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賞は必要なし!テーマ重視の徳島国際映画祭2019が閉幕

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『波乗りオフィスへようこそ』の舞台あいさつに登壇した監督&キャスト陣
『波乗りオフィスへようこそ』の舞台あいさつに登壇した監督&キャスト陣

 徳島国際映画祭2019が、10日に最終日を迎えた。テーマに沿って厳選した作品を上映する同映画祭の真摯な姿は、映画祭のあるべき姿を考えさせてくれる。

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 この日は、徳島県出身の明石知幸監督がメガホンを取った特別招待作品『波乗りオフィスへようこそ』が上映された。『免許がない!』(監督作)や『終わった人』(プロデュース作)などの明石監督が故郷・徳島県美波町を舞台に制作した本作は、東京のIT企業経営者・徳永(関口知宏)が一念発起、美波町にサテライトオフィスを開設し、働き方改革に打って出る姿を人情味あふれるタッチでユーモラスに描く。

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 舞台あいさつには明石監督と主演の関口のほか、上田結吉田一成内藤一典が登壇。4月5日よりイオンシネマ徳島にて先行公開されることがすでに決定している本作について、関口は「とても不思議な映画。監督いわく、何度も観ると毎回違う感想が湧くそうです。ですから1度と言わず、何度でも観に来てください!」と猛アピールした。

 映画の仕事を始めて35年になるという明石監督は、本作を撮るきっかけについて、「監督を志す者なら、誰もが1度は『故郷で映画を撮りたい』と思うものですが、今回たまたま美波町に住む後輩から、サテライトオフィス誘致の話を聞く機会があって。『この題材なら地元で映画が撮れる!』という運命的なものを感じました」と笑顔で語る。

 また、本作には宇崎竜童柏原収史など豪華俳優陣がキャスティングされているが、これについて明石監督は、「とにかく個性あふれる俳優さんたちが絶妙なアンサンブルを全編で織り成していますので、皆さんリラックスして、心地よく観られるんじゃないかなと思いますね。そして最後の最後、先日解散しましたPOLUというバンドにいた丸山純奈ちゃんが歌うエンディング曲で、ちょっとウルっとくるかもしれません」と期待を持たせていた。

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 このあと、クロージング作品『ドラムロール』(監督:小原穣)が上映され、徳島市内のあわぎんホール(徳島県郷土文化会館)で3日間にわたり開催された本映画祭が無事閉幕した。菱川勢一総合ディレクターがオープニングのあいさつで、「今回のテーマは映画と舞台。徳島セレクションをはじめ撮影地が徳島県内の作品を数多くセレクトし、さらに第2会場では演劇も上演します。今年は盛りだくさんですよ!」と語っていたが、初日から平日にも関わらず、老若男女や多くの映画ファン、演劇ファンが会場に詰めかけ、全国区で活躍する俳優の井之脇海、徳島県出身の女優・山下リオなど、多彩なゲストも駆けつけて映画祭を盛り上げた。

 菱川総合ディレクターいわく、「徳島国際映画祭の特徴は、毎年違ったテーマを掲げ、それに沿った映画上映やイベントを開催すること。そしてもう1つ、映画賞を設けないこと」なのだとか。その理由は、「毎年違うテーマに沿って映画祭を企画しているところは、日本ではあまりないと思うんですよね。賞については、主催者側から言わせていただければ、厳選した作品だけを上映しているので、気持ち的には全てが優秀賞なんです」と胸を張る。

 ちなみに第1回のテーマは「映画と祭り」、第2回は「映画音楽」、第3回は「映画とデザイン」、そして今回が「舞台」。来年はどんなテーマで楽しませてくれるのだろうか。各地でさまざまな映画祭が行われているが、徳島国際映画祭が地道に、そして真摯に、テーマに沿った徳島県ならではの企画に懸命に取り組んでいる姿は胸を打つ。(取材・文:坂田正樹)

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