ADVERTISEMENT

『アバター2』まで13年かかったワケ…ジェームズ・キャメロン、探検家になるか監督に戻るか悩んでいた

続編公開まで長かった! - 映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』より
続編公開まで長かった! - 映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』より - (C) 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

 ジェームズ・キャメロン監督が来日時にインタビューに応じ、前作『アバター』(2009)から続編『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』公開までの13年間、何をしていたのかを語った。

【画像】クジラに似た生き物も登場する『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』

 まず『アバター』公開後、最初の数年間は深海を探検していたというキャメロン監督。「その期間、『アバター』には全く手を付けていなかった。自分が『アバター』をもう一度やりたいのかどうかもわからず、しばらくの間、考えていたんだ。僕たちはまた雷に打たれるようなひらめきを得られるのか? 前作で成功したのと同じ場所で? とね。僕たちが“アバターファミリー”と呼ぶキャストたちとまた一緒に仕事ができるというのは魅力的だった。とても楽しかったから。深海探検については、潜水艇を作って、深海へ行くという当座の目標は達成していた。僕はそれを続けたくもあったが、決断を下さなくてはならなかった。探検家になりたいのか? それともフィルムメイカーになりたいのか? と。そして戻ることにしたんだ」

ADVERTISEMENT

 だが、ただでは戻らないのがキャメロン監督だ。「僕は『ただ1作をやるのではなく、3作やろう』と言った。当時は3作になると想像していたんだ(※現在は全5部作の想定)。『ロード・オブ・ザ・リング』や『スター・ウォーズ』3部作を例として想像していた。そうなると、ものすごい量の準備が必要になる。全ての脚本を書き、全てのキャラクター、クリーチャー、環境などのデザインをしなければならないから」

 同時に、水の中の世界を描くということで新技術についてのリサーチも必要となり、パフォーマンスキャプチャーの技術を進化させることにも多くの時間を要したという。「実際に制作に入ったのが2017年9月で、それから5年の時間がかかった。うち6か月はパンデミックで制作中止となったがね」

 この長い期間に世界ではさまざまなことが起き、前作の頃から社会は大きく変わったといえるが、それを受けて当初考えていた物語を変更することは一切なかったとキャメロン監督は言う。「全く変えていない。世界で起きていること全てに関して、僕たちが語ろうとしている物語と一致していない部分は何もないと感じられたからだ。これは家族の物語で、家族というのは普遍的で不変なもの。家族のいい面にも悪い面にも対処しなければならないというのは、時代が変わっても変わらない。自然界の破壊について言えば、第1作の時から一層悪くなっているから、この映画を作ることはもっと重要になっているといえる。だから、僕たちは本当に何も変えていないんだ」

ADVERTISEMENT
ジェームズ・キャメロン
来日したジェームズ・キャメロン監督

 キャメロン監督は、SFには単に現実からの逃避というだけでなく、子供たちの未来を守るため、人類に対しての警告という役割もあると考えている。「ただ、僕は警告を発するだけの映画は作りたくない。人々が惹かれる世界を作りたいんだ。“観客と映画はつながることができる”というのが、僕にとっての希望。もし僕たちが何かを感じられるのなら、まだ希望はあると思う。クジラのために何かを感じ、海の美しさを見て何かを感じ、それを守りたいと思えるのならば、希望はある」

 「『アバター』第1作が世界中で受け入れられ、僕は多くの希望をもらった。第1作は世界中でものすごい金を稼ぎ出したが、金はどうでもいい。僕はそれを尺度として見ている。何人の人が映画を観て、何人の人が映画の影響を受けてくれたのか、というね。映画が人々の考えを劇的に変えるなんて幻想は抱いていない。ただ、多くの人にちょっとした効果は与えられると思っている。だが、一部の人には大きな影響も与え得るんだ」

ADVERTISEMENT

 実際に『アバター』にインスパイアされ、熱帯雨林の保護活動を始めた人たち、熱帯雨林が切り倒されたことで影響を受けている先住民のために働くようになった人たちがいる。「僕は『アバター』が一部の人に、すごく大きな影響を与えたことを知っているんだ。何か行動しなくては、とね。僕自身もその一人だ。映画が公開された後、世界中の先住民のコミュニティのために働いている人々から『助けてください』『ここに来てください』『この問題にスポットライトを当ててください』とアプローチを受けた。『アバター2』を公開するまでに時間がかかった別の理由は、2、3 年ほど持続可能性や先住民のための活動を手伝っていたからでもある。ただ次のファンタジーをやるよりも、リアルな世界でのリアルなことの方がもっと重要だと思ったからだ」

 「でも最終的には、僕個人としては、活動家として走り回るよりも『アバター』の映画を作る方がより貢献できるということに気付いた。なぜなら多くの人々がそうしているが、彼らにはわたしができることはできないわけだから。だから、自分ができることをやるべきだと思った。『アバター』を作ろう! もう1作。いや、何本も」と再び『アバター』の世界に戻ることにした理由を明かしていた。(編集部・市川遥)

映画『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』は公開中

  • mixiチェック
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • ツイート
  • シェア
ADVERTISEMENT

おすすめ映画

ADVERTISEMENT

人気の記事

ADVERTISEMENT

話題の動画

ADVERTISEMENT

最新の映画短評

ADVERTISEMENT