シネマトゥデイ

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森 直人

森 直人

略歴: 映画評論家、ライター。1971年和歌山生まれ。著書に『シネマ・ガレージ~廃墟のなかの子供たち~』(フィルムアート社)、編著に『21世紀/シネマX』『シネ・アーティスト伝説』『日本発 映画ゼロ世代』(フィルムアート社)『ゼロ年代+の映画』(河出書房新社)ほか。「週刊文春」「朝日新聞」「キネマ旬報」「メンズノンノ」「Numero TOKYO 」「映画秘宝」などでも定期的に執筆中。※illustrated by トチハラユミ画伯。

近況: YouTubeチャンネル『活弁シネマ倶楽部』でMC担当中。11月21日より、佐藤快磨監督(『泣く子はいねぇが』)の回を配信中。ほか、渡辺紘文監督&雄司さん(大田原愚豚舎の世界Vol.2)、黒沢清監督(『スパイの妻』。月永理絵さんとのダブルMC)、原一男監督&島野千尋プロデューサー(『れいわ一揆』)、行定勲監督 feat.東紗友美さん(『窮鼠はチーズの夢を見る』)、足立紳監督(『喜劇 愛妻物語』)、荒木伸二監督 feat.SYOさん(『人数の町』)、城定秀夫監督&平井珠生さん(『アルプススタンドのはしの方』)、田中圭監督(『島にて』)、内藤瑛亮監督(『許された子どもたち』)、諏訪敦彦監督(『風の電話』)、想田和弘監督(『精神0』)、深田晃司監督(『本気のしるし』)、豊島圭介監督(『三島由起夫vs東大全共闘』)、入江悠監督(『AI崩壊』)、タナダユキ監督(『ロマンスドール』)、岩井澤健治監督&大橋裕之さん(『音楽』)、片山慎三監督(『岬の兄妹』)と『パラサイト 半地下の家族』を語り尽くす特番、森達也監督&河村光庸プロデューサー(『i 新聞記者ドキュメント』)、小林啓一監督(『殺さない彼と死なない彼女』)、竹内洋介監督(『種をまく人』)、渡辺紘文監督&雄司さん(『普通は走り出す』など大田原愚豚舎の世界)、瀬々敬久監督(『楽園』)、今泉力哉監督(『アイネクライネナハトムジーク』)、二ノ宮隆太郎監督(『お嬢ちゃん』)、大森立嗣監督(『タロウのバカ』)等々を配信中。アーカイブ動画は全ていつでも観れます。

サイト: https://morinao.blog.so-net.ne.jp/

森 直人 さんの映画短評

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  • バクラウ 地図から消された村
    ネオ「シネマ・ノーヴォ」の闘い
    ★★★★★

    血と暴力の寓話……というお約束のコードをぶち破る本気のサプライズ連発。インターネットのMAPに表示されない村で、破格の近未来像(「今から数年後」)が混沌と渦巻く。これはブラジル映画の伝説的金字塔、グラウベル・ローシャ監督の『アントニオ・ダス・モルテス』(1969年)の遙かな後継か? コミュニティの攻防。西部劇を軸とした超ジャンル的な前衛性と土着性。劇画的な残虐性で固められた映画のボディに、さらにエンタメ度を加算。おそらくは最初から「カテゴライズ不能」こそが主題だ。

    バクラウとは鳥の名を指すらしいが、『異端の鳥』でお目に掛かったばかりのウド・キアが狂った傑作のアイコンのように、ここにも登場!

  • シラノ・ド・ベルジュラックに会いたい!
    いろんな意味で安定感抜群!
    ★★★★

    楽しい。ジェラール・ドパルデュー主演の『シラノ・ド・ベルジュラック』(90年/監督:ジャン=ポール・ラプノー)と二本立てなら最高のプログラムではないか? ご存じ仏の名作大衆演劇――その誕生秘話をもとにした愉快なドタバタ劇で、すぐにでも新劇の人気演目になりそう。

    舞台版の作・演出家であるA・ミシャリクがそのまま監督を務め、語りは盤石。史実ベースの「仕立て」の具合は三谷幸喜に近いと思った。ロマンティック・コメディの古典の舞台裏を、同系の作風と構造で仕立てるワザ。劇場で観ても、正月のお茶の間にもハマるような人懐っこさ。「願望が満たされれば筆は止まる」など創作の秘密(力学)をめぐる名台詞もさらりと。

  • ホモ・サピエンスの涙
    完璧な76分の「大作」!
    ★★★★★

    『さよなら、人類』でロイ・アンダーソンの「リビング・トリロジー」は完結したはずだが、その嬉しすぎる延長。シャガールの『街の上で』(今泉力哉の同名映画タイトルの元ネタでもある)を戦禍のケルンの上空に再現した美麗な画から始まり、超“ごっつええ感じ”のミニコントが連発。『去年マリエンバートで』のショートVer.を33篇詰め込んだ位の充実と労力があるのでは?とすら思う。

    例によって本作は、ほぼ全て監督の自社スタジオ(箱庭)の中で創造されたもの。同じくジャック・タチの発展的後継でも、パレスチナ問題を巡る実景を背景にしたエリア・スレイマン(『天国にちがいない』が来年1月公開予定)と比較してみるのも一興。

  • 佐々木、イン、マイマイン
    「チーム男子」のエモーションと、卓越した設計力!
    ★★★★★

    高熱量にして組成は極めて精緻。King Gnuの『The hole』などMVが有名な新鋭監督・内山拓也(92年生)は、骨太の新古典派として映画界の最前線に浮上することになる。『ヴァニタス』『青い、森』から連なる死の想念が貼り付いた青春群像。自己不全に苛まれるモラトリアム青年・悠二(藤原季節)の内面の運動と連結して、記憶(OMOIDE IN MY HEAD)の中のヒーロー、「我が心の佐々木」(細川岳)が再生する。

    『チャンピオン』の引用アリだが、陽気さと影の表裏一体など、内山が影響を受けたと公言する川島雄三の『幕末太陽傳』との通底に注目。フランキー堺扮する道化の佐平次は、ほぼ「佐々木」だ!

  • 劇場版『アンダードッグ』【後編】
    日本映画が「ちゃんと輝く」ために
    ★★★★★

    ひとつの「総力戦」の趣がある。武正晴&足立紳の黄金タッグのもと、素晴らしい座組みで作り上げたセントラル・アーツの魂を受け継ぐスコセッシへのアンサー(『レイジング・ブル』のマスカーニならぬブラームス!)。前・後編で4時間半強、少しも弛まないどころか激しく熱くなる。

    『百円の恋』を安藤サクラ以外で『万引き家族』に補助線を引けないものかと思っていたが、この「アンダー」のザラついた実相から立ち上げた王道の娯楽映画は従来の日本映画の文脈を世界性に接続させるかもしれない。二ノ宮隆太郎(助演賞級)があのトラヴィス(『タクシードライバー』)を背負う展開にも痺れ、渡辺紘文との共演シーンも結構事件!

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