シネマトゥデイ

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中山 治美

中山 治美

略歴: 茨城県出身。スポーツ紙記者を経てフリーの映画ジャーナリストに。週刊女性、GISELe、日本映画navi、goo映画、スカイパーフェクトTV(ぴあ)、朝日新聞webサイトおしごと博物館内で「おしごとシアター」などで執筆中。いつの間にやら映画祭を回るのがライフワークとなっている。お気に入りはオランダ・ロッテルダム国際映画祭とスペインのサンセバスチャン国際映画祭。

近況: 本サイトで「映画で何ができるのか?」と「ぐるっと!世界の映画祭」を連載中。また、編集に携わった塚本晋也監督・著「『野火』全記録」(洋泉社)、DVDマガジン「石原裕次郎シアター」(朝日新聞社)が発売中デス。

サイト: https://www.oshihaku.jp/series/00007

中山 治美 さんの映画短評

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  • タランティーノによるTVやB級映画の担い手たちへのオマージュであることは間違いないのだが、『キル・ビル』を無邪気に作っていた頃とは違う。最近の作品同様、怒りがある。時代の変化の名の下に、一斉を風靡したスターやスタッフを簡単に切り捨ててしまうハリウッドのシステムに対して。『吸血鬼』や『ローズマリーの赤ちゃん』を伸び伸び製作していたポランスキー夫妻の運命を変えてしまったカルト集団に対して。自分が愛したモノを破壊した奴らにラストで強烈なお仕置きを用意したのがタラらしいが、お金と技術を投入して彼らが生きていた時間を精密に再現した愛情のかけ方も彼らしい。でもちょっと長いかな。

  • ロケットマン
    『ライオン・キング』と合わせてどうぞ!
    ★★★★

    売れてドラッグにハマり痛い目に遭う。
    ミュージシャン映画の王道だ。
    当人たちがそういう人生を歩んできたのだから致し方ない。
    しかしエルトン・ジョンは現役だ。製作総指揮も務めている。
    だが失態も家族との軋轢も、”ありのまま”を惜し気なく晒す。
    レジェンドになることを拒否しているかのよう。ROCKだな。
    そもそも自分をイジった『キングスマン』チームと組んでいる辺りもセンスあり。
    天邪鬼な彼らだけに、ライブシーンてんこ盛りで観客にカタルシスを与えるようなことはしない。
    音楽の才能は『ライオン・キング』で補足するとして、エルトンの波乱人生とタロン・エガートンの多才さを堪能したい。

  • メランコリック
    身近にあるかもしれない恐怖
    ★★★★

    盲点だった。
    『OUT』や『冷たい熱帯魚』でも描かれているように、狭い浴室で死体を解体するのが日本映画のお約束。
    そうか、銭湯があったじゃないか! 
    焼却設備も併せ持っており、なんと好都合なことか(あくまで映画の設定としてです)。
    このアイデアが実に効果的。
    私たちの生活に密着した場所で、東大卒なのにニートという主人公が犯罪にハマっていく過程は昨今の事件をも彷彿とさせ、より身近に起こりうる恐怖を感じさせる。
    エンタメに社会性をはらませることが不得意な日本映画界において、これは期待の新鋭の誕生だ。
    唯一ひっかるのが音楽。低音度で進む展開おいて突如流れるキャッチーな曲に、一気に現実に引き戻された。

  • The King and I 王様と私
    渡辺謙&ケリー・オハラのコンビよ、永遠に!
    ★★★★★

    ケリー・オハラの超絶パフォーマンスと、二の腕の筋肉からたゆまぬ努力が窺い知れる本作。
    さらに主演2人とチャン夫人役のルーシー・アン・マイルズの本作からの卒業が発表されてお宝度UP。
    舞台の映像化が定番となった今日に感謝しきり。

    当初は人種&女性差別が問題視されたが、再演の度に微細を修正。
    特にロンドン公演はケリーとルーシー、タプティム役のナヨン・チョンという実力派が揃い、
    過酷な状況下でも凛として生きる女性の姿を浮かび上がらせた。
    現代の女性たちへのエールが込められているのだろう。
    そして渡辺をはじめアジア系キャストの活躍に、”西洋と東洋の相互理解”というテーマがより心に深く染み入るのだ。

  • よこがお
    ”日本のイザベル・ユペール”筒井真理子、繚乱
    ★★★★

    園子温監督『アンチポルノ』では筒井真理子の抜群のスタイルと肝の太さに驚愕。
    本作ではさらに艶と狂気も加わって、微笑みの裏の魔性ぶりに目眩すら覚えた。
    作品のテイストも相まって『エル ELLE』のI・ユペールを彷彿。
    『淵に立つ』でも組んだ深田監督が、筒井に刺激を受けて脚本をしたため、さらに演出でどこまで要望に応えてくれるのかを挑んでみたくなったのも納得だ。
    そして本作には時流に敏感な深田監督らしく、昨今のメディア批判も含まれている。
    1つの事件に群がり、人の一面しか見ずに善悪を判断して報じる事の何と無責任な事か。
    人間がいかに多面性を持っているかを、筒井の存在そのもので証明しているのだ。

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