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マイケル・ムーア、アメリカに嫌気…新作で新たな問題提起!

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マイケル・ムーア監督
マイケル・ムーア監督

 『ボウリング・フォー・コロンバイン』『華氏911』など数々の物議を醸した映画を制作したマイケル・ムーア監督が、ニューヨーク映画祭(53rd N.Y.F.F.)で新作『ホエア・トゥ・インヴェイド・ネクスト(原題) / Where to Invade Next』について語った。

『ボウリング・フォー・コロンバイン』フォトギャラリー

 本作は、ムーア監督自ら欧州諸国を訪れ、欧州各国の医療制度、教育制度、食糧管理制度、有給休暇などをアメリカと比較して、アメリカの現状を浮き彫りにしたドキュメンタリー。

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 製作経緯について「大学を1年で中退し、ユースホステルの会員証でヨーロッパに2、3か月滞在していたときに、スウェーデンで足の指をケガして誰かが僕を病院に連れて行ってくれた。ところがその医療費を払おうとした際に、治療費を請求されず、それが全く理解できなかった。すると、医療関係者が僕に(医療費は国民の税金で負担されていることを)説明してくれた。その後のヨーロッパ旅行でも、このような(アメリカとは異なった)対応を受け、それぞれが良いアイデアで、なぜアメリカは同様のことをやらないのかと疑問を持ち始めたことがきっかけだった」と長年温めていたテーマであることを明かした。

 ムーア監督は、さまざまな制度の変化が訪れることを信じることが大切だと言う。「欧州での(医療や教育制度の)単純な問題解決につながるアイデアも、アメリカでは出来ないと聞かされるたびに嫌気がさしていた。それでもある時、誰かが壁(障害)を崩し始めて、(映画内で描かれたベルリンの壁のように)壁が崩壊することもある。たとえば、マサチューセッツ州が10年以上前に初めて同性婚を合法化してから、徐々に全ての州で同性婚が合法に傾いていった。あの同性婚を禁止するカリフォルニア州の Proposition 8(提案8号)でさえそうだ。こうなったのも、人々が行動したからだ」と語った。

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 普段の撮影手法について「全て僕が事前に計画を立てているように見えるが、そうでないものもある。例えば、映画内でフランス人の子供たちが学校のカフェテリアで栄養バランスの取れたコースの食事中に、僕が生徒の前でわざとコーラを飲んでいるように見えるが、あれは実際に僕がコーラをすごく飲みたかっただけだ。ただ自動販売機がその学校にはなくて、僕のアシスタントがわざわざ外出してコーラを買ってきた。決して意図的なものではない」と明かした。

 映画は、改善されないアメリカの問題を欧州諸国を通して提起した秀作。(取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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