高尚な香りに惑わされ、敬遠していたら損をする

2021年1月26日 中山 治美 羊飼いと風船 ★★★★★ ★★★★★

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羊飼いと風船

タイトルの”風船”はダブル・ミーニング有だし、チラシなどに使用されている写真もよく見ると……(苦笑)。冒頭から爆笑必至の”明るい家族計画”物語。だがチベットだけに厄介だ。夫の欲望は止まらないが、これ以上の出産は家計を苦しめ、政府による人口抑制制度にも触れる。一方で輪廻転生という信仰の問題も絡んでくる。そんな中で母ドルカルが、一人の女性として自分の生き方について自問するようになる。つまりは世界の潮流であるジェンダー論がテーマ。古い価値観が根強く残るアジアで気鋭監督たちは自国の文化と向き合いながら果敢にそのテーマに斬り込み、我々に大きな課題をぶつけてくるのだ。世界が注目する逸材の策士ぶりを見たり。

中山 治美

中山 治美

略歴:茨城県出身。スポーツ紙記者を経てフリーの映画ジャーナリストに。日本映画navi、全国商工新聞、スカイパーフェクトTV(ぴあ)、BANGER!、朝日新聞webサイトおしごとはくぶつかん情報館内で「おしごと映画」を執筆中。いつの間にやら映画祭を回るのがライフワークとなっている。お気に入りはオランダ・ロッテルダム国際映画祭とスペインのサンセバスチャン国際映画祭。

近況:本サイトで「映画で何ができるのか?」と「ぐるっと!世界の映画祭」を連載中。また、編集に携わった塚本晋也監督・著「『野火』全記録」(洋泉社)、DVDマガジン「石原裕次郎シアター」(朝日新聞社)が発売中デス。ライフワークの旅の記録をまとめたブログはこちら。https://tabisutekaisyu.amebaownd.com

サイト: https://www.oshihaku.jp/series/00007

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