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三谷幸喜、善児の反響に驚き 「鎌倉殿の13人」予想を超えて成長したキャラクターたち

24回より梶原善演じる善児
24回より梶原善演じる善児 - (C)NHK

 大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(NHK総合ほか)の脚本を務める三谷幸喜。放送がスタートすると、周囲に振り回される主人公・北条義時(小栗旬)をはじめ、源頼朝(大泉洋)、義経(菅田将暉)、北条政子(小池栄子)ら、これまで一般的に伝わってきた人物像を覆すようなキャラクター造形が反響を呼んだ。そんな三谷が、自身の想像を超えて成長したというキャラクターについて語った(※一部ネタバレあり)。

【写真】笑撃のビジュアル!善児役・梶原善が出演した2019年の三谷映画

 まず三谷が口にしたのは、登場するたびにSNSなどで大きな話題になっている梶原善演じる善児だ。善児は、もとは義時(小栗)の祖父・伊東祐親(浅野和之)の下で働いていた下人。頼朝と八重(新垣結衣)の間に生まれた幼い千鶴丸や、義時の兄・北条宗時(片岡愛之助)、八重の夫・江間次郎(芹澤興人)らを次々と暗殺。そしてとうとう、元主人である祐親、その息子・祐清(竹財輝之助)をも手にかけ、感情を見せずに淡々と殺害していく姿が視聴者を震え上がらせ、ネット上で“アサシン善児”と呼ばれるように。第15回「足固めの儀式」では、直接手を下さずとも佐藤浩市演じる上総広常の刀を抜き取り、死に至らしめたことから彼の出没するところでは血が流れる可能性がかなり高く、次回予告やオープニングクレジットに彼の名があると視聴者が「嫌な予感」を察知するのがお約束となっている。6月19日放送の第24回「変わらぬ人」でも源範頼(迫田孝也)を瞬殺した。

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 三谷は「愛されているか、嫌われているのかはわかりませんが、こんなに皆さんの心に残るキャラクターに成長するとは思っていませんでした」と語ると「もちろん梶原善さんの力ではあるのですが、それを踏まえて善児にこんなことをさせようか、と想像が膨らんでいきました」と三谷自身にとっても予想外の広がりだったことを明かす。

20回より

 善児の今後については「もともと最終回まで登場させようとは思っていなかったので、どんな幕引きがあるのだろうか、ここまで成長した善児はどんな退場のさせ方をさせればみんな満足してもらえるのかということを踏まえて書きました」と語っている。

 そしてもう一人、執筆当初よりキャラクターが膨らんでいった人物として、宮澤エマ演じる義時の妹・実衣の名前を挙げる。最初は姉である政子の話し相手として、茶々を入れるだけのキャラクターのつもりだったというが、宮澤が演じている姿を見て「賑やかしだけではもったいない。もっと宮澤さん演じる実衣が成長していく姿を見てみたい」とキャラクターへの思い入れが深まった。実衣の今後についても「本番はこれからです」と期待をあおる。

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 ほかにも、悪女とも言われる政子を、愛らしくユーモラスに描いていることも特筆すべき点だ。三谷は「僕は政子が悪女として知れ渡っているのが不思議でしょうがないんです」と述べると「非道なことなんて何もしていない。彼女はただ妻として母としてやるべきことをやっているだけ。でも事態はどんどん悪くなっていくみたいな……。むしろ悲劇の主人公のような気がしています。決して悪女ではない。とても真摯な一人の女性だと思うし、そんな政子の生涯を描ける喜びを感じています」と語っていた。(取材・文:磯部正和)

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