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竹内涼真「まだ10年」俳優人生はここから

竹内涼真 撮影:高野広美
竹内涼真 撮影:高野広美

 映画『アキラとあきら』ではどんな融資先にも全力でぶつかる銀行員、放送中のドラマ「六本木クラス」では金と権力を振りかざす巨大企業に立ち向かう青年役を任されるなど、まっすぐに突き進む“信念の男”を熱く演じている俳優、竹内涼真。来年は芸能界デビュー10年、年齢としても30歳の節目を迎えるが、彼自身は「“まだ10年”という感覚。ここからだなと思っています」とキッパリ。「現場が大好き」と仕事への愛情をあふれさせながら、目指す道のりを語った。

竹内涼真の魅力たっぷり!【インタビューカット】

池井戸作品、3度目の出演!

 『アキラとあきら』は、作家・池井戸潤の同名小説を竹内と横浜流星のダブル主演で映画化した人間ドラマ。日曜劇場「下町ロケット」「陸王」に続き3作目の池井戸作品への出演となった竹内は、「そんなに池井戸さんの作品に出ていいんですか!? と思いました」とオファーの瞬間を思い出しながら、うれしそうな笑顔を見せる。

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 竹内が特撮ドラマ「仮面ライダードライブ」で主演として走り切った直後に出演したのが「下町ロケット」で、「僕が演じた立花という役柄は、等身大で一生懸命に頑張っている若手技術者。周囲の先輩たちに必死に食らいついていくような役柄だったんですが、僕自身も、俳優としてまったく同じ状況でした」と述懐。さらに「『少しずつ、お芝居に対して理解を深めるとができたタイミングで、『陸王』に出演させていただいて。スポーツ選手を演じるために4か月以上の準備期間をもらいながら、新しい挑戦をすることができた」と振り返りつつ、どちらもキャリアの重要なポイントとなっていることから「いつもいいタイミングで、池井戸さんの作品と出会うことができている」と喜びをかみ締める。

 同じ名前だが、生まれも育ちも全く異なる山崎瑛(竹内)と階堂彬(横浜)がメガバンクに入社し、情熱と信念を武器に社会に立ち向かっていく姿を描く本作。ライバルとしてしのぎを削りながらもお互いを高め合う存在となる関係性として、横浜との初共演が叶った。

 竹内と横浜は2014年の同じ時期にそれぞれ特撮ドラマでヒーローを演じていたとあって、当時は「よく東映撮影所ですれ違っていた」のだとか。竹内は「ヒーローとして一生懸命に頑張っていたあの時期は、僕にとっても忘れられない特別な時間。流星くんとはそういった共通点があり、仲間意識もある」と目尻を下げながら、本作で2人の道のりが交差したことに「流星くんのお芝居をずっと見ていたので、すごくうれしい」としみじみ。がっつりと対峙したことで「流星くんには目から感じる強さがあって、それがすごく魅力的だなと思います。もっと一緒にやりたい」と早くも再タッグを希望する。

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まっすぐなキャラクターを演じられることは「うれしいし、ありがたいこと」

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撮影:高野広美

 本作で竹内が演じた瑛は、父親が営む町工場の倒産、夜逃げなど辛い幼少期を過ごし、“人を救う銀行員になる”という理想を胸に、ひたむきに仕事に打ち込む青年だ。人情に厚く、竹内自身「こうなれたらいいなと思うような人」だという。

 「瑛は、自分の幸せに向かって一生懸命に走っている人。幼少期の悔しかった記憶があるからこそ、企業で働く人たちを救いたいと考えているんです。そうすることで、彼自身も“なりたい自分”に近付けて、幸せになれる」と役柄を分析。演じる上では「どうすれば“なりたい自分になれるのか”とゴールを見据えながら、どんな障害があっても、そこに向けて突き進んでいくことを大切にしました」と語る。

 本作の瑛や、放送中のドラマ「六本木クラス」の新など、竹内には目標に向かってまっすぐに突き進んでいる役がよく似合う。そういった役がよく舞い込んでくることに、竹内は「ありがたいですし、すごくうれしい」とにっこり。「どのような作品でも、脚本を読みながら、そのキャラクターがどのように変化し、なにをつかみ取ってゴールを迎えるのかを考えているように思います。そこから現場に行って、スタッフさんや役者さんとコミュニケーションを取り、セッションすることで新しいものが生まれていく過程がものすごく楽しい」とものづくりにかける思いを情熱的に語る姿は、劇中で見せる猪突猛進なキャラクターとピタリと重なる。

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まだ10年という感覚

 2013年に芸能界入りした竹内は、来年はデビュー10周年を迎える。竹内は「まだ10年という感覚です。僕は役者業について何も勉強していない状態で、この世界に飛び込んだ。少しずつ経験を重ね、今はやっといろいろなものを仕入れられた状態。ここから徐々に自分の色と言えるものが出てくるのかなと思っています」と今の心境を吐露し、「むしろ、“ここから始まるな”という心境。僕はこの仕事が大好きなので、50歳、60歳、70歳とずっと続けていきたいと思っています。そう考えると、30歳はやっぱりまだまだですよね」と笑顔を見せる。

 劇中の“アキラとあきら”のように、竹内にとってライバルのような存在はいるだろうか? すると「少し前までは、同世代の俳優さんの素敵な演技をみると、いいなあと嫉妬するような気持ちになっていました。僕らの世代、素晴らしい俳優さんがいっぱいいますから!」と敬意を表しながら、「でもだんだんそういうことではなくなってきた」と告白する。

 「今の僕が一番、戦っているものは、“どこまで考えられるか”ということ」と今の竹内にとっては、自分自身がライバルの様子。「スタッフさんと一緒になって、作品を観てもらうためにはどうしたらいいんだろう、自分たちはなにを表現したいんだろうと考えて、それをどこまでも突き詰めていきたいと思っています。表現の世界には正解がないので、悩みは尽きないと思いますが、地道にそれを続けていくことが大事なのかなと。今の時代、テレビやネットを見ればどんなニュースもパッと仕入れることができるし、作品や人に対する評価もすぐに目に見えてしまいますよね。だからといって評価されることを目標にしていたら、この仕事は続かないのかなと感じています。観せるためにつくるのではなく、観てもらうためには自分がなにをできるのかをしっかりと考えながら、この仕事に向き合っていきたいです」と力強く語っていた。(取材・文:成田おり枝)

映画『アキラとあきら』は公開中

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