親と子のつながりを通して問う、戦争の無益

この戦争ドラマで何より注目すべきは、父と子の関係。内勤の軍人だった父のために、あるいは父を超えるためにアフガンに赴任した主人公の若き兵士は、その象徴だ。
一方には、息子を祖国に置いてきた上官がいる。非道も軍人の仕事と割り切り、進んで手を汚していく殺人マシン。主人公の仲間たちもこれに倣い”キル・チーム”ができあがる。それに反感を抱く主人公の苦悩が物語を動かす。
軍人の仕事は人を殺すこと……という思想はある意味では正しいが、別の意味では誤り。本作では米軍に殺される人間もまた、誰かの父であり誰かの息子であることを強く意識させる。親子という最小限の人間関係を通して戦争の無益さを見つめた秀作。