いろいろヤバい「ドグマ95」の発展形

露骨なセックス描写や拷問描写などのスキャンダラスなシーンや、35mmでの撮影などの妙なこだわりなど、やはりラース・フォン・トリアーらしさは否定できない「ドグマ95」の発展形な「実験映画プロジェクト」第1弾。1952年のソ連の空気感を再現し、独特な閉鎖感は伝わってくるものの、何もバッググラウンドを知らないで観ると、カフェを舞台にしたシチュエーション・コントにも見えてしまう点も興味深い。そんな劇中では語られない徹底した裏設定を基にした素人俳優のキャラなりきり演技は、リアリティショーどころじゃないヤバさを放つ。いろいろ難しいことは考えず、怖いモノ観たさ程度で挑んでみるのも良し。