感情移入させまくる設定。だからこそ、あえて言いたいことも

2021年1月27日 斉藤 博昭 花束みたいな恋をした ★★★★★ ★★★★★

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花束みたいな恋をした

特に前半、かなりのシーンでモノローグがかぶる。感情はもちろん、「●●を食べた」とか観てればわかる状況まで強迫観念のように続く饒舌さは、「2人の日記」という意図だそうだが、登場人物の気持ちを想像する「映画の豊かさ」は失われていく。

もう1点、押井守で始まる、2人が繰り出す「知ってるとカッコいい」固有名詞の数々が、彼らのオシャレ感覚を伝えるが、では彼らが本当に何が好きなのか判然としない。流行を記号的に追う薄っぺらさへと変貌する。

それらが気にならなければ、出会いから、ときめき、共同生活の幸福感、仕事や人生観も含めた、思いのすれ違い…と、5年間の運命は、最高の恋愛映画となるだろう。

斉藤 博昭

斉藤 博昭

略歴:1963年神奈川県藤沢市生まれ。高校時代は映画研究部に所属。1997年よりフリーランスのライターとして映画誌、女性誌、情報誌、劇場パンフレット、映画サイトなどさまざまな媒体に映画レビュー、インタビュー記事を寄稿。得意ジャンルはアクション、ミュージカル。最も影響を受けているのはイギリス作品です。Yahoo!ニュースでコラムを随時更新中。

近況:例の接待問題で軽く話題になっている、洋画専門チャンネル「ザ・シネマ」で、4月に何回か放映される「ザ・シネマ レコメン道場」という新番組に出演しています。

サイト: https://news.yahoo.co.jp/byline/saitohiroaki/

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