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「青天を衝け」土方歳三役の町田啓太、美しい殺陣はこうして生まれた

第16回「恩人暗殺」より町田啓太演じる土方歳三(左)
第16回「恩人暗殺」より町田啓太演じる土方歳三(左) - (C)NHK

 30日に放送された吉沢亮主演の大河ドラマ「青天を衝け」(NHK総合ほかにて 放送)第16回「恩人暗殺」で、新選組副長・土方歳三役にふんし華麗な太刀さばきを披露した町田啓太。時代劇が好きで剣道を始めたという町田が魅せた殺陣の裏側を、この回の演出を務めた村橋直樹が解説した。

【写真】町田啓太「チェリまほ」スーツ姿

 「日本資本主義の父」と称され、新一万円札の顔としても注目される実業家・渋沢栄一(吉沢)の波乱に満ちた生涯を描く本作。第16回では、京都で起きた池田屋事件で町田演じる土方が、攘夷派の志士たちを一刀両断するシーンが描かれた。

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 演出を務めた村橋は「殺陣の稽古で動いてもらったときから、町田さんが剣を振る姿がとても美しかった」と述懐。狭い路地での殺陣のシーンについて「この大河ドラマでは、どちらかというと殴り合ったり、掴み合ったりする殺陣を目指しているのですが、池田屋のシーンは、ある種昔っぽい殺陣というか、美しさを出したいと思っていました」と演出意図を述べる。

 もともと幼少期から時代劇に憧れて剣道を習っていたという町田。村橋にも「とても勘所が良くて美しい太刀さばきなので、その素養を生かして撮ればいいものができる」という自信があったようだ。実際、町田の殺陣をモニターで観ていたという吉沢は「いいな。栄一にもこういう場面が欲しかったな」とつぶやいていたという。

 街中で行われた斬り合い。狭い路地のなか、長い太刀を駆使した殺陣は、かなりの技術を要するように感じられる。村橋は「広い場所で殺陣を撮ると、どうしても間延びした感じになってしまう。その意味で、限定された空間というのはいいのですが、制約が多いなか、泥臭くなく美しい殺陣をやるのは、相当な技術を要します。そんななか、町田さんをはじめカメラマン、殺陣師らが一生懸命にアイデアを出し合い、面白い殺陣のシーンになっています」と出来に自信をのぞかせていた。

 町田の殺陣でとりわけ素晴らしいと感じたのが「体の抜き方」だという。狭いなか、相手とぶつからないように剣を振り回すのは至難の業。村橋は「相当無茶な注文でやりづらかったと思いますが、本当に身のこなしが良く、素晴らしかった」と絶賛しながら「でも制約が多い方が、面白いものが出てくるんですよね」と、狙い通りの画になったことを嬉しそうに語っていた。(取材・文:磯部正和)

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