていないこと、もっと大きくなるまで与えないつもりであることを告白。さらに、少なくとも16歳になるまではSNSをやらせないと宣言している。その理由は、SNSは幼い子供たちに影響を与えてしまうから。「今の10代に悪影響を与えていると思う。まるで世界が“12歳の子供にこのテクノロジーを与えたら、どうなるか見てみよう”という実験をやっているんじゃないかと思う」と現在の状況を非難しつつ、「私はそうやって子供たちの精神的な健康を守っているけど、自分は少数派だとも感じてる」と語っている。
そんな子育てをしながら、仕事でも大活躍中。ジェシカ・チャステイン、ダイアン・クルーガー、ルピタ・ニョンゴら人気女優たちと共演の女性アクション映画『355』（2022）などハリウッドの大作映画に出演しつつ、スペイン・アルゼンチン合作のコメディー映画『コンペティション』(2022)では製作総指揮にも参加して映画監督役で出演。これまで同様、ハリウッド映画以外でも活動しているが、最新作はハリウッド大作。マイケル・マン監督が、フェラーリの創設者エンツォ・フェラーリを描く伝記映画『フェラーリ（原題） / Ferrari』。ペネロペは、アダム・ドライヴァー演じる主人公の妻ラウラ役を演じている。
さらに、監督業にも進出中。2022年に自身の制作会社ムーンリオン（Moonlyon）を設立し、現在はこの会社で、彼女自身がプロデュースと監督を務めるドキュメンタリー映画の企画を進めている。ただし内容は未発表。Varietyでこの作品について「私が本当に情熱を注ぎ込んでいる企画で、完成まであと2年はかかると思う」と語っている。いったい何を描いているのか興味津々。今後は俳優としてだけでなく、監督としても活躍してくれることになりそうだ。（文・平沢薫）
