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10年後のデクスターはどう変わった?マイケル・C・ホール、8年ぶり続編語る

マイケル・C・ホール
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 2006年から2013年にかけて放送された海外ドラマ「デクスター」の続編となる「デクスター:ニュー・ブラッド」が本日(7日)よりHuluで独占配信スタート。物語の舞台は、殺人衝動を抱えた優秀な鑑識官デクスターが法で裁けない凶悪犯に制裁を下していく日々を描いた前シーズンから10年後。デクスター役がアタリ役となり一躍スターに上り詰めたマイケル・C・ホールが、約8年ぶりに本作にカムバックした心境や、前シーズンとの違いなどを語った。

【写真】10年後のデクスター

 本シリーズは、主人公デクスターが善良な鑑識官とシリアルキラーの二重生活を送るさまを追うサスペンス。主演のマイケル・C・ホールにとって同シリーズは公私ともに大きな影響を与えた作品で、義理の妹で刑事のデボラを演じたジェニファー・カーペンターと結婚したことでも話題を呼んだ(のちに離婚)。デクスターは幼少期から破壊衝動を抱えており、育ての父であるハリーに教えられた、殺人のターゲットは凶悪犯のみという「掟」に従って凶行に及んでいた。しかし、そんな二重生活は徐々に揺らいでいき「掟」を破ることに。デボラにも秘密を知られ、前シーズンのラストではマイアミから姿を消すところで幕を閉じた。

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 新シーズンの舞台は、太陽がさんさんと輝くマイアミから一転して、凍てつくニューヨーク州北部の田舎町アイアン・レイクへ。名をジム・リンジーに変えこの地にやって来たデクスターは、明るく気さくな地元の人々になじみ、恋人である警察署長のアンジェラ(ジュリア・ジョーンズ)と穏やかな日々を過ごしていた。新天地で「生まれ変わった」かのように見えるデクスターだが、マイケル本人は約8年ぶりのカムバックについてこう語る。

 「身体的には特別に準備をしたことはなかったよ。でもデクスターには独特な動き方や仕草があって、それは撮影をし始めたら自然に戻ってきた。デクスターはまだ僕の中に残っていたんだと実感したね。なんせ8年もデクスターを演じたから、役づくりの基盤は十分出来ていたとも言える。もちろん番組が終了してからこれまでの期間、彼がどんな人生を送っていたのかはじっくり考えなくてはならなかった。僕自身がその期間自分の人生を生きていたように、彼も生きていたのだろうなと想像し、撮影に取り組んだよ」

デクスターと高校生に成長した息子のハリソン

 新シーズンの始まりは、お約束だったモノローグ(独白)がないまま進んでいくのも新鮮だが、そもそもこのモノローグにはどんな意味があるのか?「モノローグとダイアローグ(対話)の声は異なるんだ。モノローグではもっと正直になる。だからモノローグのレコーディングをしている時はいつも、マイクをデクスターが秘密を話す誰かの『耳』だと思って話しかけているんだ。モノローグは、観客がデクスターに親近感を感じることができる非常に大切な要素だ。デクスターの秘密を知っている観客は、彼と一緒にストーリーを体験するからね。デクスターはモノローグで他には明かさないことを言うから、とても面白い要素でもある。新シーズンではある時点まで、あえてモノローグを入れないことにしたんだ」

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 あれから10年近く一人も殺すことなくルーティンの生活を送って来たデクスターだが、やがてある事件を機に穏やかな日常が一変。また、10年前に離れ離れになった息子のハリソン(ジャック・アルコット)との再会も予期せぬ事件だ。デクスターが自身の過去や本性を隠しながら周囲と関係を築いていくさまは、これまでと変わらないようにもみえるが、10年前からどのように変化しているのか。

 「殺人中毒のデクスターにとって長い禁欲生活後に再発する依存症は、昔とは違う行動パターンになる。今回は彼の中で禁欲を決意した理性が止めに入るから、以前よりもっと複雑になっている点が新しい。また、今回は父親のハリーではなく、義妹(デボラ)と心の葛藤がある点も違う。そして何より本作でデクスターは、成長した息子の父親なのだと言う点が一番の大きな違いだね。一人の人間として成長した息子に対する複雑な願望がデクスターを悩ませることになる」

デクスターにつきまとう義妹デボラの幻影

 そして、予告編にも登場しているが、おそらく多くが驚くであろう展開が前シーズンのラストで死亡した義妹デボラの幻影が現れること。常にデクスターを苛む存在として描かれ、その様子はかなりショッキングだが、マイケル自身はこの存在をどう解釈しているのか。「今回デボラは、生前にデクスターが夢見た理想的な兄妹関係として描かれている。秘密は無く、心置きなく正直にいられる家族関係だ。でもそんな関係は、デクスターが禁欲しているから成立している。禁欲生活をしていれば、デクスターは自分のせいで死んでしまった妹の幻影に苦しめられないからね。今回デボラは、デクスターの心の中の世界の象徴として登場し、様々な方面から彼に話し、問いかけるんだ」

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 「雪の中で駆け回るシーンの撮影は楽しかった」と撮影を振り返るマイケル。長きにわたって演じてきたデクスターというキャラクターが、自身のキャリアにもたらした影響について問うと「僕のキャリアにおいて非常に大きな存在で、とても感謝しているし、誇りに思っている。そして僕は復活した本作にも誇りを持っているんだ。僕自身がデクスターに影響を与えた部分はもちろんあるけれど、デクスターが僕の一部になったかどうかは意識的に認識するのは難しいな……。でも、きっと知らずにデクスターからの影響は受けていると思うよ。幸い僕は誰かを殺したいと言う気持ちになったことはないけど(笑)」と茶目っ気たっぷりに答えていた。(編集部・石井百合子)

「デクスター:ニュー・ブラッド」は3月7日よりHuluで独占配信スタート、毎週月曜日に1話ずつ追加配信予定

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