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ヴェネチアで早稲田大学大学院研究科のメンバーが製作した短編映画『金魚』が上映!

第66回ヴェネチア国際映画祭

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エドモンド・楊監督と板垣麻衣子プロデューサー
エドモンド・楊監督と板垣麻衣子プロデューサー - Photo:Harumi Nakayama

 第66回ヴェネチア国際映画祭の短篇コンペティション部門で、早稲田大学大学院国際情報通信研究科のメンバーが製作した日本・マレーシア合作映画『金魚』が上映された。

 監督は、マレーシア人のエドモンド・楊。楊監督はすでに、プロデュースした長編『ジ・エレファント・アンド・ザ・シー』(ウー・ミンジン監督)がトロント国際映画祭で審査員特別大賞を受賞し、自身の短篇映画『チキンライス・ミスティ』もドバイ国際映画祭で招待上映されるなど、同国の新鋭映像作家として期待される存在。

 その楊監督が同研究科に留学し、クラスメートである板垣麻衣子さんにプロデュースを依頼して『金魚』が完成した。板垣さんにとっても、プロデューサー初挑戦だったが「エドモンドの『チキンライス・ミスティ』がすごく好きだったし、好きな映画や小説が同じで感性が似ていると思った。彼となら、一緒に映画を作れるかもと思ったんです」と語る。

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 2人の好きな小説というのが、川端康成だった。『金魚』も、川端の小説「金糸雀(カナリヤ)」「雪国」にインスパイアされて生まれたもの。主人公は秋葉原でメイドツアーのアルバイトをしている女の子(藤崎ルキノ)。その彼女が1年ぶりに大学教授(ダンサーの川口隆夫)と再会し、以前、彼女が贈った二匹の金魚についての会話から、次第に二人の過去が明かされていくという人間ドラマだ。『金魚』では、「金糸雀(カナリヤ)」の鳥が金魚に。「雪国」の芸者・駒子が、メイドになった。板垣さんは「秋葉原はエドモンドのアイデア。芸者は現代でいえば秋葉原のメイドのイメージ。金魚は色もキレイだし、日本を象徴するものとしてコレかなと思ったんです」と説明する。

 撮影は、わずか3日半。映画監督でもある安藤紘平教授が製作費を集めてくれたという。板垣さんは「プロデューサーとしては、実は製作のときよりも、ヴェネチア出品が決まってからの方が大変でした。ハイビジョンで撮った映像を、映画祭の規定でデジタルシネマパッケージに変換しなければならず、さらに資金が必要になってしまいまして」と苦笑する。それでも、初のヴェネチア参加とあって、自腹を切って総勢9人で現地に乗り込んでくるなど気合は十分だ。楊監督は「上映もスムーズに行われて良かった。でも短篇は僕にとっては次へのステップ。いずれ長編を撮ってみたい」と抱負を語った。

 なお同部門には、日系アメリカ人のディーン・ヤマダが監督を務め、佐生有語主演の日米合作映画『自転車』も選出されている。同部門では珍しく、日本が製作に参加した作品が2本もコンペ入りを果たしたことになる。同部門の受賞結果に期待したい。(取材・文:中山治美)

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